薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome, DIHS)は,抗けいれん薬などの投与後に遅発性に発症し,発熱や臓器障害を伴う重症薬疹である.ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)をはじめとするヘルペスウイルスの再活性化が生じ,症状の遷延や重症化に関与する.発症早期の診断が困難なことが多いが,TARC(thymus and activation-regulated chemokine)が診断を補助するバイオマーカーとして実用化されている.回復期には一部の症例で自己免疫疾患の発症がみられるため,長期的な経過観察が望まれる.
Stevens-Johnson症候群(Stevens-Johnson syndrome;SJS)/中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis;TEN)の病態はこれまで主に獲得免疫による機序が想定されてきた.しかし,T細胞に加え,単球や好中球などの自然免疫細胞も関与し,これらが協調(共謀)しながら病態を形成し,表皮にアポトーシス,ネクロプトーシスなど多彩な細胞死を誘導していることが分かってきた.自然免疫と獲得免疫の相関とその連鎖がSJS/TENの急速な病態進行をもたらしている.
白人の紅斑毛細血管拡張型酒皶患者の紅斑評価尺度CEAおよび写真ガイドを参照して,本邦の同症患者48名の紅斑重症度を恒温恒湿室または一般室環境下にて2名の皮膚科専門医が独立して評価した.その結果,評価環境間および医師間の評価は同等であり,本邦の酒皶患者を一般的な診察室の環境下でCEAを参照して紅斑重症度を評価しうることが示された.しかし白人のCEAおよび写真ガイドを用いた場合,最重症にあたる本邦例はみられず,重症例も少数であったことから,正確な評価のためにはCEAの定義のより適切な和訳ならびに本邦患者で構成された写真ガイドが必要と考えた.
64歳女性.初診2年前から全身皮膚が変色し,当科を受診した.初診時,全身皮膚は青灰色を呈し,露光部で変化が強かった.生検で汗腺基底膜部などに黒褐色粒子が観察され,銀皮症を疑った.原因を調べたところ,3年前から飲んでいる健康飲料が銀イオン水であることが判明し,全身性銀皮症と診断した.本症国内外報告60例の検討ではイオン化銀を含む製剤を摂取した場合,他の銀製剤に比べ短期間で発症する傾向がみられた.近年,イオン化銀やコロイド銀製剤が栄養補助食品や代替医療として使用されることがあり,注意が必要である.