非専門経験者が抽象画を楽しめない理由は創作や表現における「作品らしさ」に対する固定観念があるためだと考えられている。これらは実際の自己表現創作体験が抽象画鑑賞と創作体験の時に、目を閉じることで創作過程を意識的にコントロールしないようにすることで解消される可能性が考えられた。そこで本研究では、瞑想後に目を閉じて行う AP 創作体験が、その後の抽象画鑑賞時のアート等に対する態度にどのような影響を与えるかを検討した。有効回答 67 件に対して3要因の分散分析を行った結果、非専門経験者と美術専門経験者は、目を閉じても開いても、瞑想の後 AP を体験すれば、「現代アートの抽象作品」に対するイメージや「現代アート」に対する関心、「絵を描く『アート創作』時の印象」に対する満足度と「自分自身への注意」をよりポジティブに変化させたが、目を閉じる方法ではリフレーミングが起こらないことが明らかになった。そして、美術専門経験者と非専門経験者は同じ傾向が見られた。