動物臨床医学
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10 巻, 1 号
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原著
  • 網本 昭輝, 野口 道修, 八村 寿恵, 中野 正司, 山岡 佳代, 甲斐 千恵美, 松本 光晴
    2001 年 10 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2001年
    公開日: 2007/03/23
    ジャーナル フリー
    犬の埋伏歯の症例40頭の54カ所に対して、埋伏歯の原因や症状により、歯肉の切開、切除による開窓、外科的歯牙移動による矯正、歯牙の抜去などの治療を行い術後の経過を観察した。また、一部のものは治療せずに経過を観察した。生後1 年以内に、歯肉の切開や切除、外科的矯正など抜歯以外の保存的治療を行った26頭のうち、20頭 (76.9%) は良好な結果が得られた。犬の埋伏歯に対しては、乳歯は2~3カ月齢まで、永久歯は4~7カ月齢までのなるべく早期に発見し、必要に応じた処置を施すことが大切と思われた。また、欠如歯がみられた場合、埋伏歯と欠如歯とを鑑別するためX 線検査が必要である。
  • 高島 一昭, 山形 静夫, 仲庭 茂樹, 山根 義久
    2001 年 10 巻 1 号 p. 9-18
    発行日: 2001年
    公開日: 2007/03/23
    ジャーナル フリー
    犬の結膜、角膜ならびに眼瞼の炎症性疾患、すなわち外眼部炎症性疾患の臨床例に対し、非ステロイド系抗炎症薬である0.1%プラノプロフェン点眼薬の臨床応用を行った。各種検査にて、外眼部炎症性疾患である結膜炎、角膜炎ならびに眼瞼炎と診断した臨床例167例の犬に対して、0.1%プラノプロフェン点眼薬を使用し、その有効性、安全性ならびに有用性について検討を行った。167例のうち、全般有用度の判定が可能な症例は152例、安全性評価が可能であった症例は160例であった。これらの症例のうち、全般有効度は、有効以上と認められた症例が92.8%であり、そのうち著効例が79.6%と高い有効率を示した。副作用は160例中4例認められたが、いずれも重篤ではなかった。したがって、犬の外眼部炎症性疾患に対し、0.1%プラノプロフェン点眼薬は極めて有効であり、かつ安全な点眼薬として臨床的に応用することが可能であると判断された。
症例報告
  • 白永 伸行, 真下 忠久, 下田 哲也
    2001 年 10 巻 1 号 p. 19-22
    発行日: 2001年
    公開日: 2007/03/23
    ジャーナル フリー
    6歳の雌のゴールデンレトリバーが急激かつ重度な呼吸促迫と意識障害のため来院した。臨床検査から重度の赤血球増加症が認められた。当初は静脈内輸液にて対応したが強直性痙攣を併発したため緊急に700mlの瀉血を実施した。画像診断および心電図検査では二次性赤血球増加症の原因となりうるような異常は認められなかった。さらに骨髄検査や血中エリスロポイエチン、ビタミンB12、および2,3-diphosphoglycerate(2, 3-DPG)濃度の測定などから真性赤血球増加症と診断した。症例は現在ブスルファンの投与により経過観察中である。
  • 藤田 桂一, 戸野倉 雅美, 花田 幸子, 高柳 博之, 三ツ村 麻美, 土屋 彰彦, 柴崎 祐也, 廣田 賢司, 高山 和之, 藤田 理恵 ...
    2001 年 10 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 2001年
    公開日: 2007/03/23
    ジャーナル フリー
    歯石除去を目的に来院した5歳のヨークシャー・テリアと眼窩下瘻管がみられた5歳のミニチュア・ダックスフンドの上顎第1後臼歯の咬合面に欠損を認めた。両患歯とも歯髄壊死が明らかで臨床歯冠が少なく、根尖周囲に病巣を認めたことから保存修復は困難と判断し抜歯を行った。処置後の経過は良好であった。病理組織検査の結果、齲蝕と診断された。日常診療において極めてまれな症例に遭遇したものと判断された。
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