動物臨床医学
Online ISSN : 1881-1574
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17 巻, 4 号
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Original Article
  • 藤田 桂一, 伊藤 寛恵, 笹原 沙衣子, 鴇田 真弓, 長田 裕子, 川重 結子
    2008 年 17 巻 4 号 p. 109-115
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    デンタルガム(グリニーズ® ティーニー)を1日1本成犬に投与したときと投与しなかったときにおける歯垢付着程度,歯石付着程度,および歯肉炎の程度(歯肉炎指数)を比較検討した。犬を2群に分けてクロスオーバー試験を行った。14日間のプレテスト期間とそれに続く28日間のテスト期間で構成した。テスト期間終了時に歯垢付着程度,歯石付着程度,および歯肉炎の状態(歯肉炎指数)を評価した。その結果,デンタルガムの投与時期では非投与時期と比較して有意に歯垢(減少率54.8%(p=0.001))および歯石(減少率62.0%(p=0.02))の付着率が減少し,歯肉炎(減少率53.8%(p=0.04))が軽快あるいは軽減した。特に,これらの効果が期待される裂肉歯(上顎第4前臼歯と下顎第1後臼歯)および上顎第1後臼歯の6歯では,歯垢(減少率56.6%(p=0.0002))および歯石(減少率66.0%(p=0.001))の付着率が減少した。しかし,咬合に多く関わらない犬歯および切歯では,歯垢・歯石の付着率の減少はみられなかった。歯垢や歯石付着程度の減少および歯肉炎の軽減が期待できるデンタルガムの機械的擦過作用による効果試験を行う場合,上下顎裂肉歯および上顎第1後臼歯の頬舌側面を評価すべきであると考えられた。
Case Report
  • 信田 卓男, 圓尾 拓也, 萩原 由利子, 武田 晴央, 金久保 佳代, 杉山 大樹, 石川 剛司, 井上 明, 斑目 広郎, 茅沼 秀樹, ...
    2008 年 17 巻 4 号 p. 117-122
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    13歳,雌のビーグルが右第3乳頭頭側~左大腿部内側にかけて発生した再発性の皮膚腫瘤を主訴に来院した。同部位に腫瘍性病変が初発したのは約4年前であり,近医のもとで2度にわたる切除を行ったが再発したものである。病理組織検査では浸潤性毛包上皮腫と診断されていた。本学において再発腫瘤の拡大切除を行い,病理組織検査にて悪性毛包上皮腫と診断された。第56病日(術後7週)に鼠径部付近の皮膚に再発がみられ,第127病日(術後17週)に腰仙椎~尾椎への骨転移をきたし,疼痛を伴っていた。疼痛の制御などQOLの向上を目的に,第133病日から骨転移部位に緩和的放射線治療を行った。さらに第148病日からは骨吸収の抑制,骨疼痛の緩和等を目的にビスフォスフォネート製剤(ゾレドロン酸 商品名:ゾメタ)の投与を行った。第394病日,自宅にて死亡したが,生存中は疼痛の悪化もみられず,歩行可能であり良好なQOLを維持できた。
  • 江畑 健二, 長井 新, 石原 直子, 瀬戸林 政宜, 藤岡 荘一郎, 濱岡 将司, 田村 慎司, 藤岡 透
    2008 年 17 巻 4 号 p. 123-126
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    1歳,未去勢雄のマルチーズが突然の全身性振戦を主訴に来院した。症例の一般状態は良好であるものの,全身に重度の振戦がみられ,歩行困難であった。初診時の血液検査,X線検査では顕著な異常は認められなかったが,神経学的検査にて両側の威嚇反応の消失が認められた。各種検査所見より,本症例を全身性振戦症候群と仮診断し,ステロイドの免疫抑制用量とジアゼパムによる治療を実施した。治療後,振戦には改善傾向がみられたが威嚇反応の消失は残存していた。治療開始22日後に実施したMRI検査およびCSF検査では異常は認められなかった。治療開始から133日経過した現在,治療は中止しているが,振戦の再発はみられていない。しかし,その原因については不明であるが,威嚇反応の消失は依然として認められている。
Teaching Report
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