動物臨床医学
Online ISSN : 1881-1574
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23 巻, 1 号
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特別寄稿
解説
原著
  • 森下 啓太郎, 安川 邦美, 田端 克俊, 植野 孝志, 小路 祐樹, 長屋 有祐, 才田 祐人, 仲庭 茂樹, 下田 哲也
    2014 年 23 巻 1 号 p. 16-20
    発行日: 2014/03/20
    公開日: 2016/02/05
    ジャーナル フリー
    慢性腎疾患(CKD)において貧血を呈した猫65頭(CKD群)と健常猫10頭(健常群)の間で血中血球容積(PCV),クレアチニン(Cre),エリスロポエチン(EPO),血清鉄,総鉄結合能(TIBC),トランスフェリン飽和度を測定し,各項目の値を比較検討した。EPOは両群に有意差は認められなかったが,血清鉄およびTIBCは健常群に比べCKD群では有意に低下していた。血清鉄,TIBCがともに低下することは慢性疾患に伴う貧血(Anemia of Chronic Disease: ACD)の所見と一致し,猫のCKDにおける貧血にはACDの関与が考えられた。またCKD群における各項目値の相関性を調べたところEPOとTIBCにのみ正の相関が認められ,EPOの分泌は貧血やCKDの重症度よりも慢性炎症の程度に左右される可能性が高いと考えられた。
  • 池上 裕, 赤澤 菜帆子
    2014 年 23 巻 1 号 p. 21-24
    発行日: 2014/03/20
    公開日: 2016/02/05
    ジャーナル フリー
    従来の仰臥位正中膀胱穿刺法では生体への障害性が懸念されていたが,これを軽減したより安全で簡便な新しい採尿方法(立位側面膀胱穿刺法)を提案する。従来の仰臥位正中膀胱穿刺法では,その姿勢のために膀胱の直接背後に大動脈と後大静脈が並んで配位するため膀胱穿刺の施術における失宜によって重大な障害を招く恐れがあった。立位側面膀胱穿刺法ではこのような危険性が十分に回避できるため,より安全に膀胱穿刺を行うことができる。
症例報告
短報
  • 酒井 秀夫, 田村 しのぶ, 酒井 聖花
    2014 年 23 巻 1 号 p. 34-37
    発行日: 2014/03/20
    公開日: 2016/02/05
    ジャーナル フリー
    9歳齢,未去勢雄のシーズーが元気食欲低下と嘔吐を認め来院した。血液検査にて貧血,好中球増加,血小板減少,生化学検査で肝酵素上昇,リパーゼとSpec-cPLの上昇と高血糖を認めた。骨髄検査では骨髄球系と赤芽球系は過形成を示し,巨核球系は重度の低形成であった。膵炎および後天性無巨核球性血小板減少症と診断し,支持療法とヒト免疫グロブリンやビンクリスチンによる免疫抑制療法を開始した。膵炎が改善後にプレドニゾロンを追加したところ,血小板数は急速に改善し第15病日に寛解に達し,その後薬剤を漸減し第179病日に休薬した。現在,症例犬は15カ月が経過し,良好に経過している。
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