動物臨床医学
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28 巻 , 2 号
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特別寄稿
原著
  • ― 人の性格傾向による猫に対する行動および双方の生理学的変化 ―
    内山 秀彦, 鈴鹿 輝昭, 永澤 巧
    2019 年 28 巻 2 号 p. 47-53
    発行日: 2019/06/25
    公開日: 2020/06/25
    ジャーナル フリー

    人と猫とのより良い関係を探るため,人の性格特性や動物に対する心的な態度が,人と猫双方の行動と生理学的反応に及ぼす影響について検討した。人と猫がふれ合う状況を設定し,このとき人および猫の行動分析とともに心拍変動解析による自律神経活動の測定,また同時に近赤外線分光法(NIRS)によって対象者の前頭前野活動を同時に測定した。その結果,人の性格(神経症傾向・開放性・調和性)や愛着度は猫に対する態度や行動に影響を及ぼし,人の気質的特徴における猫との相性の存在が示された。さらに,人は猫とふれ合うことで交感神経活性による適度に覚醒,前頭前野の賦活化による認知機能向上の可能性が示され,このことは猫とのふれ合いから得られる人の心身の健康効果の機序の一端を説明するものと考えられる。

症例報告
  • 藤井 祐至, 小路 祐樹, 神田 拓野, 浅野 舞, 松浦 聖, 橋本 淳史, 前田 健, 坂井 祐介, 野口 慧多, 森川 茂, 下田 哲 ...
    2019 年 28 巻 2 号 p. 54-57
    発行日: 2019/06/25
    公開日: 2020/06/25
    ジャーナル フリー

    猫,雌(避妊済),10歳が元気・食欲の低下を主訴に来院した。初診時の血液検査で血小板減少症および血清総蛋白,グロブリン,ALT,総ビリルビン値の上昇を認めた。第2病日には発熱および消化器症状を呈した。第4病日の血液検査では血小板数は変わらず低値を示し,貧血,白血球増多症およびCK,LDH活性の上昇を認めた。同日の血清および肛門スワブより重症熱性血小板減少症(SFTS)ウイルス遺伝子,同血清より抗SFTSウイルスIgM抗体が検出された。治療に対する反応は認められず,第5病日に死の転帰をとった。人のSFTSに類似した臨床所見,ウイルス学的検査所見および剖検所見より本症例を猫のSFTSウイルス感染症と診断した。

  • 島田 香寿美, 松浦 功泰, 滝澤 穣, 田中 綾
    2019 年 28 巻 2 号 p. 58-62
    発行日: 2019/06/25
    公開日: 2020/06/25
    ジャーナル フリー

    ハムスターの糖尿病は,遺伝的なものとしてI型糖尿病がジャンガリアンおよびチャイニーズハムスターで知られている。また,人間と同様に生活習慣病としてのII型糖尿病も多い。ハムスターの糖尿病に対し積極的なインスリン治療を行うことは少なく,II型の場合は食事療法や食生活の見直しによって改善することもあるが,基本的には多飲多尿の管理と,免疫低下による感染症や合併症を防ぐことが第一となる。今回,多尿を主訴に来院したハムスターに尿糖が確認されたため,酪酸菌培養液を投与した結果,飲水量の低下,および多尿の改善が認められたため,報告する。

  • 渡邊 一弘, 岩崎 遼太, 後藤 匠, 齊藤 和之, 森 崇
    2019 年 28 巻 2 号 p. 63-
    発行日: 2019/06/25
    公開日: 2020/06/25
    ジャーナル フリー

    犬4頭(棘細胞性エナメル上皮腫2頭,悪性メラノーマ,骨肉腫)と猫1頭(線維肉腫)の下顎骨背側に認められた口腔腫瘍に対して下顎骨辺縁切除を行った。腫瘍は,マイクロエンジンに装着したダイヤモンドバーで腫瘍の形状に沿って曲線的にマージンを確保しながら,下顎骨腹側縁を残し,腫瘍含有骨片として摘出した。切除した断面に残った歯根はW型サージェリーチップを装着した超音波スケーラーで除去した。手術後,全ての症例で採食,咬合,審美に問題はなく,病理組織学的に腫瘍は完全切除されていた。今回行った下顎骨辺縁切除では,下顎骨切除などの積極的な外科手術と比べても治療成績はあまり変わらずにQOLを維持することが可能であった。下顎骨辺縁切除を行う場合,超音波スケーラーを用いることで下顎骨の損失を最小限にして十分な骨を残すことができ,いままで適用が難しかった小型犬や猫でも適用が可能となる。

資料
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