動物臨床医学
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28 巻, 3 号
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特別寄稿
原著
  • 城下 幸仁, 稲葉 健一, 布川 智範, 田畑 達彦, 山下 智之, 飯野 亮太
    2019 年 28 巻 3 号 p. 93-99
    発行日: 2019/09/25
    公開日: 2020/09/25
    ジャーナル フリー

    上気道徴候を示す非短頭犬種に頭頸部X線および透視検査にて喉頭降下,咽頭背壁余剰,舌根後退,咽頭背壁と軟口蓋の一体化の4所見が認められるものを咽頭気道閉塞症候群と定義した。4年間でこれら画像所見を示す89例を抽出し,臨床像,治療,転帰について後向きに調査した。発症年齢中央値は9歳,ポメラニアンとヨークシャー・テリアで有意に好発し,主訴は慢性咳が最も多く,徴候では肥満,いびき,頻呼吸,睡眠呼吸障害,持続性痰産生性咳(productive cough),乾性咳が多かった。最終診断では気管虚脱が最も多かったが,全体の22%で該当する既存診断名がなかった。46例に体重減量が行われ3カ月後には高い減量率を示した86.7%で初期徴候は有意に改善した。一方,20例で睡眠時無呼吸や非心原性肺水腫を合併し,特に後者では60日生存率が66.7%と経過不良であった。早期に本疾患を認識し,肥満犬には減量を強く指示すべきである。

症例報告
  • 藤井 祐至, 小路 祐樹, 神田 拓野, 岸田 藍, 浅野 舞, 岸田 康平, 松浦 聖, 橋本 淳史, 大塚 真子, 宮本 明奈, 正谷 ...
    2019 年 28 巻 3 号 p. 100-104
    発行日: 2019/09/25
    公開日: 2020/09/25
    ジャーナル フリー

    雑種,12歳の犬が食欲の低下,運動不耐性,発熱,発咳を主訴に来院した。血液検査では血小板減少症およびCRPの上昇が認められた。Anaplasma phagocytophilum(A. phagocytophilum)遺伝子陽性,抗A. phagocytophilum抗体陽性,好中球中に桑実胚が確認されたことから犬顆粒球性アナプラズマ症と診断した。解読されたgltAおよびgroEL遺伝子の塩基配列は,過去に日本で検出されたA. phagocytophilum株と遺伝学的に非常に近縁であった。本症例は西日本で初めてA. phagocytophilum感染症と診断した犬の1例である。今後,非流行地域においても本感染症の発生に注意する必要があると考えられた。

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