FAOと日本政府との共催で1964年6月に開かれた「火山灰土壌の分類と世界土壌図作成上の位置」に関する会議は, 日本側のスケジュール設定がよかつたため大好評のうちに終了し, 各出席者は多大の収穫をえて帰国したことは衆知のことである。ここに掲げる論文の著者NORMAN H. TAYLOR氏も同様で, 会議中見学旅行中に随時随所で同氏のニュージーランドにおける豊富な研究体験を被露してくれ, 日本の同学者と絶え間ない討論をしておられた。筆者はこの篤学の老紳士に最もひかれた一人であろうか, 帰国された後でも討論の手紙を出したほどであった。ごく最近同氏はニュージーランドの火山灰土壌の分類についての同氏の考えをまとめ, FAO本部に先般の会議の報告として提出されたが, その写しを筆者宛に送り広く日本の同学の士の御参考に供したい旨を知らせてきた。早速, 編集委員長小山正忠氏に相談したところ, 完訳の上本誌の資料とするのが最も適当であろうとのことであり, 訳者として河井, 三土の両技官を推せんされた。ここに全訳をえたのでお送りする。全国の各位が充分御活用されることをお願いする。なお, この論文についての御質疑は直接下記の所へ出されるよう望みます。
抄録全体を表示