日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
Print ISSN : 0029-0610
56 巻, 4 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 56 巻 4 号 p. Cover1-
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 56 巻 4 号 p. Cover2-
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 56 巻 4 号 p. App1-
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 小山 雄生, 宮本 進, 須藤 まどか, 菊池 武昭, 高橋 政義, 久馬 忠
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 269-273
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    放牧肉牛は土壌の付着した牧草を摂食することから常に若干の土壌を摂食する.また,冬の舎飼期においても乾草,サイレージ調整過程で土壌が常に混入する.しかし,わが国おいては,これまでに放牧期,舎飼期を通じて肉牛の土壌摂食量を調べた事例はきわめて少なく,また,土壌摂食が家畜のミネラル供給におよぼす意義についても,ほとんど明らかにされていない.そこで著者らはScが土壌中に多く,牧草中にはほとんど存在せず,家畜の消化管からも吸収されずに,しかも放射下分析すると著しく高感度な分析ができる点に着目して,このScを指標とした家畜の土壌摂食量の新しい推定法を検討した.その結果,従来のTiを指標とする方法にくらべてより高い精度で家畜の土壌摂食量が推定できることがわかった.そこでこのSc法を用い,東北地方の6個所の放牧地から放牧末期と舎飼末期の2回に分けて同一の肉牛(約10頭ずつ)から糞を直接採取し,乾燥粉砕後,日本原子力研究所のJRR-2原子炉で放射下分析しScを測定した.その結果,糞中に含まれる土壌の量は放牧末期の平均で2.76%であった.一方,舎飼末期では3.28%と高くなった.しかし,この値は飼育環境の違いで大きく異なり,コンクリート床の飼育では放牧末期より摂食量が1/2〜1/3に低下する.しかし,パドック飼育の場合では逆に2〜3倍にも増加する.また,この土壌含量を基礎として,放牧牛の排糞量を3.6kg(乾物)と仮定した場合の放牧肉牛の土壌摂食量の推定値は,放牧末期で106±120g,舎飼末期で129±171gであった.これらの値はこれまでに報告されている肉牛の土壌摂食量とほぼ一致している.一方,わが国の放牧草地で供給不足が指摘されているSe,Znについて,この土壌摂食が牧草中からのSe,Znの供給不足をどの程度補完するのに役立っているかを評価してみたところ,1日1頭当たり100g程度の土壌摂食量ではほとんど期待できないことが推定された.
  • 和田 信一郎
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 274-278
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    変異荷電を主体とする土壌のアンモニウムおよび塩基イオン吸着量を,土壌と平衡にある溶液の塩化アンモニウム濃度およびpHの関数として与える経験式が知られている.これらの経験式と質量保存則および電気的中性条件を表わす式を連立させて解くことによって,土壌-溶液系に新たに水や塩化アンモニウムを添加したときに起こる土壌のイオン吸着量,溶液の塩化アンモニウム濃度およびpHの変化を予測しうることを示した.この計算方法を適用して,3点の土壌試料について,塩化アンモニウムのみを含む土壌溶液を次々と水で希釈していくときのアンモニウム濃度およびpHの変化の数値シミュレーションを行い,結果を実験データと比較した.土壌のアンモニウムおよび塩素イオン吸着能がともに正しく評価されていた場合には計算結果と実験結果との一致はよかった.しかし,わずかに存在する塩素イオン吸着能を無視した場合には両者の一致は悪かった.このことは,土壌中での陽イオンのふるまいだけを問題にする場合でも,土壌の陽・陰イオン吸着能を正しく評価することが不可欠であることを示している.
  • 加藤 秀正, 岡 紀邦, 本島 俊明
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 279-284
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 加藤 秀正, 本島 俊明, 岡 紀邦
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 285-291
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 南沢 究, 有馬 泰紘, 田中 裕之, 熊沢 喜久雄
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 292-299
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    ニトロゲナーゼの作用により放出される水素を回収するのに十分なuptake hydrogenase活性を持つダイズ根粒を形成する根粒菌株(Hup^+株)と空気中で水素を発生しuptake hydrogenase活性を持たないと考えられるダイズ根粒を形成する根粒菌株(Hup^-株)の接種効果について,無窒素条件下,栄養生長段階の初期に比較検討したところ,以下のような結果が得られた.1)Hup^+株(6菌株)接種ダイズの窒素固定量は,Hup^-株(4菌株)接種ダイズより35%増加したが,根粒窒素量,根粒乾物重は,それぞれ10%,12%の増加にとどまった.別の機会に行った接種試験では,A1017(Hup^+株)接種ダイズの窒素固定量は,J5033(Hup^-株)より10%増加したが,根粒窒素量,根粒乾物重は変わらなかった.いずれの場合も,窒素固定量を根粒窒素量または根粒乾物重で除した根粒当たりの窒素固定能の指標は,Hup^+株接種ダイズの根粒のほうが高くなった.2)Hup^-株接種ダイズと比較して,Hup^+株接種ダイズ各器官の窒素量,乾物重は,光合成器官である葉身を含む地上部で顕著に増加した.以上の結果より次のようなことが推察された.根粒内に水素回収系が存在すると,窒素固定効率が高まり,固定窒素が地上部に豊富に供給されるか,光合成産物の根粒での消費が減少することによって,光合成器官を含む地上部の生育が良好となる.その結果,固体当たりの光合成量が増し,根粒への光合成産物の供給量が増加するので,根粒当たりの窒素固定量が増加し,また根粒の生育が促進されたものと考えられた.
  • 山川 武夫, 山田 芳雄
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 300-305
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    経根的吸収同化能力の種間差と重炭酸濃度のそれに対する影響を知る目的の一環として,水稲,トウモロコシ,コムギの幼植物の切断根を用い,^<14>Cトレーサー法により切断根による炭酸の呼吸速度・同化速度を求めて,それらの初速度の切断根の呼吸速度に対する比率から吸収同化能力の比較を行った.その結果,同化の初速度は,水稲が最も大きく,コムギ,トウモロコシは水稲の14〜30%を示し,重炭酸濃度の影響はほとんど認められなかった.吸収の初速度は,水稲が最も大きく,次いでトウモロコシ,コムギであり,おのおの水稲の30〜78%,16〜21%であった.高濃度(50mM)のNaHCO_3の添加でそれより以下の添加と比較しかなり高い値を示す以外ほとんど重炭酸濃度の影響は認められなかった.同化能力・吸収能力とも水稲が最も高く,トウモロコシの同化能力は水稲の17〜29%,吸収能力は水稲の31〜80%であり,コムギの場合,同化能力は水稲の16〜38%,吸収能力は水稲の24〜66%であった.重炭酸濃度の同化能力に対する影響はほとんど認められず,吸収能力に対する影響も,高濃度(50mM)のNaHCO_3添加より低濃度域ではほとんど認められず,この場合のみ,呼吸により放出される以上の炭酸が吸収された.
  • 本名 俊正, 大羽 裕
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 306-313
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    1)火山灰土壌のリン酸吸収の測定には,従来のリン酸吸収係数の測定法では添加リン酸量が不足するため,2.5%リン酸二アンモニウム溶液(pH=7.0)を土壌1gに対して10mlの割合で加える方法が適当であり,リン酸吸収量(1:10)とすることを提案した.2)この方法によるリン酸吸収量と粘土含量,風化度との関係は,従来のリン酸吸収係数より明瞭となった.3)火山灰土壌の識別基準とされているリン酸吸収係数1500は,リン酸吸収量(1:10)では1650に相当した.4)火山灰土壌表層土のH_2O_2処理あるいは0.3Mクエン酸ナトリウム振とう処理により,残渣土壌のリン酸吸収量の減少は50%以上であり,また0.3Mクエン酸ナトリウム加熱処理では86〜97%であった.しかもこの加熱処理による溶出アルミニウム量とリン酸吸収の減少量との間には対応関係が明瞭であり,このアルミニウムが表層土のリン酸吸収の主要因と考えられた.5)前述の表層土にくらべ,ハイドロサルファイト添加の有無でアルミニウム,鉄の溶出に大きな差があり,有機物の存在はこれら非晶質成分の存在形態にちがいをもたらすおもな要因と考えられた.7)表層土のアルミニウムの溶出については,ハイドロサルファイトの添加効果は小さかった.
  • 松田 宗明, 増井 典良
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 314-321
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    培地に処理法の異なる下水汚泥(発酵汚泥,乾燥汚泥)を加えて,シコクビエ(Eleusine coracana GAERTN)を栽培し,汚泥の種類と生育量および元素組成の関係を調べた.結果は次のように要約される.1)汚泥単独区(汚泥添加土壌に脱塩水を吸水したもの)の2回目の収穫量から,汚泥の"肥料"効果の持続性はあまりないと判断された.しかし,併用区(汚泥添加土壌に化学肥料を施用したもの)では,生育から判断して,priming effectの存在が示唆された.2)牧草中重金属濃度は,汚泥添加量の増大に伴って増加したが,処理汚泥のちがいによる濃度の相違はみられなかった.3)Cd,Mn,Niの牧草中濃度は,併用区よりも汚泥単独区のほうで,また,1回目よりも2回目収穫物のほうでそれぞれ高かった.このことから,一部の重金属を特異的に吸収することは,植物の栄養状態と関連があると考えられた.4)汚泥の多量添加による有害な影響,根を含めた牧草の生育,重金属濃度などの観点から,汚泥単独の利用よりも,化学肥料との併用が好ましいと考えられた.5)Co,Pdの牧草中濃度は調製された培地中の含量が低いためにわずかなものであった.
  • 安田 環, 藤井 義晴, 渋谷 知子, 川端 智雄, 小沢 一夫
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 322-327
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    培地の低リン条件に対して耐性のあるトウモロコシを育成する基礎資料を得るため,11の自殖系統とそれらのF_1 7種について,リンレベルを3段階に変えて土耕栽培し,その生育量を調査する一方,低リン培養液での生育反応および十分なリン濃度下でのリン吸収速度を調査した.1)自殖系統の生育はF_1に劣った.また,自殖系統間あるいはF_1どうしの間にも生育差が認められた.2)高リンレベルでリンに対する反応が鋭敏な系統と鈍感な系統があった.3)リンの吸収量は根重に比例した.また,単位根重当たりの吸収能に系統間差が認められた.4)葉のホスファターゼ活性に対する施肥リンの影響は明らかではなかった.5)胚乳のアミラーゼ活性の高い系統は出芽速度が早い傾向にあった.
  • 鎌口 賢一, 平井 義孝
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 328-335
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    北海道網走地方に分布するおもな未耕地の火山性土壌について,その化学性,なかでも微量要素含量とその特徴を検討した.1)各土壌ともpH(H_2O)は微酸性のものが大部分であるが,To(豊住火山灰),Km(カムイヌプリ)-c,d(混)以外の塩基飽和度は低い傾向にある.2)各土壌とも磁性鉱物はわずかであるが,重鉱物と軽鉱物の含量には差がみられた.3)重鉱物含量と粗砂含量との間には正の相関があり, Km-5a,Ma(摩周)-f,Ta(樽前)-a,Da-l(大雪ローム)Da-p(大雪パーミス)は重鉱物含量が多い.4)可溶性の微量要素濃度をみると,Km系,Ma-f,Ta-a,Kpfl(屈斜路軽石流堆積物),Da-l,Da-pおよび黒雲母軽石流堆積物はマンガン,亜鉛,銅がともに低い.Sh-l(斜里ローム)は亜鉛濃度が低い.一方,Km-d,Sh-l,Sh-p(斜里パーミス)およびToは易還元性マンガン濃度が比較的高い.5)ホウ素は各土壌とも低濃度であった.6)Km-5aは粒径が小さくなるほど重鉱物含量が低下し,マンガン,亜鉛および銅の過塩素酸分解率は増大した.しかし,同時にアルミニウム,塩基等も増加し,可溶性亜鉛,同濃度は低下した.7)粒径組成の近似した同一起源の火山灰ではKm-5aを除いて微量要素含量や可溶性の要素濃度はあまり変わらないことが推定された.8)以上のように,本地域の火山性土壌は微酸性の土壌や礫質土壌が多く,各微量要素とも低濃度のものが多かった.
  • 藤井 弘志, 荒垣 憲一, 中西 政則
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 336-339
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 酒井 千明, 熊田 恭一
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 340-342
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 大山 信雄
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 343-346
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 藤井 信一郎
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 346-349
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 山田 要, 海老原 武久
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 350-352
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • L.D. SWINDALE
    原稿種別: 本文
    1985 年 56 巻 4 号 p. 353-365
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    地域や国を越えて,農業技術移転をはかるには,より多くの耐えざる努力が必要である.このような技術移転は,試行錯誤によって行われることが多いが,最近は,より科学的なアプローチも発展してきている.生物的過程をシミュレートしたり,各種のインプットや地域要因変数と作物の収量との関係を規定する方程式モデルをたてたりすることは,大きな可能性を秘めてはいるが,今のところ成功例は少ない.それに対して現状では,類推にもとづく技術移転(analogous transfer of technology)が比較的有効であり,とりわけ土壌を基盤にした技術情報の移転に対しては,より適した手法と思われる.土壌肥料学における類推にもとづく技術移転は,Soil Taxonomyのようなしっかりした,正確な土壌分類体系に基礎をおくべきである.たとえばVertisol のように比較的均質な土壌目(第1図)においては,亜群あるいは大土壌群段階における農業技術がうまく導入できるかもしれないが,その際,管理するうえでの大切な特性を見逃すことのないように注意しなければならない.土壌ファミリーレベルにおける技術移転も可能のはずである.同じ亜群に含まれる類似のファミリー,または関連する亜群,大土壌群に含まれ類似の関係にあるファミリー間における技術移転は,かなり信頼性は高いと推測されるが,実際にそれを行ってみて,その仮説を吟味し,それらの土壌分類の改訂に貢献することもまた必要である.Vertisol は半乾燥熱帯地域に広く分布しており,現在の利用水準よりはるかに大きな潜在力を持っているので,このような調査研究にはいっそう高い有効性が与えられてよいように思われる.Vertisolは,中央インドに広く分布しており,その潜在力は現在の利用をはるかにしのぐ.新しい技術開発は,国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)における標準的な(benchmark)Vertisolを対象としてなされてきており,その技術がより広い範囲で適用できるような試験が行われつつある.数種の特性のわかった土壌に対するこのような試験の結果は,特定の地域で勤勉な農民が得ている平均収量と対比しながら,その技術の土壌適合性の程度を明確にすることができる.これが確立するならば,土壌適地図(soil suitability map)を 描くことができ,地域開発計画に応用することができる.詳細で,踏査的な土壌調査によって,ある地域の土壌分布パターンを合理的に描出しうるどころでは,土壌適地図はよりスケールの広い地域計画に適用することができる.それは,より合理性のある投資や,終局的には農業生産と国民の福祉を改善するための基礎となるものである.
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 56 巻 4 号 p. App2-
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 56 巻 4 号 p. Cover3-
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 56 巻 4 号 p. Cover4-
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
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