日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
Print ISSN : 0029-0610
63 巻, 2 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1992 年 63 巻 2 号 p. Cover1-
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1992 年 63 巻 2 号 p. Cover2-
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1992 年 63 巻 2 号 p. App1-
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 寒川 喜三郎, 井上 豊, 辰巳 真, 田中 龍太郎, 駒井 豊
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 129-138
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    10種の施肥来歴の異なる土壌腐植酸についてキュリーポイントパイロリシスガスクロマトグラフィー質量分析法 (Py-GC/MS) を適応した.以下に示す結果が得られた.1) 各種土壌群の腐植酸のパイログラムは多数の熱分解産物ピークを示したが,尺度土壌群の腐植酸の熱分解産物はベンゼン,トルエン,クレゾール,テトラメチルフェノール,および未同定の3種の物質を多量生成した.能勢土壌群の腐植酸の熱分解産物ではこれらの分解産物のほか酢酸を多量生成した.2) 各種土壌処理区の腐植酸のクラスター分析法によるデンドログラムは富蔵土壌群腐植酸グループと他の土壌群腐植酸に2分別された.能勢土壌の無窒素処理区と化学肥料処理区 (尺度土壌と能勢土壌) の腐植酸が同じグループに分別された.3) 各種土壌処理区の腐植酸のパイログラムから算出された主成分分析法による結果は,各種土壌処理区の腐植酸における,主成分の寄与率を明確にした.第1主成分から第3主成分までの累積寄与率は 89.84% を示した.富蔵土壌群と他の土壌群の腐植酸を区別する情報は主として第1主成分に存在し,能勢土壌群の有機物処理区と総合改善処理区の腐植酸を区別する情報は主として第2主成分に存在し,また,ホテイアオイ区の腐植酸を区別する情報も第2主成分に存在した.能勢土壌群の無窒素区と化学肥料処理区の腐植酸を区別する情報は主として第3主成分に存在することを示した.4) 各種土壌処理区の腐植酸のパイログラムから算出された因子分析の結果は熱分解産物のベンゼン,メトキシフェノール,フルフラール,2種類の未同定物質などが土壌腐植酸の質的変動を大きく現わす指標となる可能性を示唆した.
  • 寒川 喜三郎, 松本 貞義, 駒井 豊
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 139-145
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    ミミズの活動が土壌有機物におよぼす影響について,キュリーポイントパイロリシスガスクロマトグラフィー質量分析法 (Py-GC/MS) を適応して解析を行った.以下に示す結果が得られた.1) ミミズ糞土と上層土壌のパイログラムは両者とも多数の熱分解産物のピークが検出されたが,対照土壌と中層土壌におけるパイログラムの熱分解産物は,数および量において非常に少なかった.2) 各種土壌のクラスター分析法によるデンドログラムは大きく分けて対照土壌,ミミズ糞土,上層土壌と中層土壌の4群に類別された.ミミズ糞土と上層土壌の相関関係は 0.982 と高い値を示した.3) 各種土壌のパイログラムから算出された主成分分析法による結果は,各種土壌における,主成分の寄与率を明確にした.第1主成分から第3主成分までの寄与率は 82.1% を示した.対照土壌とミミズ糞土を区別する情報は主として第1主成分に存在した.第2主成分は有機物量の多寡を区別する情報と考えられた.4) 各種土壌のパイログラムから算出された因子分析の結果は 3-メチルフラン,アセトニトリル,1-エチルピロール,2-メトキシ-4-メチルフェノールと未同定の7が,第1から第3因子において共通的に負荷量の大きい化合物であることを示した.
  • 河野 憲治, 尾形 昭逸, 丸本 一城
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 146-153
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    有機物の無機化に伴う草類への窒素 (N), リン (P), イオウ (S) 供給を添加有機物の N, P, S 利用率の有機物間,要素間差異とその化学肥料対照区 (対照区) に対する割合から解析するため,N, P, S 含量および炭素 (C)/N 比の著しく異なる,鶏糞堆肥,牛糞堆肥,イタリアンライグラス残根 (残根) を残積性未熟土 (鉱質土) と黒ボク土に添加し,シコクビエ (Eleusine coracana G_<AERTN>) を栽培し,シコクビエによる N, P, S 吸収量から添加有機物の N, P, S 利用率を算出した.また,添加有機物中の N, P, S 量に相当する各要素量を試薬で添加した化学肥料対照区を設け,同様の方法で N, P, S 利用率を算定し,比較検討した.その結果,1) 添加有機物の N 利用率は鶏糞堆肥と牛糞堆肥で 9.1%, 残根で -0.2% と残根で著しく低かったのに対して,対照区の N 利用率はいずれの有機物でも1回刈りで約 60% ,その後 80% 前後と同程度に上昇した.したがって,添加有機物の N 利用率の対照区に対する割合は 12% 以下と著しく低く,その有機物間差異は添加有機物の利用率の場合と同様の傾向を示した.2) 添加有機物の S 利用率は鶏糞堆肥,牛糞堆肥,残根でおのおの 23, 9, 9% と鶏糞堆肥で高く,牛糞堆肥と残根で低かった.また,対照区の S 利用率は2回刈りで 40% 程度,4回刈りでも残根では 95% と高かったが,鶏糞堆肥,牛糞堆肥では約 60% と低く,鶏糞堆肥,牛糞堆肥では S 利用率が N の場合よりも過小評価されやすい.この場合,添加有機物のS 利用率の対照区に対する割合が重要となり,その値は鶏糞堆肥と牛糞堆肥でおのおの 36, 14% とN利用率よりも高かった.3) 鉱質土に有機物を添加した場合の添加有機物のP利用率は,鶏糞堆肥,牛糞堆肥,残根でおのおの 35, 58, 44% であり,対照区ではおのおの 23, 51, 68% と添加有機物のP含量が高いほど低かった.したがって,添加有機物のP利用率は N, S に比較しても,また添加P量の多いほど過小評価されやすい.添加有機物のP利用率の対照区に対する割合は,残根,牛糞堆肥,鶏糞堆肥でおのおの 64, 115, 152% と鶏糞堆肥で著しく高かった.これらの傾向は黒ボク土に有機物を添加した場合にさらに顕著となった.すなわち,添加有機物のP利用率の対照区に対する割合は,残根では 47%, 牛糞堆肥では 140%,鶏糞堆肥では 176% と,鉱質土の場合よりもさらに上昇した.以上の結果,添加有機物の N, S 供給は対照区に比較して鶏糞堆肥や牛糞堆肥でも 35% 以下と低く,とくに C/N 比の高い残根では著しく低いこと,それに対して,添加有機物の P 供給は対照区と比較して,残根でも 60%, 牛糞堆肥では 115% 以上であり,とくに鶏糞堆肥ではリン酸吸収係数の高い黒ボク土で 176% と著しく高いことなどが明らかとなった.
  • 河野 憲治, 尾形 昭逸, 多幾山 進
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 154-160
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    永年放牧草地では長期にわたる家畜の踏圧のため,圧密により土壌の物理性が劣悪化し,牧草の生育が不良となる.そこで(1)永年牧草地の土壌物理・化学性の特徴の把握,(2)牧草の生育,とくに根系の発達と土壌物理性に及ぼす圧密の影響と土性との関連や(3)土壌物理性の変化を示す簡易な指標について検討した.その結果,1) 放牧草地では採草地に比較して酸素拡散速度では一定した傾向が認められなかったが,とくに表層 10 cm 以内で土壌硬度や固相率が高く,気相率や通気係数が低いなどの特徴が認められた.2) 土壌圧密によって,シコクビエの地上部と根部乾物重,根長および通気係数や気相率は著しく低下し,土壌硬度と固相率は上昇し,これらの低下あるいは上昇の程度は,粗砂,細砂含量の低い土壌ほど顕著であった.3) 通気係数,硬度,気相率のうち,とくに通気係数と圧密条件下におけるシコクビエの生育,とくに根系の発達とは高い相関が認められた.また通気係数は現地でも簡易に測定でき,測定値のばらつきも小さかったことから,圧密条件下の根系発達の指標として最適と考えられた.
  • 浜崎 忠雄
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 160-
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 青山 正和
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 161-168
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    国内3カ所の堆きゅう肥連用試験地 (東郷,赤黄色土,きゅう肥を8年間連用 ; 厨川,黒ボク土,きゅう肥を10年連用 ; 藤坂,黒ボク土,堆肥を43年連用) から採取した土壌を粒径によって分画し,画分中の全炭素量,全窒素量,30℃で4週間インキュベートした場合の無機化窒素量およびムラミン酸量を測定した.いずれの土壌でも,堆きゅう肥の連用によって全炭素と全窒素の含有率は全画分で増加したが,有機物量の相対的な増加は粗砂画分でもっとも大きく,とくにきゅう肥を多量に施用した東郷および厨川から採取した土壌で顕著であった.インキュベーションによって無機化する窒素の量は,堆きゅう肥の連用によって全画分で増大したが,堆きゅう肥を連用した土壌の窒素無機化率は 粗砂および粘土の両画分で高かった.まら,土壌からの窒素無機化に対する各画分の寄与を検討したところ,赤黄色土では粗砂画分が,黒ボク土では粘土画分が無機化窒素の供給に大きな役割を果たしていることが認められた.ムラミン酸量は,堆きゅう肥施用量が増えるにしたがって,東郷土壌と厨川土壌のすべての画分および藤坂土壌の粗砂と細砂以外の画分で増加した.さらに,黒ボク土の細砂画分以外のすべての画分について,ムラミン酸量と無機化窒素量との間に有意な相関関係が認められ,菌体細胞壁物質が堆きゅう肥を連用した土壌の無機化窒素の給源となっている可能性を示唆した.
  • 三土 正則
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 169-176
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    1) 灌漑水湿性の水田土壌の鉄集積層に普通にみられる糸根状斑鉄は ferran のほか neoferran を伴っており,この層が湛水下では還元状態にあり,落水後孔隙への空気の侵入を待って Fe^<2+> が酸化沈殿したものと考えられた.2) 灌漑水湿性の水田土壌の灰色化した次表層は,構造面や孔隙に沿う灰色の溶脱キュータン (ped alban および channel alban) の形成を特徴とする.3) 灌漑水湿性の水田土壌では,次表面に粘土皮膜 (argillan) および氾濫皮膜 (flood coating または gleyan) の発達がしばしば認められ,懸濁物質の下方移動が起きていることを示している.4) 地下水湿性の灰色土層やグライ層を特徴づける管状斑鉄の厚みは neoferran を主体とするためで,その内壁に ferran を伴うことが多い.5) 有機質土壌の分解程度はその微細形態,つまり未分解で弱い複屈折を示す部分,暗色不透明だが植物組織を残す部分,暗褐色コロイド状の腐食物質などの割合によく現われている.
  • 平岡 潔志, 吉田 新一, 建部 雅子, 米山 忠克
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 177-183
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    短稈穂重型半矮性インディカ品種である多収稲水原258 号の乾物生産,養分吸収における栽培期間の気温,日射量の影響を日本稲であるむさしこがねと比較して解析した.1) 水原258 号の総籾数は,むさしこがねを100とすると 103〜140 と多く,出穂期前 40 日間の積算平均気温,積算日射量と有意な正の相関関係 (それぞれ r=0.9465*, r=0.9183*) を示した.一方,むさしこがねでは,このような有意な関係はみられなかった.2) 水原 258 号では,穂揃い期の N, P 吸収量は,移植から穂揃い期の積算平均気温と (それぞれ r=0.9839**, r=0.9390**),乾物生産量は積算日射量と (r=0.8825*) 有意な正の相関関係を示した.3) 水原 258 号では,穂揃い期の N, P の籾への分配率が出穂期以降収穫期までの積算平均気温と (それぞれ r=0.9519**, r=0.9675**),むさしこがねでは登熟歩合が積算日射量と (r=0.8945*) と有意な正の相関関係を示した.このように,水原 258 号のすぐれた籾生産,養分吸収,高い乾物・養分の籾への分配率などの特性は,栽培期間の気温や日射量と深く関わり,十分な気温や日射量が得られる条件の下でのみこれらの特性は発揮された.
  • 犬伏 和之, 村松 康彦, 梅林 正直
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 184-189
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    湛水土壌中でのメタンの生成や大気への放出に,透水処理がどのように影響を与えるかを調べる目的で,水稲植栽条件下,2週間に 1l (減水深 26mm/週相当) の割合で透水処理を加え,後期には間断灌漑に近い水管理を維持したポットで実験を行った.分析項目とその結果は,以下のように要約される.1) 大気にふれぬよう採水した透水液中の溶存ガス組成は,二酸化炭素が主要で湛水初期と後期に多かった.溶存メタンは, 湛水後期に増大し最高 16.9 ml/l に達した.また稲わら添加区では初期にも一時検出された.溶存酸素は,ほぼ 1 ml/l 以下で推移した.ただし,後期の間断灌漑時には溶存酸素が一時的に増加し,二酸化炭素とメタンは減少した.2) 透水液中の無機陰イオンは,NO_3^- が初期検出されたがその後減少した.一方,Fe^<2+> は一時減少し再び増加する土壌と,初め検出されずしだいに増加する土壌とがあり,土壌 Eh (深さ 5 cm) の変化と対応していた.3) 透水液中の有機酸は,酢酸・プロピオン酸などが検出されたが,炭素換算量としては水稲体経由のメタン放出量の 7% 程度であった.4) 透水による土壌 Eh の顕著な変化は,ほとんど認められなかった.5) 透水により水稲体経由のメタン放出量は,湛水前半で非透水区の 58〜2% にまで減少した.この主な原因として,透水液中に溶存する二酸化炭素の溶脱が重要であると計算された.
  • 進藤 晴夫
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 190-195
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    畑土壌のプロテアーゼ,β-アセチルグルコサミニダーゼおよびアデノシンデアミナーゼ活性に及ぼす堆肥連用の影響と土壌のインキュベーションによるこれらの酵素活性の変動ならびに酵素活性と有機態窒素の無機化との関係について調べた.得られた結果は以下のとおりである.1) プロテアーゼ,β-アセチルグルコサミニダーゼおよびアデノシンデアミナーゼ活性は,いずれも堆肥連用により顕著に増加したが,それらの増加率は,酵素および土壌の種類によって著しく異なっていた.2) 無堆肥区および堆肥区土壌を湿潤状態下 30℃ で7週間インキュベーションしたとき,プロテアーゼおよびアデノシンアミナーゼ活性はともに減少したが,一般に前者のほうが後者に比べて大きく減少した.また堆肥区土壌よりも無堆肥区土壌で大きく減少した.これに対して,β-アセチルグルコサミニダーゼ活性は,若干減少するか,あるいは逆に増加し,この増加の程度は,無堆肥区土壌よりも堆肥区土壌で明らかであった.3) インキュベーション前における無堆肥区および堆肥区土壌の酵素活性と7週間のインキュベーション中に新たに生成した無機態窒素量との関係を調べたところ,プロテアーゼ活性と無機態窒素量の間で,高い正の相関関係 (r=0.793, 2% 水準で有意) がみられた.またβ-アセチルグルコサミニダーゼ活性と無機態窒素量との間でも,比較的高い正の相関関係 (r=0.708, 5% 水準で有意) がみられたが,アデノシンデアミナーゼ活性に対してはそのような関係はみられなかった.
  • 三枝 正彦, 松山 信彦, 阿部 篤郎
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 196-201
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    北日本に分布する主要な黒ボク土をコロイド組成により腐植質アロフェン質,非腐植質アロフェン質,腐植質非アロフェン質,非腐植質非アロフェン質に区分しその荷電特性と土壌管理上の問題点を検討した.1) 供試黒ボク土はいずれも負の変異荷電特性を示し,pH の上昇とともにCEC が増加したが,負の変異荷電発現には腐植がとくに深く関係していた.負の変異荷電性は中和石灰量を増大させ,また pH が低下すると養分の溶脱を招く恐れがある.2) 非アロフェン質黒ボク土では 10 meq/100 g 前後の負の一定荷電を有し,塩基が不足すると Al^<3+> を保持し,本土壌の Al 過剰害の原因となる.3) 黒ボク土の AEC は CEC に比べて著しく小さく,pH 6 ではほとんど0に近かった.それゆえ畑作で最も重要な NO_3^- は土壌水の動きに大きく支配され,降雨とともに容易に下層土へ移動する.したがって,黒ボク畑土壌では下層土の酸性状態が作物の生育・窒素吸収と密接に関係し,下層土の管理・評価 (下層土のエダフォロジー) がとくに重要である.また,黒ボク土の正荷電の発現は腐植によって著しく抑圧された.4) 黒ボク土の荷電特性はコロイド組成と密接に関係し,コロイド組成を考慮した土壌管理が重要である.
  • 新町 文絵, 長谷川 功, 矢崎 仁也
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 202-209
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    植物に対し根圏環境ストレスが負荷されたとき,根はそれに対して何らかの応答をしていることが考えられる.そこで,環境ストレスの一つとして鉄欠乏を対象とし,鉄欠除ストレスの負荷に対して植物がどのような影響を受けるか,その実態を明らかにするとともに根がどのような応答をするかについて,形質転換植物根である毛状根を利用して解明することを試みた.その結果,キュウリ個体植物は鉄欠除ストレスの負荷に対する一つの応答としてリボフラビンを分泌し,その分泌量は体内の鉄濃度と負の相関があり,体内鉄濃度の低下により増大することが確認された.それには,まず鉄欠除処理により体内鉄濃度が低下し,それに伴い根中のリボフラビン濃度が高まって体外に分泌されるという図式が成り立つことが示された.次に毛状根についても同様の検討を行ったところ,毛状根でも鉄欠除処理培養により体内鉄濃度が低下し,それに伴って体内のリボフラビン濃度がしだいに上昇するとともに,体外にリボフラビンを分泌することが確認された.しかも,体内鉄濃度とリボフラビン分泌量との間にはきわめて高い負の相関が認められ,毛状根の鉄欠除ストレスに対する応答は,個体植物の場合とほとんど同じで,この作用機作を解明するうえでの根のモデル実験系として利用できる可能性が示唆された.さらに,鉄欠除処理によって分泌されたリボフラビンなどを含む水耕液や培地には難溶性鉄の溶解能がないことが確認されたことから,毛状根を用いて根による難溶性鉄の溶解能についてのモデル実験を行ったところ,根の存在によって難溶性鉄が溶解し,しかも,あらかじめ鉄欠除処理培養した毛状根は難溶性鉄の溶解能が著しく高いことが認められた.これらの結果から,鉄欠除により誘導される鉄溶解機構は根に存在し,植物対外に分泌されるリボフラビンは鉄溶解物質としてではなく,鉄溶解機構が作動したときの産物であると推測した.
  • 村本 穣司, 後藤 逸男, 蜷木 翠
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 210-215
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    Rapid analysis of exchangeable cations and CEC of soils by a shaking extraction method, which can get similar values to semimicro S_<CHOLLENBERGER> method, was studied. Procedure of the method established is as follows ; Place 2.00 g of <2 mm air-dried soil in an 85 ml Nalgene centrifuge tube. Add 30 ml of 1 M ammonium acetate (pH 7), and shake for 15 min. Centrifuge the tube at 2,500 rpm for 3 min. Decant the supernatant into a 50 ml Buchner funnel fitted with filter paper, and receive the filtrate in a 100 ml volumetric flask. Repeat extraction two more times in the same manner except shaking for 30 s by hand. Add 5 ml of 20,000 ppm Sr into the flask, and make to volume with ammonium acetate. Determine Ca, Mg, K, Na and Mn by ICP-AES using calibration method. To remove free ammonium ion from the soil, add 20 ml of 80% methanol in the centrifuge tube, shake for 30 s by hand, centrifuge, and discard the supernatant through the funnel used on the extractions. Repeat this step two more times. Add 30 ml of 10% potassium chloride in the centrifuge tube, and extract absorbed ammonium ion from the soil in the same way with extracting exchangeable cations using funnel used in previous steps. Make to volume with 10% potassium chloride, dilute 5 times with water, and determine ammonium ion by an ammonia electrode method. The values obtained by this method agreed well with the values obtained by semimicro S_<CHOLLENBERGER> method on exchangeable cations and CEC of 24 soils. All extraction procedures of the method can be finished within 2 h per one sample. Repeatability of the method was about 5% for exchangeable Ca, Mg, K, and about 10% for CEC as coefficient of variance.
  • 三枝 正彦, 庄子 貞雄, 伊藤 豊彰, 本名 俊正
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 216-218
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    パーソナルコンピュータを利用して土壌図情報をデータベース化することによって土壌図の作成を行った.1) それぞれの情報を新規に入力するには多少時間がかかるが,いったんデータベース化しておけば新しい土壌調査データを組み込んでたえず最新の土壌図データが得られる.2) 各土壌に由来する特性の作図が容易なため,新規に導入する作物に対して土壌も考慮に入れた生産の可能性を探ることが可能となった.さらに気象情報や地形情報などと結合させることによって,作物や品種別の栽培指針図等の各種実用土壌図も作成可能となった.以上のように,本システムは土壌図作成のほか,それぞれの土壌のもつ特性をパソコンにより面的情報としてとらえることを可能とした.これにより,農業改良普及所や農協といった現場の営農指導の場面で,土壌情報がこれまで以上に有効に活用されることが期待できる.
  • 加藤 直人, 尾和 尚人, 樋口 太重, 新舩 智子
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 219-222
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 後藤 茂子, 森山 清, 小林 豊, 茅野 充男
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 223-226
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 日高 伸
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 226-
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 公成, 加藤 好武
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 227-231
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 山田 良三, 今泉 諒俊, 沖野 英男
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 232-236
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 鶴田 治雄
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 237-244
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 山崎 慎一
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 245-250
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 上原 洋一
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 250-
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 大坪 国順
    原稿種別: 本文
    1992 年 63 巻 2 号 p. 251-256
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1992 年 63 巻 2 号 p. 257-
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1992 年 63 巻 2 号 p. 257-258
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1992 年 63 巻 2 号 p. App2-
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1992 年 63 巻 2 号 p. Cover3-
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
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  • 原稿種別: 表紙
    1992 年 63 巻 2 号 p. Cover4-
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
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