武田薬品(株)など五つの研究所の研究年報昭和41年〜45年に紹介されてある外部投稿論文の抄録を用いて,原著雑誌の集計を行ない,国内雑誌の順位付けを試みた。2件以上の投稿のあった雑誌が87種あった。今回の順位を以前に他の著者が発表した二つの順位(アンケート結果,貸出集計)と比較した。薬学系論文を収載している代表的な二次資料7種での採用数は,上位20位までの雑誌では,投稿数を基準としたものが,他の二つの結果の上位雑誌に比し明白に大であった。前述87種の雑誌につき,専門的分類,投稿研究所数,Chemical Abstractsへの採録の有無などを検討し若干の知見を得た。研究者の投稿論文数を基準とする雑誌の順位付けは,臨床医学や研究年報関係の重要雑誌を見落すなど,ある種の欠点はあるが,薬学および関連領域の雑誌の捕捉に役立ち,調査関係者の主観が入りにくいという利点もあり,重要雑誌判定の一つの方法になり得ると思われる。
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