道徳と教育
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道徳と教育
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 萩野 奈幹
    2019 年 0 巻 337 号 p. 3-14
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は、道徳科における長期的評価の在り方について検討することである。具体的には、OPPA(One Page Portfolio Assessment:一枚ポートフォリオ評価法)で用いるOPPシートと呼ばれる一枚の用紙を蓄積したポートフォリオを活かし学びを振り返る「検討会」を基に検討する。そのため、1 .真正の評価論を理論的基盤とするポートフォリオ評価法に関る検討会の在り方を整理した上で、2 .道徳授業でのポートフォリオ評価の課題克服に向け、児童が振り返りを行いやすい仕組みを組み込んだOPPシートを蓄積したポートフォリオ評価を提示し、3 .初等教育での実践を通して指導の要点を考察し長期的評価の在り方を検討する。結果、短期・長期的な視点から学習改善を図り、児童の成長を見通し、それを前提にカリキュラムを組むことの必要性が導出された。また、児童が多面的に振り返り、自己の成長に気づけるようなワークシートや教科書に対応した道徳ノートの開発への示唆を与えるであろう。
  • 渡邉 真魚
    2019 年 0 巻 337 号 p. 15-25
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    特別の教科「道徳」の評価は、数値によらないものとされ、内容項目や1時間の学習活動の評価ではなく、おおくくりな評価としてすでに小学校から始まっている。学習指導要領では、資質・能力を育むために、「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体的に学習に取組む態度」の3つの柱を掲げており、道徳科の学習活動に着目した捉え方として、資質・能力の三つの柱に分節することはできないものの、可能な部分を重視するといった議論がなされた。では、道徳科において、実際に授業を行う教員は、生徒の道徳性を育む「道徳の時間」に、学習活動を通してどのような資質・能力を育みたいと考えているのだろうか。そこで、質問紙を作成し、生徒の道徳性に係るエピソードを持つ教員がどのような資質・能力をイメージしているのかを調査をして、テキストマイニング(分析ソフト『KH Coder』」)で分析したところ、3つのことが明らかになった。(1) 授業者は、道徳の時間に目標を達成するために、身に付けさせたい力、育てたい力(資質・能力)をイメージしていること。(2) 生徒の道徳性に係るエピソードを持つ群は、道徳的価値とともに、生徒に身に付けさせたい力や育みたい力(資質・能力)をイメージもしくは実践していること。(3) 年代別にみると、「20代~30代」群より「40代~50代」群に出現した語彙数が多く、授業者の経験年数が多いほど、授業に対する目標を設定し、生徒の道徳性に係るエピソードを見取る力があること。
  • 浅部 航太
    2019 年 0 巻 337 号 p. 27-38
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は、道徳教育の推進の効果を定量的に検証し、影響を及ぼした要因について分析することを通し、求められる道徳教育推進教師の資質・能力や効果的な推進の在り方について明らかにすることである。そのために、公立小学校において道徳教育推進教師の立場でアクションリサーチを行った。推進の結果、特に道徳授業の質的改善が図られたため、その要因をM-GTAを用いて分析した。分析の結果、次の点が示唆された。①バラバラだった教職員の授業観が、児童が価値の多面性に気付き自己を見つめる授業に収斂し、教職員が授業のおもしろさを感じるようになった。②推進教師に求められる資質・能力は、一定の「道徳の見識」をもち「率先垂範」を行う姿勢である。③効果的な推進の在り方は、道徳通信による理解促進と自由な発言を保障した授業を相互作用的に行うこと、飛び込み授業や他校の実践を参観するなどの「実践を比較する場」の設定である。
  • 原口 友輝
    2019 年 0 巻 337 号 p. 39-49
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では、米国を拠点とするNGO「歴史と私たち自身に向き合う」の提供するワークショップ「アラバマ物語を教える」について、その特徴を明らかにしたうえで、多面的・多角的に考え主体的に判断させる授業を実践するための支援という観点から、我が国の道徳教育に対して得られる知見を考察した。「アラバマ物語を教える」は小説『アラバマ物語』を用いて授業を行う際の情報を提供するワークショップであり、物語教材を用いながら現実の問題を考えさせるための多様な指導方法を、参加者の教師に体験させるかたちで紹介するものである。 物語の背景にある歴史や様ざまな社会的事実を知り、文学作品を歴史的事例や現実の問題のひとつとして詳細に検討させる手法、また独自の「スコープとシークエンス」に従い教材の内容と自分たちとを結び付けて捉えさせる手法を教師自身が相互体験的に学ぶことは、「考える道徳」の実践のために有効であると指摘した。
  • 彦阪 聖子
    2019 年 0 巻 337 号 p. 51-63
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    これからの道徳教育は「特別の教科 道徳」を要にして学校教育全体で取り組むことが求められている。本実践論文は、そのことを学級においてどのように具体化するかを追い求めたものである。具体的には、子どもたち自身に成長を実感させるため、道徳の授業では指導に4つの重点を置いた。1、板書の工夫 2、役割演技 3、授業の振り返りの場面での交流 4、教室を開くこと である。また、学級目標を明確にし「特別の教科 道徳」とかかわらせながら3つの作戦を立て取り組んだ。1、キラキラビー玉100個達成作戦 2、「目標更新!」作戦 3、みんなを大切にする「黒板メッセージ」作戦である。2年半の実践研究を通して、確実に子どもたちの心に自尊感情や仲間意識や自主性が育まれてきている。学年に応じて活動を発展させ積み重ねてきたこと、そして目標を大切に心を通わせあって取り組んできたことの証であると捉えられる。
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