生物環境調節
Online ISSN : 2185-1018
Print ISSN : 0582-4087
ISSN-L : 0582-4087
20 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • II.明暗リズムと孵化型
    新野 孝男
    1982 年 20 巻 4 号 p. 69-76
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    カイコの催青卵に対してさまざまな時間の明暗リズムづけを行い, 孵化機構について検討した.その結果, 孵化型は, 眼点時の明暗リズムには関係なく, 胚子発育完了後における光条件によって決定されることがわかった.とくに, 暗期がどの時期に何時間挿入されるかによって孵化型はさまざまな型を示した.たとえば, 12時間明暗リズムづけを行った場合, 暗期と明期の入る時期によって, 1山になる場合と2山になる場合が見られた.また, 孵化は胚子発育が完了してから明→暗切替え後6時間の暗期によって内的反応を完了し, その後に暗→明切替え刺激によりはじめて卵殻の食い破り行動を行い孵化するものと考えた.さらに卵殻からの脱出行動にも何らかの刺激が必要ではないかと想定された.このように孵化は段階的な反応系を持っており, それぞれの段階で光条件に反応して行われるものと考えられる.
  • (2) 夜間におけるハウス床土温度形成機構の理論解析
    原 道宏
    1982 年 20 巻 4 号 p. 77-86
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    伝熱特性が時間的に一定とみなせる井水散水2重被覆ハウスの夜間伝熱系を理論解析し, 床土温度の解析解を得た.この結果, 夕方の地温分布の知られている井水散水2重被覆ハウスの床土温度が, 外気温, 天空温度および散水温度から求められるようになった.床土内における熱流束密度もこの結果から求められる.ハウス地上部各部の温度はここで得られた地表温の解を前報で得られた解に代入することにより直ちに求めることができる.
    床土温度の解は初期地温分布, 外気温, 天空温度および散水温度からの温度寄与の和で表された.各環境要因からの温度寄与は, その環境要因からの原寄与に重み係数を乗じた積で表された.重み係数は地上部の伝熱機構だけで定まり, また, 原寄与に含まれるハウスの伝熱パラメータは地表温総括時定数Tso (Tso≡ρcK/g2so) ただ1個であることがわかった.ここで, ρcは床土の体積比熱, Kは床土の熱伝導率, gsoは式 (7) に現れる地表面総合熱伝達係数である.一方, 初期地温分布からの温度寄与は, 深さと経過時間から定まる重み係数を初期地温分布に乗じた積の総和で表された.この重み係数に含まれるハウスの伝熱パラメータはTsoおよび相当土厚l (lK/gso) の2個であった.
    地表温総括時定数Tsoは地表温変化の時間スケールを規定し, Tsoの大なるほど地表温変化の速さがゆっくりで, ハウスの保温性が優れる.また, Tsoが等しいハウスでは相当土厚lが大きいほど深部土壌からの温度寄与が相対的に大きくなるという特徴のあることがわかった.
  • サロン生物資源メンバー
    1982 年 20 巻 4 号 p. 87-93
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    日本生物環境調節学会の申請による特定研究「温帯・熱帯地域における生物生産の比較農学的研究」の総括部門に, 世界的人口増に対する生物資源科学を考える「サロン生物資源」が創設され, 本学会・会員を中心にして3カ年にわたって検討が行われてきた.今回, 農学的生産の立場から生物生産の在り方を展望するに際して, とくにわが学会がいかなる理念と生産技術をもって, これからの新しい農学的生産に寄与できるかについて, ひとつの試案を提供することにした.会員ならびに多くの読者からの積極的な評価を期待したい.
  • 第20巻 (1982)
    1982 年 20 巻 4 号 p. 101-102
    発行日: 1982/12/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
feedback
Top