植物工場における照明電力低減の基礎資料を得るために, 螢光ランプを用いて, 照明方法の合理化について検討した.
1.植物の受光効率を上昇させる目的で, 円筒型の環境調節植物栽培室の周囲をランプハウスとし, このなかに螢光ランプを垂直方向に配列したグロースチャンバを設計し製作した.
2.試作したグロースチャンバで, 一定の環境条件を設定し, 岡山サラダナ (
Lactuca sativaL.cv.Okayama saradana) を生育させた場合, 一定期間の栽培日数に対して生体重量の対数グラフは, 直線関係 (相関係数0.99) を示した.
3.照射光強度250μE・m
-2, s
-1, 350ppmCO
2の条件で, 生体重量は2日間で2倍に増加する高速生長を示した.
4.照射光強度および二酸化炭素濃度を変えて生育させた場合, 生長速度に及ぼす二酸化炭素の濃度効果は, 250μE・m
-2・s
-1の強光条件で認められず, 85μE・m
-2・s
-1の弱光条件で顕著であった.
5.生長速度は上方からの照射条件下での飽和光強度の約1/4の弱光 (85μm・m
-2・s
-1) で飽和した.その場合の生長適温は高くなる傾向が観察された.
6.葉部と根部の生体重量比は照射光強度の影響を受けて変化し, 弱光条件下で大きくなる傾向を示した.
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