生物環境調節
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25 巻, 1 号
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  • II. 螢光ランプによる近接光照射下でのサラダナ生産に要する照明電力消費量
    池田 彰, 江崎 謙治, 河相 好孝, 中山 繁樹
    1987 年 25 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    全方向照射方式の実用化を検討するために, 螢光ランプと植物を接近させ内面を白色塗装した平面式グロースチャンバーを製作し, サラダナ生産に要する照明電力消費量を調査した.個体密度と光強度が最適な条件において, 照明電力消費量は0.8kWh/100g-生体重量であることがわかった.このとき, 螢光ランプからの全可視光放射エネルギーに対する乾物生産効率は7.9%であった.このように, 近接光照射方式により, 相当の照明電力低減が達成されることが確かめられた.
  • 加藤 徹, 鐘 鈴鋒
    1987 年 25 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    施肥濃度に対するナス科果菜の生理生態的反応の差異を明らかにするためにガラスハウス内で砂耕によってトマト‘福寿2号’, ナス‘はやぶさ’, ピーマン‘新さきがけみどり’を栽培した.
    生長が各作物とも標準培養液では促進され, 培養液濃度がうすくても, また高くても, 生長の抑制が見られたが, トマト, ナス, ピーマンの順に抑制度合が著しくなった.乾物分配がトマトでは茎部に多いのに対し, ナス, ピーマンでは葉に著しく多かった.培養液濃度が高まるにつれて, 葉への乾物分配が増加し, 根への分配は逆に減少した.高培養液濃度下では作物のみかけの同化量, 蒸散作用および細根の呼吸はいずれも抑制されたが, トマトはナス, ピーマンに比べてそれらの低下が少なかった.
  • 加藤 徹, 楼 恵寧
    1987 年 25 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    ナス・ピーマンを供試し, 床土の施肥量を変えて育苗し, 苗の生育および定植後の生育, 収量に及ぼす床土施肥量の影響を調査した.
    多肥条件 (3要素各a当り4kg, 8kg, 4kg) で育てた苗は生育がきわめて良好で, 乾物重が多かった.しかし, 各器官への乾物分配率から見ると, 根への分配が少なく, 茎への分配が多かったので, 茎重/根重値 (S/R) が大きくなった.反対に少肥育苗区の苗は根への分配が多く, 茎への分配が少なく, S/R値が小さくなった.定植後, 少肥育苗区の苗は活着回復が早く, 多くの太根を形成し, 深く広い根系分布を示し, 収量も多肥区より高くなった.この傾向はナス, ピーマンともに見られた.S/R値が小さく, 葉面積も大きい苗は収量が高く, S/R値が大きい苗は収量が低い傾向が見られた.また, ナス, ピーマンとともに太根根数 (直径1mm以上) と収量との間に高い相関関係が認められた.
  • 加藤 徹, 楼 恵寧
    1987 年 25 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    苗の生育とその後の収量に及ぼす育苗時の鉢の大きさの影響を調べるために3種類のポリポット (直径18cm, 15cm, 12cm) を供試し55日間育苗した.
    鉢が大きいほど, 苗の生育がよく, 乾物重がもっとも多かった.18cm鉢苗は地上部, 地下部ともによく生育し, S/R値が小さく, 充実した生長を示した.12cm鉢で育てた苗は乾物重が少なく, さらに根部への乾物分配率が少なく, 茎への乾物分配率が多く, S/R値の大きい苗となった.
    定植後, 18cm鉢苗は活着回復が早く, 生育が旺盛で, 収量が多かった.12cm鉢のものは大きい鉢のものに比べて生育が劣り, 収量も少なかった.15cm鉢のものはその中間であった.
    18cm鉢苗では太根根数が多く形成され, 深く, 広い根系分布を示した.反対に12cm鉢苗では根が細く, 根系分布も浅かった.直径1mm以上の太根根数と収量との間に密接な関係が見られた.
    また, 定植時の苗のS/R値と収量との間にも密接な相関関係が認められた.S/R値が小さい苗は収量が高く, 収量の低いものはS/R値が大きかった.
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