ナス・ピーマンを供試し, 床土の施肥量を変えて育苗し, 苗の生育および定植後の生育, 収量に及ぼす床土施肥量の影響を調査した.
多肥条件 (3要素各a当り4kg, 8kg, 4kg) で育てた苗は生育がきわめて良好で, 乾物重が多かった.しかし, 各器官への乾物分配率から見ると, 根への分配が少なく, 茎への分配が多かったので, 茎重/根重値 (
S/R) が大きくなった.反対に少肥育苗区の苗は根への分配が多く, 茎への分配が少なく,
S/R値が小さくなった.定植後, 少肥育苗区の苗は活着回復が早く, 多くの太根を形成し, 深く広い根系分布を示し, 収量も多肥区より高くなった.この傾向はナス, ピーマンともに見られた.
S/R値が小さく, 葉面積も大きい苗は収量が高く,
S/R値が大きい苗は収量が低い傾向が見られた.また, ナス, ピーマンとともに太根根数 (直径1mm以上) と収量との間に高い相関関係が認められた.
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