リチウムはレアメタルに分類され,その資源は地球上で偏在している.リチウムと同族元素であるナトリウムやカリウムは資源が無尽蔵で,リチウムに次いで軽いアルカリ金属元素で化学的性質も類似している.そこで,リチウムイオン電池と同じインサーション型レドックス材料で作動するナトリウムイオン蓄電池に期待が集まっている1.従来まで,炭素負極の作動は難しいと考えられていたが,2009 年我々は電解液の最適化によって難黒鉛化性炭素負極が250 mAh/g で安定充放電が可能であることを初めて実証して以降,有望な炭素負極とそれに組み合わせる新しい正極活物質や電解質に用いる電池材料が次々と報告されている2,3.最近では,社会実装に向けた研究開発が世界的に活発化しており,全固体ナトリウムイオン電池も報告されている.本講演では,我々のナトリウムイオン電池,カリウムイオン電池に関するこれまでの取り組みを俯瞰しながら,リチウムイオン電池に対する優位性と解決すべき課題を整理し,脱リチウムに向けた最新トレンドと今後の研究戦略も交えて講述する.
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