Edaphologia
Online ISSN : 2189-8499
Print ISSN : 0389-1445
ISSN-L : 0389-1445
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 伊藤 雅道, 南谷 幸雄
    2024 年 114 巻 p. 1-16
    発行日: 2024/01/25
    公開日: 2025/01/25
    ジャーナル フリー
    日本産フトミミズ科Megascolecidae の属分類の概略について述べた.まずSims and Easton (1972) に基づき,ト ウヨウフトミミズ群の属分類体系の歴史的な背景について概説し,日本での分類体系の受容についても言及した.そ の上で同群の現行属の有効性について議論し,特にフクロフトミミズ属Metaphire とアズマフトミミズ属Amynthasの区別については, 両属において, 雄性孔の形態には中間的なものが見られること,分子系統の解析結果からも単系統性が支持されていないなど,いくつかの疑問があることを紹介し,既往研究で提案されているように将来はアズマフトミミズ属Amynthas に統合されるべきであることを指摘した. また, 初学者に向けて, 現行の有効属の特徴と識別法, 分布や種多様性の特徴, 種分類形質について略述した.以下の属について今回新たに和名を創設した.アズマフトミミズ亜群: Begemius Easton, 1982 ゴウシュウフトミミズ属(新称). ネッタイフトミミズ亜群: ArchipheretimaMichaelsen, 1928 アケボノフトミミズ属(新称); Metapheretima Michaelsen, 1928 ミカヅキフトミミズ属(新称); Planapheretima Michaelsen, 1934 キノボリフトミミズ属(新称); Pleionogaster Michaelsen, 1892 サノウフトミミズ属(新称).Sims, R. W. and Easton, E. G., 1972. Biol. J. Linn. Soc., 4: 169–268.
  • 勝村 悠里, 中森 泰三, 一澤 圭
    2024 年 114 巻 p. 17-28
    発行日: 2024/01/25
    公開日: 2025/01/25
    ジャーナル フリー
    J-STAGE Data
    生物多様性の保全が国際的に求められており,固有種は保全生物学上重要な生態群である.そこで本研究ではトビ ムシの暫定的な日本固有種リストを作成した.日本産トビムシの目録における分布記録から日本固有種の候補をリス ト化し, それらのうち地球規模生物多様性情報機構にて海外分布の記録があった種をリストから除外した. その 結果,日本で確認されている400 種(同定が推測段階の5種および移入された可能性のある1 種を含む)のうち,固 有性に疑義が生じなかった種は212 種(53.0%)であることがわかった.本リストは日本産トビムシ固有種をデータ に基づくアプローチにより具体的に示したものであるが,現時点で得られている知見に基づく暫定的なものであり, 今後,同定の精度を高め,分布記録を蓄積し,リストを更新していく必要がある.
  • 太田 風歌, 仲田 彰男, 松田 彩, 杉田 幸司, 唐沢 重考
    2024 年 114 巻 p. 29-39
    発行日: 2024/01/25
    公開日: 2025/01/25
    ジャーナル フリー
    これまで島根県の宍道湖と神西湖でしか確認されていなかったシンジコフナムシLigia shinjiensis Tsuge, 2008 の地域固有性を調べるため,トポタイプの形態と分子データに基づき種分類の妥当性を検証するとともに,静岡県の浜名湖においてフナムシ相調査を行ないシンジコフナムシが生息するか調べた.宍道湖,大橋川,および,中海の合計19地点から119 個体,浜名湖の27 地点から146 個体のフナムシ属を採集して形態観察を行なった結果,宍道湖で採集した個体の形態は原記載とほぼ一致し,フナムシLigia exotica Roux, 1828,および,キタフナムシLigia cinerascens Budde-Lund, 1885 とは明瞭に区別できることが分かった.また,この種分類は分子データからも支持された.これらの結果から,シンジコフナムシを少なくとも中海や浜名湖に生息するフナムシとキタフナムシから独立した種として扱うことは妥当であると結論づけた.加えて,分子データに基づくとシンジコフナムシの分岐年代は約230 万年前と推定され宍道湖や神西湖の形成時期よりも著しく古いことが分かった.さらに,浜名湖においてもシンジコフナムシが発見されるとともに,宍道湖と浜名湖において同じ遺伝子型が発見されたことから,シンジコフナムシが宍道湖や神西湖の固有種ではないことが判明した.本研究で調査した範囲においてシンジコフナムシとフナムシおよびキタフナムシは排他的分布を示したが,この分布は種間相互作用の結果,生じたものと考えられる.
  • 山下 凌, 向井 貴彦, 中野 隆文
    2024 年 114 巻 p. 41-42
    発行日: 2024/01/25
    公開日: 2025/01/25
    ジャーナル フリー
    J-STAGE Data
feedback
Top