本論は2種類の質問紙調査の回答データを分析する。1つは各大学に配置されてきた「新しい専門職」を対象とした調査である。回答者はファカルティ・ディベロップメント担当者,キャリア支援・教育担当者,インスティテューショナル・リサーチ担当者,リサーチ・アドミニストレーション担当者,産官学連携コーディネーターである。調査は2017年12月から2018年3月まで行われた。合計1,847名に調査票を送付して有効回収数は674であった。もう1つは実務家教員を対象とした調査である。観光,メディア,ファッション,スポーツマネジメントの4分野の学部・学科に所属する大学教員を対象とした。調査は2022年2月から2022年5月まで行われた。合計2,583名へ依頼して有効回収数は500であった。
主な知見は次の4つである。第1に,研究エフォートについては「新しい専門職」の内部では任期の有無で差がみられたものの,実務家教員か否かでは差はみられなかった。第2に,研究環境については「新しい専門職」の内部で大きな差がみられた。第3に,研究活動状況についても「新しい専門職」の内部で大きな差がみられた。第4に,研究業績については「新しい専門職」調査では任期なし層ほど成果を上げている者が多かった一方で,実務家教員調査では研究者教員ほど研究成果を上げていたのは学術論文(査読あり)のみであり,任期なし層の実務家教員ほど研究成果を上げている内容もあった。
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