実践の場は常に動いていくので、厳密なる体系的研究の結果たる一般的法則、或は科学の確実なる裏付けが得られるまで、行動や決定を延ばすわけにいかない。然し、単なる常職的、習慣的な方法によって行うということは、その実践が前進しているのか後退しているのか、或はその方法が果して適切妥当なものであるかどうか等を明かに為し難い。ここに、現実に即した事実発見め方注、或は調査者主体 (実践家) の方法評価等としてのaction researchへの要望がある。即ち、それは、調査研究のため特別なsituationを作らない。日常の教育 (プログラムに基いた) 活動を、より効果的に展開していくためにのみ。situationは変えられる。そして、そこに研究の問題を見出し、仮説を作り、研究活動を職り込んでいこうとする工夫である。従って、action researchは、実証的教育研究の分野において、その対象を研究のみの目的で操作するeducational-researchとも同じでないが、逆に調査対象に研究上の統制操作や変動を与えないeducational sureyとも異る第三の方法である。そして言うなれば、科学と常識とを結びつける科学的方法である。
しかし、結局、action researchは、fundamentarchに対立する何ものでもなく、相互に相補うべき性格のものである。
抄録全体を表示