環境システム計測制御学会誌
Online ISSN : 2759-7032
Print ISSN : 1342-3983
最新号
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研究発表:査読論文/口頭発表
  • 福田(早見) 美意, 早見 徳介, 茶円 豊, 野田 周平, 毛受 卓, 金谷 道昭, 横山 雄
    2025 年30 巻2-3 号 p. 3-14
    発行日: 2025/10/31
    公開日: 2025/11/11
    ジャーナル 認証あり
    本研究では,球形剛体粒子を前提とした従来の沈降速度式が実測と一致しない原因を,ALT比 (凝集剤中のアルミニウム濃度と懸濁物質濃度の比) に伴うフロックの形状変化にあると捉えた。そこで,ALT比を5段階に変化させた条件のもとフロックの沈降挙動を画像解析により評価し,粒径・沈降速度・円形度を測定し,ALT比による変化を考慮した新たな沈降速度式を構築した。模擬水を用いた限定的な条件下ではあるが,本式は Re <10 で従来式より高精度を示し,フロックの形状の影響を反映した沈降速度の予測が可能となった。
  • 打林 真梨絵, 李 玉友, 西村 修, 稲森 隆平, 稲森 悠平
    2025 年30 巻2-3 号 p. 15-20
    発行日: 2025/10/31
    公開日: 2025/11/11
    ジャーナル 認証あり
    沈水植物は主に貧栄養水域に生息しており,これらの働きを活用した水圏環境の浄化法は緩衝帯技法として知られている。近年,水上太陽光発電が注目されており,水面を太陽光パネルで覆った際の光制御遮光下の沈水植物の成長特性の解析評価が求められている。本研究では高度な水処理を行うために,セラミック平膜により下水処理場好気槽からの直接ろ過を行い,そのろ過水による遮光下での沈水植物の成長特性および水生生物との共存効果を評価した。その結果,低照度下でのセンニンモの伸長とモノアラガイの共存効果について確認できた。
  • 靏巻 峰夫, 吉田 綾子, 天野 猛, 吉田 敏章, 南山 瑞彦, 森田 弘昭
    2025 年30 巻2-3 号 p. 21-31
    発行日: 2025/10/31
    公開日: 2025/11/11
    ジャーナル 認証あり
    生ごみを下水道に直接投入する直投型ディスポーザー (以下,「DP」) の適用は,ごみ処理ではごみ量削減等メリットがある一方で,下水道では水質負荷増大等負担の増加が懸念される。本研究では,生ごみ処理の最適化評価の一環としてDP導入地域を対象に温室効果ガス (以下,「GHG」) 排出量を指標とした影響評価を実施し, DPの導入に関してはGHG削減に効果があるものの,メタン発酵等他の生ごみリサイクル方法との比較では,地域での関連施設の条件により効果発現に差があることが確認された。
  • アスカリ(藤本) 舞子, 隅倉 みさき
    2025 年30 巻2-3 号 p. 32-43
    発行日: 2025/10/31
    公開日: 2025/11/11
    ジャーナル 認証あり
    下水処理水の栄養塩類を沿岸の藻場に供給して海草・海藻の生長を促進することで,水産資源の保全や脱炭素などを期待する下水道ブルーカーボン構想が検討されている。これにより,ブルーカーボン生態系における炭素貯留量を増加させることができる。
     沿岸の藻場における炭素貯留メカニズムを探るためには,海草や海藻が産生する溶存性有機物 (DOC) 濃度をモニタリングする必要がある。海水中の易分解性有機物 (LDOC) や難分解性有機物 (RDOC) 濃度を簡易的にモニタリングしてその挙動を把握することが出来れば,沿岸の藻場における炭素貯留の主要なメカニズムを解明するためのエビデンスとなる可能性がある。しかし,DOC濃度の測定と同定には高額な設備や複雑なデータ処理を要するため,現場でそれらを実施することの障壁は大きい。励起蛍光マトリックス (EEM) は簡易的に環境水中のLDOCとRDOC濃度の変化を評価することができる。本研究では,EEMによる海水中のDOC循環プロセスの一つである海洋微生物によるDOC分解のモニタリングを試みた。その結果,EEMの変動を確認できたが,DOC濃度の変動との相関は低いことが示されたため,海水中のDOC濃度の変化を評価するためには別のモニタリング方法も併せて導入する必要があることが分かった。
  • 青葉 隆仁, 松橋 学, 重村 浩之, 山下 洋正
    2025 年30 巻2-3 号 p. 44-57
    発行日: 2025/10/31
    公開日: 2025/11/11
    ジャーナル 認証あり
    2050年カーボンニュートラルの実現に向けて下水道分野では,下水道が都市の有機物等の資源を集積する場であることが着目されている。特に下水汚泥の有効利用により,下水道資源の有効利用前から利用していた資源を代替することができ,下水道事業の外部を含めて温室効果ガス (GHG) 排出量削減およびライフサイクルコスト (LCC) の低減に貢献できる可能性がある。本稿では,既存の下水道資源の有効利用事例に基づいてGHG排出量およびLCCの下水道事業の外部貢献も含めた効果を定量化し,双方の観点を踏まえた下水道事業の外部貢献の定量的な評価を行った。
  • 小林 伸幸, 岡安 祐司
    2025 年30 巻2-3 号 p. 58-65
    発行日: 2025/10/31
    公開日: 2025/11/11
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    衛星リモートセンシングは湖沼における表層Chl-a濃度の広域把握に有効であり,光学衛星画像からChl-a濃度を推定する手法が開発されている。しかし,観測頻度や曇天等の制約から短期的な環境変化の把握に限界がある。
     本研究では,霞ヶ浦を対象に,光学衛星のバンド情報に加え,現地観測データを特徴量として用いた機械学習モデルを構築することで,より詳細な水質の時系列変動の推定を試みた。モデル構築の結果,決定木ベースのモデルは従来手法と比較して優れた推定精度を示し,機械学習によるChl-a濃度の時系列推定の有効性が示された。
研究発表:一般論文/概要発表・ポスター発表
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