日本の地域気候とBMとの間の相関々係をみる目的で, 全国に駐在する自衛隊員1453名についてBMを測定し, 現地の気温との関係をしらべた。その成績から得られた主な結論は次の如くである。
(1) 平均外気温とBMとの間には逆相関が明らかに認められ, 外気温が高くなるほどBMは低くなる。全気温を通じて傾向線を求めれば, 10℃の変化に対し約2.5%の数字が得られた。
(2) 平均外気温とBMとの関係を更に細かく量的に検討すると, 両者間の関係は直線的ではなく, 外気温10℃辺りを境として, それ以下の気温ではBMの増加度は減少してくる。これを外気温10℃の変化に対するBMの増減%で示せば, 外気温10℃辺りを中心にして, それより以上の気温ではBMの変化は約5%, それ以下の気温では約1%強である。
このことは, 寒地では家屋や被服による保温が充分なため外気温の影響が軽減されていること, を示唆するものといえよう。
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