1. 揚げの時間, 吸着油脂量との関係をみると170℃で5分間処理が3.3%と最も多く, 次いで10分で3.2%, 2分間処理が2.7%と最も吸着油脂量は少なかつた。
2. 揚げ油の温度と吸着油脂量は100℃処理のものが5.4%と最も多く, 次いで140℃で49%180°処理で, 3.4%であつた。
3. 小麦粉のねりは水分量が多くても少なくても吸着油脂量が多い, 即ち小麦粉と水の比が1:0.1のものでは4.1%, 1:0.5で3.6%, 1:0.25で3.3%である。
4. 揚げ物の大きさが2gのものでは吸着油脂量が5.5%と最も多く, 次いで5gのもので3.3%, 10gのものでは2.9%と最も少ない。
5. 小麦粉揚げ物の形状では円柱型が5.8%と最も吸着油脂量が多く, 次いで球型で3.9%扁平型で3.3%であつた。
6. 揚げ物に吸着する油脂量はいも類では, 馬鈴薯が3.4%で最も多く, 次いで甘藷で2.6%, 里芋は1.7%で最も少なく, 根莖類では人参が10.2%と最も多く, 次いで, 大根, 牛蒡で, 葉菜類では, ほうれん草で12%が最も多く, 玉葱が7.3%と最も少ない。
7. 揚げの回数と吸着油脂量との関係は大豆油, 菜種油, 胡麻油では大差はない。
8. 椰子油, 大豆油, 亜麻仁油と揚げの回数と吸着油脂量の変化は, 初めは大差はないが, 揚げの回数が増すに従い亜麻仁油が最も吸着油脂量が早くから多くなり, 次いで大豆油で, 椰子油が最も吸着油脂量が少ない傾向にあつた。
抄録全体を表示