昭和53年夏季に岐阜県揖斐郡池田町, 大野町で行われた健康診査を受けに来た1歳6カ月児131名, 3歳児125名とその育児担当者を対象とし, 各市販食品と手作り食品について, 幼児とその育児担当者の摂取関係, 幼児の食事に対する食欲, 及び間食食品と食事に対する食欲の関係について検討を行い, 次の結果を得た。
1) ほとんどの対象食品について, 育児担当者, 幼児ともに摂取する率が高く, ポテトチップ, スナック菓子, あられ, せんべい, 牛乳, アイスクリーム, 炭酸飲料, 果物含有飲料, 果汁100%飲料, バナナ, スイカ, メロン, 焼きそば, 菓子パン, プリンについては約50%以上を占めた。
2) あめ, ビスケット, 乳酸飲料, ヨーグルト, プリンは育児担当者, 幼児ともに摂取する率が高いが, 幼児のみの摂取率も比較的高かった。
3) 3歳児におけるキャラメル, チョコレート, チューインガムは幼児のみの摂取率が高く, 40~50%を占めた。1歳6カ月児のそれらの食品についても, 摂取率は低かったが, 同様の傾向を示した。
4) コーヒー, 紅茶は育児担当者のみの摂取率が高かった。和生菓子についても同様の傾向がみられた。
5) ほとんど食事を残し, 食べようとしないものが約20%, 食事を残すが, なんとか食べるものが約55~60%みられ, 食欲不振の傾向が強かった。
6) 好ましくない間食食品としてあげられている和・洋生菓子, チューインガム, キャンディー, チョコレートを摂取するものは, 食事を残すが, なんとか食べるものが多かった。その反面, それらを摂取しないものは, ほとんど食事を残さないで食べるものが多かった。清涼飲料については, このような関係はみられなかった。
7) 乳酸飲料に関しては, 与える量, または時間を決めていない家庭は, 決めている家庭に比べ,「ほとんど食事を残し, 食べようとしない」, あるいは,「食事は残すが, なんとか食べる」と答えたものが多かった。その反面それらを与える量, または時間を決めている家庭では, 決めていない家庭に比べ,「ほとんど食事を残さないで食べる」と答えたものが多かった。牛乳については, このような関係はみられなかった。
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