栄養学雑誌
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38 巻, 3 号
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  • 深山 雅子, 岩出 千代子, 高橋 重磨, 赤羽 正之
    1980 年 38 巻 3 号 p. 145-154
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    家族構成員を分析因子として, 朝食・夕食ごとに料理摂取形態について調査を行い, 次の結果を得た。
    1. 朝食においては, 全員摂食型, 非全員摂食型とも, 料理摂取形態は, 白飯を中心とした群とパンを中心とした群とに分けられた。
    2. 朝食と夕食とに摂取される料理の種類及び数に相違がある。これは日本人の食習慣の形成過程において朝食と夕食との位置づけの相違によるものと考えられる。
    3. 同一家族では, その家族構成員全員が必ずしも同一の料理を摂取しているとは限らない。とくに子供の成長につれて, 夫と妻の群と子供の群とに食事に対する要求が分化していくことが明らかになった。
  • 香川 靖雄, 岩田 弘, 太田 抜徳, 工藤 快訓, 武藤 信治, 西村 薫子, 佐東 準子, 所沢 和代, 手塚 統夫
    1980 年 38 巻 3 号 p. 155-162
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    In order to elucidate a large north-south difference in salt intake of Japanese, salt metabolism and preference among dormitory students at Jichi Medical School, who come from different parts of Japan (2-3 per prefecture), were analyzed. In the cafeteria, the students chose their own dishes in accordance with their preference, and the salt contents of the three meals were analyzed by Na-electrode. On the other hand, 24 hour urine of each student was collected and analyzed. At the same time salt preference data were collected. Experiments were repeated in 1978 and 1979:
    Japan, average Southern areas Northern areas(1978)
    Urine Na+ 188.2±65.9 178.3±63.4 202.9±60.6 (mEq/24hr)
    Urine Cl- 179.6±55.6 172.4±54.3 189.8±53.9 (mEq/24hr)
    Diet Na+ 187.5±92.2 170.5±88.6 218.8±94.9 (mEq/24hr)
    These small differences observed in 1978 (102 students) were also found in 1979 (106 students), while there were no significant differences in urinary K+ (43.9±14.4mEq/24hr), creatinine (1435±363mg/24hr), urea N (7.01±1.79g/24hr), body weight (61.9±7.2kg), height (169.92±5.36cm), blood pressure (122.3±11.4/75.9±8.0) and creatinine coefficient (23.25±2.58mg/24hr/kg, male). As the cause of these differences there was an extreme difference in salt preference between south-and north-originated students (χ2 was 6.77 in 1978, and 11.6 in 1979). These differences were plotted on the map of Japan.
    Although the salt intake of Japanese is still very high, the extremely high intake in northern Japanese will decrease because of westernized eating habits among young people and the change in life styles.
  • 幼児及び育児担当者の間食と幼児の食欲への影響
    荒井 昭代
    1980 年 38 巻 3 号 p. 163-170
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    昭和53年夏季に岐阜県揖斐郡池田町, 大野町で行われた健康診査を受けに来た1歳6カ月児131名, 3歳児125名とその育児担当者を対象とし, 各市販食品と手作り食品について, 幼児とその育児担当者の摂取関係, 幼児の食事に対する食欲, 及び間食食品と食事に対する食欲の関係について検討を行い, 次の結果を得た。
    1) ほとんどの対象食品について, 育児担当者, 幼児ともに摂取する率が高く, ポテトチップ, スナック菓子, あられ, せんべい, 牛乳, アイスクリーム, 炭酸飲料, 果物含有飲料, 果汁100%飲料, バナナ, スイカ, メロン, 焼きそば, 菓子パン, プリンについては約50%以上を占めた。
    2) あめ, ビスケット, 乳酸飲料, ヨーグルト, プリンは育児担当者, 幼児ともに摂取する率が高いが, 幼児のみの摂取率も比較的高かった。
    3) 3歳児におけるキャラメル, チョコレート, チューインガムは幼児のみの摂取率が高く, 40~50%を占めた。1歳6カ月児のそれらの食品についても, 摂取率は低かったが, 同様の傾向を示した。
    4) コーヒー, 紅茶は育児担当者のみの摂取率が高かった。和生菓子についても同様の傾向がみられた。
    5) ほとんど食事を残し, 食べようとしないものが約20%, 食事を残すが, なんとか食べるものが約55~60%みられ, 食欲不振の傾向が強かった。
    6) 好ましくない間食食品としてあげられている和・洋生菓子, チューインガム, キャンディー, チョコレートを摂取するものは, 食事を残すが, なんとか食べるものが多かった。その反面, それらを摂取しないものは, ほとんど食事を残さないで食べるものが多かった。清涼飲料については, このような関係はみられなかった。
    7) 乳酸飲料に関しては, 与える量, または時間を決めていない家庭は, 決めている家庭に比べ,「ほとんど食事を残し, 食べようとしない」, あるいは,「食事は残すが, なんとか食べる」と答えたものが多かった。その反面それらを与える量, または時間を決めている家庭では, 決めていない家庭に比べ,「ほとんど食事を残さないで食べる」と答えたものが多かった。牛乳については, このような関係はみられなかった。
  • 垣本 充
    1980 年 38 巻 3 号 p. 171-175
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    18~19歳の女子108名を対象にして, 粗繊維の摂取量とウ蝕の相互関係について, 多変量解析法により検討を加えた。食物摂取調査は週日連続3日間行い, 総粗繊維及び野菜類, 穀類, 果実類, 豆類, いも類, きのこ類, 海草類, 種実類の各粗繊維の摂取量を評定した。ウ蝕の罹患状態はDMF歯率によつた。
    DMF歯率は総粗繊維, 野菜類, きのこ類の各粗繊維の摂取量と危険率1%, 0.1%, 5%水準で, それぞれ逆相関が成立することを有意と認めた。
    つづいて, 相関行列を主成分分析して, Z1~Z4の4主成分を得た。これらの累積寄与率は66.4%であった。各主成分の解釈が困難であったので, 因子軸の直交回転を行いF1~F4の4因子を得た。F1はウ蝕と粗繊維に関する因子で, ウ蝕の度合は総粗繊維, 野菜類, きのこ類の各粗繊維の摂取量と逆関係にあり, その寄与率は27.3%であった。
    これらの結果は粗繊維がウ蝕阻止作用を有する可能性を示唆した。
  • 岩崎 良文, 青野 充, 青木 矩彦
    1980 年 38 巻 3 号 p. 177-180
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    糖尿病の治寮に最も有効な食物繊維の種類と形態を明らかにするために, 12名の健康志願者に対して, 水に混和した, または水に混和しないセルロース, 小麦ふすま及び米ふすまを加えた50g糖負荷試験を行った。
    水と混和しないセルロースと, 水と混和した小麦ふすまの添加によってGTTの1点でそれぞれ血中インシュリン値が低下したが, 血糖の変化はこれらの繊維の添加によっていずれも認められなかった。
    よって, 粘度の低い型の食物繊維は, 投与形態にかかわらず, 食後の過血糖と過インシュリン血症を調節する効果が少ないと思われる。
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