栄養学雑誌
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40 巻, 1 号
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  • 佐藤(宍戸) 文子, 白田 きち
    1982 年 40 巻 1 号 p. 3-10
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    学校給食中のCa, P, Fe, Na, Kを定量し次のことをみとめた。
    1) CaおよびPについて…1食の合計ではCaにおいて分析値が計算値を下回る日が多い。1回の給食で児童の平均基準量350mgを下回る日もあり考慮する必要がある。パン食, 米食のCaを比較すると平均でパン食のほうが多いが, いずれの場合もCa量をある程度満たしているのは牛乳の利用によるといえる。Ca/Pは1食の合計ではそれほど問題でないが, それぞれの献立においてはPがCaよりかなり多く比率がよくないものもある。
    2) Feについて…1食の合計で児童1日の所要量の42~90%を給食で満たしているが, 日によってその差が大きい。米飯のFe含量はパンの1/2以下であるが, 米飯の副食にFe含量が多いため, 1食の合計では米食のほうがパン食より多い。
    3) NaおよびKについて…Naは1食の合計で日によって差がみられる。米食の平均1,235mgはパン食より1食の合計で約150mg多い。個々の献立では副食中の市販加工食品, 手作りの妙めもの, 揚げもの, 煮もの, 汁ものに多い。Na/Kは0.6~0.7が望ましいとされているが, ほとんどの日が1食の合計でNaのほうが多い。
  • 新井 貞子, 澤山 茂, 川端 晶子, 谷村 和八郎
    1982 年 40 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    学校給食におけるα化米の利用状況と,α化米のイメージによる食味特性を明らかにする目的で, 全国41都道府県の学校栄養士96名を対象として調査し, 次のような結果を得た。
    1) 米飯を学校給食に導入している施設は98.9%であるが, その頻度は週に1~2度が65.6%と最も多く,α化米導入の施設は15.6%であった。
    2)α化米利用の理由は, 炊飯操作が簡便 (34.6%), 炊飯時間が短い (23.1%), 省力化できる (11.5%) であり, 利用しない理由は, 風味が劣っている (30.5%), 値段が高い (17.0%) の他に, 現状で不便を感じていない, が高い比率を占め, 新しい製品の導入されにくいことが示唆された。
    3) 米飯の食味特性としては, しんの有無>うまみ>水っぽさ>かたさ>歯ごたえの順で重視され, 外観はあまり重視されない傾向を示した。透明感, 香りに対する評価では, 地域により差のあることがみとめられた。
    4) 20項目の評価尺度を用いたSD法で, 米飯のイメージによる食味特性の評価の結果,α化米は精白米に比べて値段が高いが保存性がある,α化米使用経験者では, 調理しやすさのイメージが高く現れた。α化米は, 色, つや, 透明感がなく, 乾いたイメージをもたれ, 香り, うまみ, おいしさでやや好まれなかった。粘りがない, 歯ごたえがない, 軽いなどの印象が浮きぼりにされた。また, 水っぽさ, 価格, 保存性, かたさに対する評価で地域による差がみとめられた。
    5) 主成分分析の結果, 各試料米飯は特徴ある因子負荷構造を示した。
  • 業務別の疲労度について
    細井 愛子, 乕田 昌恵, 武笠 伸子
    1982 年 40 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    著者らは, 実習学生から数年にわたり自覚症状調査 (アンケート) によってその疲労 (自覚疲労度) が激しいという訴えを聞いてきたので, 疲労の実態を客観的に捉えるために, 知覚計, 大脳活動計, Cybernetical Control Number Tester 測定器, 感覚計を用いて, 給食管理実習学生の短大1年生 (18~20歳) 42名を対象とし, 作業別疲労度を測定し次の結果が得られた。
    立ち作業の食器洗浄, 仕込みと調理は足に疲労が集中し, 仕込みと調理では, それに加え野菜などの切裁があるので手も疲労している。また, 食券販売など現金を取り扱い, 細かい神経を使う会計では, 手先, 脳に疲れが出ている。しかし発注見習では事務とはいえ, それほど複雑な計算事務ではないので, ほとんど疲れていないということがわかった。
    実習学生から耳にしてきた「疲労」は, このような新しい測定器による人間工学的に測定する試みによってそれぞれの作業によりかなり異なった疲れのあらわれることを, 客観的に捉えることができた。
  • 分離大豆たん白質の栄養効果に関する研究 (第2報)
    岩谷 昌子, 山口 迪夫, 宮崎 基嘉
    1982 年 40 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本報は, 成長期ラットを用い, 蒸煮しない分離大豆たん白質に対する制限アミノ酸の補足効果について, 全卵たん白質およびカゼインの場合と比較検討した。分離大豆たん白質については, メチオニン, スレオニン, リジン, およびその他の必須アミノ酸混合物を順次付加的に添加した区を設けた。そして, たん白質の栄養価, ならびにたん白質・脂質代謝に関連する血清成分を測定した。
    その結果, 蒸煮しない分離大豆たん白質においても, 蒸煮した場合と同様に制限アミノ酸はほぼ含硫アミノ酸とスレオニンによって代表されることが明らかにされた。すなわち, 分離大豆たん白質にメチオニンとスレオニンを添加することにより, 増体重6.3g/日, たん白効率 (PER) 4.0, 生物価99となり, いずれも成長期ラットに対する最大値に近い値が得られた。また, 真の消化率は97%前後で, 極めて高いことが示された。一方, 血清成分についてはメチオニンとスレオニンの添加により, アルブミン, A/G比, 尿素-N, HDLコレステロール, HDLコレステロール/総コレステロールの各値が全卵たん白区とほとんど同じレベルまで増減し, それぞれ改善されたことが示された。
    以上の結果より, 分離大豆たん白質は他の食品たん白質などから制限アミノ酸が補足されれば, たん白質の栄養価ならびに血清コレステロール代謝に対する改善効果が極めて優れていることが明らかにされた。
  • 三戸 節子, 岩渕 典子, 大橋 レイ子, 三島 昭子, 佐藤 康, 梁川 陽子
    1982 年 40 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Dietary therapy in a girl with Vitamin B12 unresponsive methylmalonic acidemia was described. A diet containing less than 1.2g per kg body weight of protein was well tolerated, whereas 1.5g per kg body weight resulted in ketoacidosis.
    Amino acid mixture devoid of toxic amino acids was effective to prevent protein malnutrition while daily protein intake was restricted to 0.6g per kg body weight.
    Caloric intake should be sufficient to prevent a rise in MMA level.
    Successful treatment was achieved on the regimen containing 1.Og per kg body weight of protein, 1.0g per kg of the amino acid mixture and 70 to 80 kcal per kg of caloric intake.
  • 石井 孝彦, 菊地 あや子, 吉田 勉
    1982 年 40 巻 1 号 p. 47-51
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    東京近郊都市部におけるマーガリンおよびバターの流通期間の季節変化を調べた。1980年3月より1981年2月にかけて, 主として, 千葉県市川市近辺に在住の栄養専門学校学生の家庭で購入した製品について調査を行い, 以下の成績を得た。
    1) マーガリンの流通期間は1ヵ月から2ヵ月の間の製品が最も多く, 平均流通日数は50.7日であった。
    2) 季節別平均流通日数は, マーガリンでは, 秋季が一番短く, 46.1日であった。次いで冬季が51.2日, 夏季が52.3日, 春季が55.6日であった。
    3) 一番購入数の多かったA社のマーガリンの平均流通日数は, 冬季以外の季節では, 全マーガリンの平均流通日数より長い傾向を示したが, やはり秋季が一番短かった。A社の主要マーガリン製品A'の平均流通日数は, A社のマーガリン全点の平均流通日数よりも短かった。
    4) パターの場合, どの季節でも流通期間が1ヵ月から2ヵ月の間の製品が最も多く, 全点の平均流通日数は72.6日であった。
    5) 季節別平均流通日数は, バターでは冬季が一番短く, 69.1日であった。次いで夏季が71.2日, 秋季が74.5日, 春季が81.3日の順であった。
    6) 既報の成績とあわせて, 夏季のマーガリンとバターの流通期間について考察した。
  • 厚生省公衆衛生局栄養課
    1982 年 40 巻 1 号 p. 53-57
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 桑原 丙午生
    1982 年 40 巻 1 号 p. 59-60
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 食生活学へ前進
    内野 澄子
    1982 年 40 巻 1 号 p. 61-64
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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