学校給食におけるα化米の利用状況と,α化米のイメージによる食味特性を明らかにする目的で, 全国41都道府県の学校栄養士96名を対象として調査し, 次のような結果を得た。
1) 米飯を学校給食に導入している施設は98.9%であるが, その頻度は週に1~2度が65.6%と最も多く,α化米導入の施設は15.6%であった。
2)α化米利用の理由は, 炊飯操作が簡便 (34.6%), 炊飯時間が短い (23.1%), 省力化できる (11.5%) であり, 利用しない理由は, 風味が劣っている (30.5%), 値段が高い (17.0%) の他に, 現状で不便を感じていない, が高い比率を占め, 新しい製品の導入されにくいことが示唆された。
3) 米飯の食味特性としては, しんの有無>うまみ>水っぽさ>かたさ>歯ごたえの順で重視され, 外観はあまり重視されない傾向を示した。透明感, 香りに対する評価では, 地域により差のあることがみとめられた。
4) 20項目の評価尺度を用いたSD法で, 米飯のイメージによる食味特性の評価の結果,α化米は精白米に比べて値段が高いが保存性がある,α化米使用経験者では, 調理しやすさのイメージが高く現れた。α化米は, 色, つや, 透明感がなく, 乾いたイメージをもたれ, 香り, うまみ, おいしさでやや好まれなかった。粘りがない, 歯ごたえがない, 軽いなどの印象が浮きぼりにされた。また, 水っぽさ, 価格, 保存性, かたさに対する評価で地域による差がみとめられた。
5) 主成分分析の結果, 各試料米飯は特徴ある因子負荷構造を示した。
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