栄養学雑誌
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46 巻, 5 号
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  • 月田 潔
    1988 年 46 巻 5 号 p. 203-210
    発行日: 1988年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 丸山 千寿子, 仲森 隆子, 中西 靖子, 林田 益子, 福島 攝子
    1988 年 46 巻 5 号 p. 211-216
    発行日: 1988年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    減塩食事指導時における“うす味”評価の客観性を高め, 指導効果を上げることを目的として, 食塩味覚閾値判定用濾紙を考案・作製し, 健常者, 三重県内の一般住民, 病院において減塩食事療法を行った者につき, 味覚検査を行った。
    塩味の知覚閾値は, 健常者に比べて, 一般住民群と病院患者群で有意に高かった。入院治療前に比べて後では, 男女とも知覚閾値が低下しており, 食事療法により食塩に対する感度が高まり,“うす味”を識別する能力が獲得されたことが示された。
    食塩感度テストを減塩食事療法における栄養指導時に用いることは, 指導効果を上げるために有効と思われた。
  • 長野 宏子, 馬路 泰蔵, 河合 聡
    1988 年 46 巻 5 号 p. 217-221
    発行日: 1988年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    メラミン樹脂製食器から溶出されるホルムアルデヒドおよびメラミンについて, 以下の検討を行った。
    1) 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 法によるメラミンの測定条件の改良を行い, 簡便で感度の高い測定方法を見出した。
    2) ホルムアルデヒドおよびメラミンは, 溶出条件および食器の種類によってその溶出量が変化するが, 両者の溶出量の間には必ずしも相関性はみられなかった。
    3) 通常の食器の扱いにみられる乾燥および摩耗によって, ホルムアルデヒドおよびメラミンの溶出量は増加した。
    4) 電子レンジの使用は両者の溶出量を増加させた。
  • 阿部 登茂子
    1988 年 46 巻 5 号 p. 223-236
    発行日: 1988年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    日米女子学生の食生活を中心とした保健生活行動の比較研究のために, 米国バージニア州の Mary Baldwin College (M校), および日本は京都の同志社女子大学 (D校) の各女子大生それぞれ385名および238名を対象に, 調査, 解析を行い, 次の結果を得た。
    1) 朝食の欠食を“よく/時々”する者は, D校68.9%, M校86.0%であり, 両校間の欠食率に統計的に有意な差が認められた。
    2) 食物摂取状況を点数化したバランススコア (18点満点) は, D校11.0点, M校10.7点であり, D校はM校より卵, 果物が, M校はD校より豆類, 牛乳・乳製品の摂取率がそれぞれ低かった。
    3) 間食, 清涼飲料水の摂取頻度, および飲酒, 喫煙頻度は両校間で異なり, M校がいずれもD校より高い頻度であった。
    4) 健康感は両校間で異なり,“健康である”と感じている者の割合はD校よりM校のほうが高かったが, 自覚症状の数はD校のほうが少なかった。
    5) 日常運動をしている者は, M校93.2%, D校51.3%であり, 運動時間もM校が長かった。また睡眠時間もM校が8.1時間で, D校より1.25時間長かった。
    6) M校では肥満度が10%以上の者がD校より2.8倍高率であった。肥満度が±10%の者のうち, 両校ともに約60%が自己の体型を“太っている”と認識し, やせ指向が認められた。
    7) 食生活改善の必要性を感じている者は, D校63.0%, M校46.8%であった。
    8) 両校ともに欠食をよくする者は, 間食, 清涼飲料水をよく摂取し, バランススコアは低下していた。そしてバランススコアの低下に伴い健康感は低下傾向を示し, 自覚症状の数が増えていた。
  • 増井 秀子, 東 貴代, 中村 恵美子, 菊地 真理, 正見 秀子, 山田 要子, 菊池 康子, 皆川 智子, 木原 キヨ子, 鬼原 彰
    1988 年 46 巻 5 号 p. 237-242
    発行日: 1988年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ある国家公務員関連職員で退職時健診を受けた50歳前後の男性を対象に, 1986年厚生省日本人の肥満とやせの判定表 (A), 1970年厚生省年齢階級別・身長別体重表 (B), および Body Mass Index (BMI: カウプ指数) (C) により, 肥満度分布と高脂血症の頻度について比較し, 次の結果を得た。
    1) 肥満度分布をみると, Aでは“ふとりぎみ”が21名,“ふとりすぎ”が12名の計33名 (33.0%) を示した。Bでは110.1%以上の“肥満傾向”ないし“肥満”が54名 (54.0%) となった。一方, CではBMI25以上の“過体重”および“肥満”が31名 (31.0%) を示し, Aとほぼ同頻度となった。
    2) 高脂血症の頻度をみると, Aでは高TC血症が上記33名中8名 (24.2%), 高TG血症は16名 (48.5%) を示し, Bの54名中それぞれ11名 (20.4%) および24名 (44.4%) と比べていずれも高頻度を示した。一方, Cでも31名中それぞれ8名 (25.8%) および16名 (51.6%) となり, Aとほぼ同じ頻度を示した。
    3) Aによる“ふとりぎみ”, Cによる“過体重”においては, 高TCあるいは高TG血症がかなり高頻度で認められた。
    以上により, 1986年厚生省が発表した肥満とやせの判定表による高脂血症の分布は, BMIを用いたものとほぼ同一であり, 1970年厚生省年齢階級別・身長別体重表と比べて高脂血症の頻度は高かった。したがって, 高脂血症を見逃す場合がかなり存在するものと考えられた。
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