栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
Print ISSN : 0021-5147
ISSN-L : 0021-5147
47 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 簾内 桃子, 福原 守雄
    1989 年 47 巻 4 号 p. 171-178
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 奥野 和子, 三橋 喜久, 安武 幸恵
    1989 年 47 巻 4 号 p. 179-188
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    H市では, ひとり暮らし老人のために年中無休の食事サービスを開始した。このサービスによって, 受給者の食物摂取の習慣および健康状態がどのように変化したかを知るために, サービス開始前と開始後に調査を実施し, 比較検討した。調査対象の人数は36人 (男性10人, 女性26人), 平均年齢は75±6歳であった。
    1) 毎日, あるいはよく摂取することが望ましい食品を, 食事サービス前には, ときどきしか, あるいはほとんど摂取しない者があった。それは, 植物油, 乳・乳製品, 魚・肉・卵・大豆製品のうち2接, 海藻類, 淡色野菜類の順に多かった。
    2) 食事サービス開始後, 以前に比べてよく摂取するようになった者が最も多い食品は乳・乳製品で, 次いで, 緑黄色野菜, 魚・肉・卵・大豆製品のうち2接, 海藻類, 淡色野菜類の順であった。肉の脂身, およびインスタント・調理済み食品は摂取しなくなる傾向がみられた。
    3) 食事サービス開始後, 塩味が薄味になった者が全体の約40%あった。
    4) 食事サービス開始前の1日の摂取食品数は8.4±3.1品目であった。開始後のそれは21.1±1.6品目となり, 統計的に有意に増加した。
    5) 食事サービス開始前の献立内容は, 主食・主菜・副菜の完全な献立パターンは朝食36%, 昼食30%, 夕食75%で, 開始後は朝食36%, 夕食58%であった。その内容は単純で, 豊かなものではなかった。
    6) 健康状態については, 食事サービス開始後, 食欲, 健康感, 排便, 睡眠の順によくなる傾向がみられた。
    7) 収縮期血圧は食事サービス開始後, 統計的に有意に低下した。体重には変化はみられなかった。
    8) 受給者から, 食事サービスを高く評価した感想があげられた。
  • 高橋 リエ, 小川 晴子, 佐藤 英子, 森 文平
    1989 年 47 巻 4 号 p. 189-197
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    日常使用されている15種類の野菜について, 生および加熱後の食物繊維 (DF) 含量, ならびにその変化を, 不溶性DF, 可溶性DFとに分けて, Aspらの酵素・重量法を用いて測定した。
    実験区は, 生, 水との通常加熱 (2~6.5分), および過剰加熱 (3.5~22.5分) とした。
    その結果は次のとおりであった。
    1) 生野菜100g中のDF含量は1.1~6.29で, 不溶性DFと可溶性DFの割合は, 90:10から58:42を示し, 種類による違いが認められた。
    2) 通常加熱野菜100g中のDF含量は1.4~5.6gで, 不溶性DFと可溶性DFの割合は, 86:14から57:43であった。
    3) 通常加熱によるDF含量の変化は, 水分を含む試料中で比較すると, 15種類中, ごぼう, さやえんどう, しゅんぎく, 大根, なす, 白菜, ほうれん草, ピーマンの8種類で6~17%の増減が認められた。かぶ, カリフラワー, キャベツ, ねぎ, にら, にんじん, ブロッコリーの7種類では, ほとんど変化が認められなかった。また, 不溶性DFと可溶性DFの含量変化は, 各野菜により違いが認められた。
    4) 過剰加熱において, 通常加熱よりさらにDF含量に変化が認められたのは, かぶ, カリフラワー, ごぼう, 大根, なす, にんじん, 白菜, ピーマンの8種類で, DF含量は減少した。キャベツ, さやえんどう, しゅんぎく, ねぎ, ほうれん草, にら, ブロッコリーの7種類では, ほとんど変化が認められなかった。この場合の, 不溶性DFと可溶性DF含量の変化は, 通常加熱での変化とほぼ同傾向を示すものが多かった。
  • 伊藤 良子
    1989 年 47 巻 4 号 p. 199-211
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    中高年期の食生活状況を知る目的で, 昭和61年6~7月に本学学生の父親73人, 母親73人を対象に, 朝食, 昼食, 夕食, 間食別の実態調査を行い, 次の結果を得た。
    1) エネルギー, たん白質, ビタミンの摂取量は, 一般に両親とも栄養所要量を充足していた。しかし, カルシウムの充足率は70%前後と低かった。
    2) 朝食は, テレビ・新聞を見ながら, 短時間に摂取する傾向がみられた。1日の栄養所要量に対する朝食からの各栄養素の摂取割合は, 20~30%であった。因子分析を行った結果, 乳製品が麦類と高い相関を示し, 米類と強い負の相関を示すことを考え合わせて, 抽出された第1因子は, 両親とも米食―パン食の傾向を示す因子と読み取れた。
    3) 昼食は, 両親ともカルシウム不足が顕著であった。因子分析をした結果, 父親の第1因子は副食の欧米風―和風の傾向を示す因子であり, 母親の第1因子は米類―麦類傾向を示す因子と推察した。
    4) 夕食からの父親のエネルギー摂取量の平均は916kcalで, そのうちアルコール摂取によるエネルギー量は123kcalであった。また, 夕食の各食品群間の相関は全体に弱く, 因子分析を行った結果得られた因子の因子寄与率は低いので, 典型的な因子とはいいがたいが, 父親の第1因子として抽出されたものは, 副食の和風―欧米風の傾向を示すものであり, 母親の第1因子は米類―麦類の傾向を表す因子と考えられる。なお, 父親のアルコール類摂取に関する因子は, 第2因子として取りあげることができた。
    5) 3日間のうち1回以上間食をとった者は約8割であり, 1日の栄養所要量に対する間食からの各栄養素の摂取割合は5~10%程度であった。
feedback
Top