栄養学雑誌
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49 巻, 1 号
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  • 丹羽 正治, 清水 裕史, 高橋 為生
    1991 年 49 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 関 千代子, 加藤 栄子, 岩瀬 靖彦, 君羅 満, 富岡 孝, 赤羽 正之
    1991 年 49 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    首都圏を中心とする女子短大生185人を対象にして, カルシウム (Ca) 及び鉄 (Fe) 摂取と食生活状況との関連について研究し, 以下の結果を得た。
    1) 対象者の栄養所要量に対する充足率をみると, 特にCa (78.1%), Fe (78.2%) が低かった。
    2) Ca及びFe充足率を各々60%未満, 60~90%未満, 90%以上の3クラスに分けて食品群別摂取量をみると, 充足率が高くなるに従い, Caでは豆類と乳類の摂取量が, Feでは豆類, 緑黄色野菜, その他の野菜, 魚介類, 肉類, 卵類の摂取量が有意に高くなった。
    3) アンケートによると, 充足率90%以上のクラスは他のクラスと比べて, Caでは食生活の中で牛乳を多く摂取している人が多く, Feでは3世代家族の家庭で, 食欲があり, 摂取する食品数を多くするように心がけている人が多かった。
  • 小沢 真紀子, 山川 喜久江, 小林 修平, 大城戸 ツヤ子, 植田 理彦
    1991 年 49 巻 1 号 p. 25-34
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    特定の料理・食品に対する嗜好が食生活の総合的背景を反映するという仮説に基づき, 食嗜好傾向と健康に関する身体的指標との関係を明らかにする目的で, 我々は半日人間ドックを受診した中年男女517人を対象に, “好き・嫌い”が著しい特殊な料理・食品17品目に対する嗜好傾向と検査成績との関係を検討し, 次の結果を得た。
    1) 質問に挙げた料理・食品中で, 男性・女性ともに好きと答えた料理・食品は, さしみ・うなぎの蒲焼き・とろろ汁であった。
    2) 男性は, 生がき・キムチ・レバーなどくせや刺激の強い傾向のある動物性の料理・食品を好む傾向がみられた。
    3) 女性は, 山菜の煮物・白和えなど食物繊維を多く含む植物性の料理・食品を好む傾向がみられた。
    4) 男性のほうが女性に比べ検査成績と嗜好傾向との関係が顕著であった。
    5) さしみ・たこの酢の物・白和え及び生がきを好む食生活には飲酒傾向が関係しており, 直接的にはアルコールの摂取習慣が検査成績に反映された可能性が推察された。特に生がき嗜好にその傾向が顕著であった。
    6) アルコールや年齢による影響を除いても, (1) 血清トリグリセリド値・尿酸値・最小血圧値におけるうなぎの蒲焼き嗜好, (2) 血清総コレステロール値・尿酸値におけるなまこ嗜好, (3) 血清トリグリセリド値におけるとろろ汁嗜好, (4) 血清総コレステロール値におけるレバー嗜好については,“好き”と答えた者の平均値が“嫌い”と答えた者の平均値よりも高く, 有意の差が認められた。中でもうなぎの蒲焼き嗜好及びなまこ嗜好にその傾向が顕著であった。
    以上により, 今回検討の対象となった少なくとも一部の料理・食品に対する嗜好傾向は,恐らくその背景となる食生活習慣の反映として, 成人病の危険因子レベルと関連をもつものと考えた。
  • 土田 満, 伊達 ちぐさ, 中山 健夫, 山本 卓, 井上 真奈美, 山口 百子, 岩谷 昌子, 陳 浩, 田中 平三
    1991 年 49 巻 1 号 p. 35-44
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    健康な20歳代男子5人を被験者として, 連続3日間, ナトリウム (Na), カリウム (K), カルシウム (Ca), リン (P), マグネシウム (Mg), 亜鉛 (Zn) の出納実験を行った。この結果に基づいて, 摂取量と糞中, 尿中排泄量または血清中濃度との相関を解析した。
    1) 出納実験より, Na, K, Pは摂取量の大部分が尿中へ排泄されていた。摂取量に対する尿中への排泄率はNaが85%と最も高く, Pが84%, Kが74%であった。逆にCa, Mg, Znは糞中へ排泄される割合が高く, 尿中への排泄率はCaが38%, Mgは25%と低かった。 Znのそれは7.1%であった。
    2) 摂取量と糞中排泄量との相関を検討してみると, Kのみが統計学的に有意の正相関を示した。
    3) 摂取量と尿中排泄量との間には, Na (r=0.974) とK (r=0.891) が統計学的に有意な正相関を示した。
    4) 各ミネラルの摂取量と血清中濃度との間には, 統計学的に有意な相関関係が認められなかった。
    5) Na, K, Ca, P, Mg, Znの尿中, 糞中の量, 血清中濃度から各ミネラル摂取量を推定するには, 尿中クロール排泄量からの方法がよく知られている。今回の実験では, これをNa, Kの24時間尿中排泄量から求める方法の有用についても示した。
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