栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
Print ISSN : 0021-5147
ISSN-L : 0021-5147
50 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 吉武 裕, 太田 壽城
    1992 年 50 巻 2 号 p. 59-68
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 苫米地 孝之助, 大木 和子, 栗原 和美, 泰磨 正, 文谷 知明, 鎌田 豊数, 清水 盈行, 三田 禮造, 山口 功, 斎藤 芳枝, ...
    1992 年 50 巻 2 号 p. 69-78
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    東京都世田谷区保健センターを訪れた成人男女297人 (30~79歳, 第1次調査), 及び公務員を中心とした成人男女ボランティア74人 (第2次調査) を対象に, 産業衛生協会の疲労自覚症状訴え数と, 食生活状況及び身体測定値・臨床検査値との関連について検討した。第1次調査の結果,
    1) 性別・年齢階級別にみた自覚症状の訴え数は, 一般に女性のほうに多く, また女性は高齢になるにつれて訴え数が増加する傾向がみられた。
    2) 自覚症状の群別訴え数の分布をみると, 男性はIII群の訴え (局所的疲労症状) が多く, 女性はI群の訴え (全身的疲労症状) が多かった。男女を通じてみた場合,“目が疲れる”と訴える者が最も多かった。
    3) 臨床検査値と疲労自覚症状との関係については, 女性において疲労症状訴え数の多い者に血圧値の高い者 (収縮期血圧≧160mmHgまたは拡張期血圧≧95mmHg) が多かった (p<0.025)。
    4) 世田谷区保健センター方式簡易食生活調査票を用いた食生活状況調査の結果, 何らかの食生活上の問題をもっている者とそうでない者, 週1回以上欠食のある者とそうでない者, たん白質摂取量が45g/日以下の者と46g/日以上の者, ビタミンC摂取量が50mg/日未満の者とそれ以上の者, 及び果物・菓子類の摂取が240kcal/日以上の者とそれ未満の者との各々の割合は, 疲労自覚症状訴え項目 (スコア) の多い者が少ない者に比べ, いずれも高い (p<0.05) ことが認められた。
    第2次調査の結果,
    5) 疲労症状訴え数と各臨床検査値との相関関係をみたところ, I群, III群並びに総訴え数と尿中アドレナリン排泄量との間に有意な相関 (r=0.225~0.355, p<0.01) が認められた。
    以上により, 自覚症状訴え数は, 地域住民のような対象集団においても日常の慢性疲労状況を表す指標として有意義であり, 健康にかかわる疲労の危険因子としての役割等の解析手法として有用であるとの示唆を得た。
  • 惟村 直公, 長谷川 忠男, 鈴木 隆雄
    1992 年 50 巻 2 号 p. 79-85
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    dl-α-Tocopheryl acrylate とdl-α-Tocopheryl crotonate の各誘導体を, 暗黒下で45日間連続経口投与した。
    測定は, 各組織中の Tocopherol の分布, 睾丸中のRNA, DNA, たん白質や前立腺, 睾丸中の Polyamine 濃度について行った。また, 下垂体, 血清中のLH, FSHや睾丸中の Testosterone についても測定を行った。
    2種類の Tocopherol 誘導体は, Tocopherol を投与した場合と比較して, 睾丸中の Tocopherol の蓄積と Polyamine 濃度を増加させた。また, dl-α-Tocopheryl acrylate 投与群では, 前立腺の Polyamine が著しく増加し, 睾丸中のRNA, たん白質, Testosterone を増加させ, 睾丸への Tocopherol の蓄積と相関性が示唆された。一方, dl-α-Tocopheryl crotonate は, 前立腺中の Polyamine や睾丸中の Testosterone 量を減少させることから, Testosterone 合成を阻害する作用があると考えられる。
  • 鳴坂 美和子
    1992 年 50 巻 2 号 p. 87-95
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    岡山県南部農村地域の家庭婦人63人の食生活調査を実施し, 脂質摂取量の多少〔脂質エネルギー比率26%以上 (A群) 及び25%以下 (B群)〕により, 油脂を用いた料理の状況について検討し, 栄養指導のあり方を探った。
    1) A群はB群に比し, 摂取栄養素等充足率は高値であり, 脂質, 魚類を除く動物由来の脂質並びにビタミンB2は有意に高値であった。
    2) 脂質摂取量に占める油脂の割合は両群問に有意差は認められなかったが, 油脂類, 肉類, 卵類からの脂質摂取量はA群が有意に高値であった。
    3) A群は脂肪エネルギー比率と肉類摂取量間において, B群は油脂摂取量間において有意な相関が認められた。
    4) 油脂使用料理数はA群が有意に多く, 朝食において有意差が認められ, トースト, 目玉焼きの出現が有意に多くみられた。
    5) 両群とも調理操作の少ない料理が多く出現し, 油脂使用料理は下ごしらえ→加熱型 (P→H型) に最も多くみられた。A群はP→H型, 下ごしらえ→加熱→加熱型 (P→H→H型) において, B群よりも有意に高値であり, 油脂使用料理は調理操作の少ない料理づくりに用いられているようであった。
    6) 油脂を用いた料理は多くの食品とともに用いられ, 両群とも1料理に用いられた食品種類数は, 油脂を用いない料理よりも有意に高値であった。
    以上のことから, 栄養指導においては, 脂質摂取の適正化を図るため, 料理に用いられる油脂に着目した指導の必要性が再確認できた。
  • 下岡 尚, 小林 聡子, 篠原 康雄, 堀 均, 寺田 弘
    1992 年 50 巻 2 号 p. 97-104
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    おからは, 多くの有用成分を含有するにもかかわらず, 一部がそう菜または家畜の飼料として用いられているほかは, 産業廃棄物として処理されている。我々は, おからの有効な利用方法を開発すべく, おからからの有用な生理活性物質の精製を目的とした研究を開始した。今回, おからに含まれるリン脂質に注目し, その抽出法の確立, 分析, 及び生化学基礎実験における有用性について検討した。その結果, おからを乾燥させることなく, 簡便でかつ収率のよい抽出法を確立した。また, リン脂質の分析結果より, おから由来リン脂質は, 原料である大豆リン脂質と同様であることが明らかとなった。更に, おから由来リン脂質を用いて脂質液胞であるリポソームを調製し, 膜物性の検討, 及び膜たん白質の再構成を試みた結果, おから由来リン脂質は安定な二分子膜を形成し得ること, また, このようにして調製された二分子膜は膜たん白質の再構成にも用いることが可能であることが明らかになった。以上の結果は, 生化学基礎実験におけるおから由来リン脂質の有用性を強く支持するものであり, おからの新しい有効利用の1つとして重要な知見を与えると考えられる。
  • 1992 年 50 巻 2 号 p. 110
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
feedback
Top