栄養学雑誌
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50 巻, 6 号
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  • 環境因子と遺伝子の相互作用
    四童子 好広
    1992 年 50 巻 6 号 p. 309-323
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 木村 友子, 加賀谷 みえ子, 福谷 洋子
    1992 年 50 巻 6 号 p. 325-336
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    女性の望ましい日常生活のあり方を探る目的で, 名古屋市とその近郊に在住する女子大学生とその母親155組を対象とし, 1989年9月に, 健康及び食生活意識調査, 生活行動調査, 食物摂取量調査を実施し, 次の結果を得た。
    1) 生活行動では学生のアルバイト者率は78%, 母親の有職者率は63%で, 生活活動強度は中等度に該当したが, 運動は, 意識と実際の行動ともにかなり低調であった。
    2) 体型では, やせ傾向の学生は22%で, 自己体型を不適正に判断し, やせ志向が強かった。一方, 肥満傾向の母親は37%で, 自己体型を比較的適正に判断していた。
    3) 健康状態では, 疲労感があるとする者は学生, 母親ともに約90%に及び, 食欲が時々ない者は学生が47%で, 母親より28%多かった。
    4) 食生活では, 学生は母親に比べて食事の洋風化, 加工食品利用, 外食の傾向が高く, 欠食者も多く, しかも食生活に満足していない者が42%存在し, 母親より8%多かった。
    5) 生活活動では, 学生は生理的生活時間及び移動時間が母親より長く, 母親では家事的生活時間及び余暇時間が学生より長く, 両群間に相違を認めた (p<0.001)。
    6) 栄養素等摂取状況は, 学生, 母親ともにエネルギー摂取量は所要量より低く, カルシウム, 鉄の不足が目立ち, 学生のほうが不足傾向にあった。
  • 主食・主菜の調理形態の視点からの分析
    村山 篤子, 三輪 里子, 佐藤 文代, 岩瀬 靖彦, 君羅 満
    1992 年 50 巻 6 号 p. 337-345
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    昭和20年から20年間の日常食献立を対象に, 食生活の変容について「栄養と料理」,「食生活」の献立カレンダーを用いて, 調理操作及び料理の視点から分析した。両誌の献立作成者は栄養, 食の専門家が担当し, 当時の栄養, 健康の課題をテーマにしながら, 読者層の実生活で使えることを前提にしていることから, その時代の食生活を反映していると考えたためである。得られた結果は次のとおりである。
    20年間の献立は朝・夕の主食, 主菜について分析した。
    1) 主食は, 25年以前は主食代わりに雑穀, 豆類などがみられた。また“米飯”は30年以降減少し,“パン”は25年以降顕著な変動はみられなかったが,“小麦製品”は増加していた。
    2) 主菜についてみると,“主菜なし”の献立は30年以降顕著に減少した。主材料は30年代後半に魚介類が減少し, 代わって肉類の摂取が増加した。
    3) 夕食献立の主菜 (560種) については, 使用食品数, 使用調味料数は経年, 漸増傾向を示した。
    4) 調味料の種類は,“食塩”はわずかずつ増加,“しょうゆ・みそ”などの和風調味料は減少,“油脂”,“香辛料・酒・ケチャップ, 他”,“でんぷん・小麦粉・パン粉”は著しい増加を示した。
    5) 調理操作では,“煮る・蒸す, 他”などの湿式加熱調理操作が減少,“焼く (間接焼き)”,“妙める”,“揚げる”などの乾式加熱調理操作は30年代後半に顕著な増加を示した。また, 同一の調理操作での調味料の使用種類数は, 年々増加している。
    6) 20年間に料理様式は洋風, 中国風が取り入れられ, 多様な献立へと変化する兆しが認められた。
  • 石井 孝彦, 山口 迪夫
    1992 年 50 巻 6 号 p. 347-353
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    豆乳, 調製豆乳の製品固有の成分を含んだ状態での栄養・生理的効果を明らかにすることを目的とした。
    1) 実験I: 本実験は豆乳のたん白質栄養価と血清コレステロール (Chol) 濃度に及ぼす影響について調べるために, 10%たん白10%脂質 (コーン油で調整) とした飼料で飼育したSD系雄ラットのたん白, 脂質代謝に関連する血清成分を測定した。これらの測定は対照としてカゼイン, 牛乳, 鶏卵飼料飼育ラットでも行った。豆乳たん白質の真の消化率, 生物価は91.2%, 65.0%と, 牛乳, 鶏卵よりも低かった。豆乳, 牛乳, 鶏卵飼料飼育ラットのたん白代謝関連血清成分は, それらのたん白質の栄養価の順と同様でいった。豆乳群の血清 Chol は69.4mg/dlと牛乳群 (82.8mg/dl) より低かった。
    2) 実験II: 実験Iの結果, 血清 Chol 濃度に差がみられたので, 実験IIにおいてはできるだけ血清 Chol が蓄積するように, 脂質15% (ラードで調整) で Chol を添加した飼料条件とし, 各食品たん白質 (15%レベルに調整) の血清 Chol 上昇抑制効果を比較した。牛乳群の血清 Chol 444mg/dlに比べ, 豆乳群259mg/dl, 調製豆乳群191mg/dlと有意に低かった。特に, 調製豆乳群は鶏卵群173mg/dlと有意差がなかった。
    以上のように, 各製品固有の含有成分を残し, かつできるだけ実用的な飼料条件に近付けた試験結果において, 豆乳はたん白質の栄養価で鶏卵, 牛乳より低いが, 血清たん白等機能成分への影響はほとんどなく, 血清 Chol 上昇抑制効果では牛乳より優れて, 鶏卵より劣った。一方, 調製豆乳の血清 Chol 上昇抑制効果は, 牛乳より優れて, 鶏卵レベルであった。
  • 井上 知真子, 丸谷 宣子, 太田 美穂, 宮川 久邇子
    1992 年 50 巻 6 号 p. 355-364
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    近畿都市部 (大阪市, 神戸市) の女子高校生461人 (以下A群), 女子短大生212人 (以下B群) を対象に, 細身スタイル志向と食物制限の実態についての調査を行い, 以下の結果を得た。
    1) 平均身長, 体重は同年齢の全国平均値と比べ, A群は体重が1.5kg軽く, B群は身長, 体重ともほぼ同値であった。ケトレー指数の平均値は両群ともに, 20.5±2.1であった。
    2) 体調に関する自覚症状を訴える者は両群ともに60%以上にみられ, 特に“疲れやすい”,“肩がこりやすい”は高率であった。
    3) 朝食の欠食率は, A群33.4%, B群51.9%であった。また, A群よりB群のほうが朝食, 昼食の欠食率が高かった。
    4) 両群ともに細身スタイルを理想とし, やせたいという願望が強かった。
    5) 食物制限の実行経験者はA群71.4%, B群64.2%で, やせ体型の者でも実行中の者が存在した。実行の方法では, 両群とも問題のあるものが多く挙げられていた。
    6) 両群ともに, 食物制限の方法に関する知識は雑誌から得ている者が多かった。
    7) 食物制限の結果, 体調を崩した経験をもつ者はA群24.4%, B群32.4%であった。
    8) 食物制限の結果, 体調を崩した経験をもつ者はもたない者に比べて, 食事を欠食する者, 細身スタイル志向の強い者, 食物制限の方法に問題のある者が多い傾向にあり, また, 食物制限の方法に関する知識の情報源として“自分の経験”と答える者が多かった。
  • 佐藤 文子
    1992 年 50 巻 6 号 p. 365-372
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    カルシウム (Ca) 強化をうたった市販菓子類のCa, またCaの吸収に影響を与えるリン (P), 更にナトリウム (Na), カリウム (K) の含有量を実測し, 次のことを認めた。
    1) Ca及びP:Ca強化をうたった製品間にかなりの差がみられ, 表示値と実測値との差に開きがある製品もいくつかみられた。Ca強化をうたっていないものと比較すると, 強化をうたったもののほうが多い傾向にあったが, 製品のいくつかは逆であった。望ましいとされるP/Ca比1~2を満たしているものは, 64試料中14試料であった。ビスケット, クッキー, ボーロはP/Ca比が1以下のものが多く, Caが多い傾向を示した。
    2) Na及びK:Naの平均値は, (1) あられ・せんべい類で656mg%, (2) スナック菓子・クラッカーで698mg%, (3) ビスケット・クッキーで302mg%, (4) かりんとう・ボーロで104mg%となり, 塩味食品と甘味食品との差がみられた。(1)~(4) それぞれにおいて, 製品間の差もみられた。KとNaは, (4) かりんとう・ボーロにおいてのみKのほうが多い傾向にあり, 他はNaのほうが多い傾向にあった。
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