【目的】給食の実際の食べ残しの量と児童の自己申告との妥当性および普段の食べ残しとの関連性について検討することを目的とした。
【方法】質問紙調査(普段の食べ残しと給食の食べ残しに関する項目)と2日間の個人レベルでの給食の残食調査を行った。対象者は都内の小学校に通う5-6年生112名,調査実施時期は2009年5-6月であった。食べ残しに関する質問項目の妥当性について,残食調査での食べ残し実測重量を用いて検討した。また,普段の食べ残しの質問項目の得点について,残食調査において食べ残しをした回数によって分けた3群で比較した。
【結果】各群の食べ残し実測重量の中央値は,「残した」群189.0g,「全部食べた」群0.0gであり,調査日の給食の食べ残しに関する自己申告と食べ残しの実測重量の妥当性がみられた(GEE,
p<0.001)。普段の食べ残しに関する自己申告の項目についても,実測重量と相関が見られた(2項目の合計得点との順位相関係数
rs=-0.43,
p<0.001)。さらに,「2日とも残した」群では,「2日とも全部食べた」群に比べて普段の食べ残しの2項目の合計得点が低く,これら2つの自己申告の間に関連が見られた(「2日とも残した」群5.0点,「2日とも全部食べた」群7.0点,
p<0.017=0.05/3)。
【結論】本研究は,給食の食べ残しの自己申告が,児童の給食の食べ残しの現状を把握でき,学校給食の食べ残しは普段の食べ残しと関連があることを示唆した。
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