【目的】高齢化社会が進み,生涯にわたり骨の健康を維持することは重要である。若年期女性における,食習慣や生活習慣をはじめとする骨量に関連する因子を検討することで,将来の骨粗鬆症予防やQOLの維持向上のための栄養教育活動に繋げることを目的とした。
【方法】高校生と大学生の女性を対象に,音響的骨評価値(OSI)測定および,体型,体型意識,食習慣,運動習慣に関するアンケート調査を行った。高校生と大学生それぞれにおいて,骨量の低値群と高値群に分け,連続変数の平均値の差は
t検定,カテゴリー変数はχ
2 検定により解析を行った。
【結果】大学生の平均BMIは,骨量低値群 19.5±1.9 kg/m
2,高値群 21.1±2.9 kg/m
2 であり高値群が有意に高かった。また,高校生の73.0%,大学生の79.2%がやせ願望を持っていたが,実際に肥満の者はいずれも10%以下であった。高校生ではOSIと過去の運動(
r=0.296,
p<0.01),および現在の運動習慣(
r=0.282,
p<0.01)に有意な相関が認められた。大学生ではOSIとBMI(
r=0.327,
p<0.01)に相関が認められ,さらに,朝食の欠食がない者ほど,OSIが高値(
r=0.171,
p<0.05)を示した。
【結論】若年期女性の骨量維持向上のためには,体型に関する正しい認識を持ち適切な体重維持を行うこと,さらに継続した運動習慣,朝食の摂取に着目した栄養教育が重要であることが示唆された。
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