【目的】大学生について,抑うつと関連のある食品を探索するため,抑うつ傾向と食品の摂取頻度との関連性を明らかにすることを目的とした。
【方法】大学生192名を対象に質問紙法による調査を行い,138名を分析対象とした。抑うつ傾向の程度はCenter for Epidemiologic Studies Depression(CES-D)Scaleにより把握した。また,162品目の食品の摂取について,過去1週間に「全くない」,「週1回」,「週2~3回」,「週4~6回」,「毎日1回」,「毎日2回以上」の6択で調査を行い,それぞれ0~5点とした。CES-D 得点は,26点をカットオフ値として評価した。CES-D 26点未満をCES-D低得点群,26点以上をCES-D高得点群とし,2群間の各食品の摂取頻度ならびに食品群ごとの平均摂取頻度得点を比較した。
【結果】調査を行った品目のうち,男性においてはこんにゃく,女性においては食パンおよびヨーグルトの摂取頻度が,CES-D高得点群で有意に低かった。また,男性における果実類,女性における魚類の平均摂取頻度得点は,CES-D高得点群が有意に低かった。
【結論】大学生を対象に行った本研究の結果から,CES-D高得点群は低得点群に比べていくつかの食品摂取頻度並びに食品群ごとの平均摂取頻度得点が低いことが示唆されたが,本研究には限界点があるため,今後さらなる検討が必要である。
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