E-journal GEO
Online ISSN : 1880-8107
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12 巻 , 1 号
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
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解説記事
  • 荒木 俊之
    12 巻 (2017) 1 号 p. 1-11
    公開日: 2017/06/09
    ジャーナル フリー

    立地適正化計画は,コンパクトシティ・プラス・ネットワークを実現するために,2014年に創設された.本稿は,立地適正化計画の創設の背景とその概要を概説するとともに,地理的な視点からとらえた立地適正化計画の作成と運用の問題点を整理することを目的とする.本稿では三つの視点,すなわち立地適正化計画の区域の範囲,都市機能誘導区域の階層構造に関連する機能設定,土地利用規制とそれにともなう地域差から問題点を整理した.これらに共通するのは,立地適正化計画の区域の範囲に関することである.立地適正化計画は都市圏の範囲での作成が求められるが,都市計画区域が都市圏と一致しないことにより,コンパクトシティの実現に向けた取組みも,作成主体である市町村内にとどまる可能性が想定される.これは,都市計画の根本をなす都市計画区域の問題でもあり,都市計画区域の再編や変更が柔軟に行えない都市計画制度の硬直化といえよう.

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  • 大石 太郎
    12 巻 (2017) 1 号 p. 12-29
    公開日: 2017/06/09
    ジャーナル フリー

    2017年に連邦結成150周年を迎えるカナダは,英語とフランス語を公用語とする二言語国家として知られるが,その実態は複雑であり,必ずしも正確に理解されていない.そこで本稿では,言語景観と二言語話者人口に注目し,カナダの二言語主義の現状と課題を現地調査と国勢調査に基づいて解説する.カナダでは1969年に制定された公用語法により,連邦政府の施設は二言語で表記され,二言語でサービスを提供することになっている.一方で,各州の行政はそれぞれの法令に基づいている.したがって,同じ場所に立地していても,連邦と州の施設では用いられている言語が異なる場合がある.また,英語圏の大都市において二言語話者人口の割合が非都市地域よりもやや高い傾向がみられるものの,ケベック州をはじめとするフランス語を母語とする人口の割合が高い地域において,二言語話者人口の割合が高い傾向はあまり変わっていない.

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調査報告
  • 田中 耕市
    12 巻 (2017) 1 号 p. 30-39
    公開日: 2017/06/09
    ジャーナル フリー

    本稿は,2015年に実施された「地域ブランド調査」を利用して,1,000市区町村を対象とした主観的評価に基づく地域の魅力度の構成要素とそのウェイトを明らかにした.はじめに,地域の魅力度に関わると考えられる同調査の75項目から,主成分分析によって13の主成分を導出した.次に,それらの13主成分を説明変数,市区町村の魅力度を被説明変数とする重回帰分析を行った結果,魅力度は11の構成要素から成り立っていた.それらのうち,魅力度におけるウェイトが最も高かったのは観光・レジャーであり,農林水産・食品,生活・買い物の利便性,歴史がそれに続くことが明らかになった.本稿で解明した地域の魅力度の構成要素とそのウェイトをもとに,客観的な地域の魅力度を評価することが可能となる.

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  • 原 将也
    12 巻 (2017) 1 号 p. 40-58
    公開日: 2017/06/09
    ジャーナル フリー

    本稿では現代のアフリカ農村において,移住を仲介する保証人という存在に着目し,人びとが移住して生活基盤を確立していく過程を明らかにする.ザンビア北西部州ムフンブウェ県にはカオンデという民族が居住するが,ルンダ,ルバレ,チョークウェ,ルチャジという異なる民族の移入者を受け入れたことで,複数の民族が混住する.移入者の移住形態は農村を転々とした「農村→農村型」,都市で働いたのちに農村へ移住した「都市経由型」,都市生まれで農村へ移った「都市→農村型」の三つに分けられた.カオンデ以外の移入者は,親族間のもめごとや親族からの都市生活に対する妬みを避けるため,カオンデ農村へ移住した.彼らは親族ではなく,ルンダ語でチンサフという保証人を頼っている.移入者が信頼を寄せる人物であれば,だれもが保証人になりうる.アフリカ農村では人間関係を礎とした保証人によって,人びとの移住と平穏な暮らしが実現されている.

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  • 岩間 絹世
    12 巻 (2017) 1 号 p. 59-73
    公開日: 2017/06/09
    ジャーナル フリー

    兵庫県豊岡市城崎温泉は外湯周辺に集積する小規模宿泊施設が中心であり,これらの宿泊客は近隣府県からの若者や女性が多く,欧米からの外国人観光客も増加している.近年の城崎温泉の活況は2000年代後半から取り組まれた観光まちづくりの成果ともいえる.本研究では近年の城崎温泉の観光事業,宿泊施設,宿泊客の特徴を明らかにし,観光まちづくりを推進するリーダー集団の人間関係に着目した.観光まちづくりは20歳代~40歳代の若手・壮年の男性がリーダー集団となり,観光業以外の職業の住民も参加する点に特色があることが分かった.歴史的にみると,内湯騒動の経験が温泉街全体で栄える「共存共栄の精神」を生み,伝統的祭礼が異年齢でさまざまな職業の人々を結びつけ,若手・壮年に委任する祭礼の仕組みが観光まちづくりも若手・壮年の男性に任せるという地域特性を形成したことが明らかになった.最近では観光事業への女性の参加や周辺地域との協力関係もみられる.

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  • 大和 広明, 森島 済, 赤坂 郁美, 三上 岳彦
    12 巻 (2017) 1 号 p. 74-84
    公開日: 2017/07/27
    ジャーナル フリー

    関東地方で実施した高密度観測から得られた夏季の気温と気圧データに対して主成分分析を行い,これらの時空間変動にみられる特徴を明らかにした.気温場と気圧場それぞれの上位3主成分には,海陸風循環,ヒートアイランド現象,北東気流に関係した空間分布が認められ,相互の主成分間に有意な相関関係が存在する.これらの気温と気圧の関係は,いずれも相対的に気温が高い(低い)地域で気圧が低い(高い)傾向を示す.晴天日の気温と気圧の分布には明瞭な日変化が認められ,日中には海風の発達に伴い,関東平野の内陸部で相対的に高温低圧となり,日没後から夜間にかけては,ヒートアイランド現象が顕在化して東京都心から北側郊外にかけての都市部で相対的な高温低圧傾向が認められた.これらの観測事実に基づいた解析から,晴天日の気温と気圧の主要な日変化パターンに,内陸部の高温低圧に伴う海風循環とヒートアイランド現象に伴う高温低圧が認められた.

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  • 清水 昌人
    12 巻 (2017) 1 号 p. 85-100
    公開日: 2017/07/27
    ジャーナル フリー

    本稿では2014年と2015年の住民基本台帳のデータを用い,外国人の社会増加が日本人の社会減少を量的にある程度以上補っている市区町村を観察した.筆者らは先の論稿で2014年の転出入を分析したが,集計値等を再検討すると,外国人の出国の多くが「その他」の職権消除に分類されていると推測されるため,本稿では転出入に「その他」の記載・消除(国籍変更等除く)を含めて社会増加・減少を分析した.その結果,外国人の社会増加が日本人の社会減少を完全に補う地域は,転出入のみで社会増加・減少を見た前稿に比べて大幅に減った.ただし完全にではないが,前者が後者を半分以上カバーし,かなりの程度補っている地域を加えた数は,2015年には少ないながら一定数にのぼる.2014年と2015年の比較では,これら市区町村の増加は三大都市圏から離れた地域等で小さいこと,かなりの程度以上補われている状態への移行やそこからの離脱は頻繁に起きること等を示した.

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  • 花岡 和聖, リァウ カオリー, 竹下 修子, 石川 義孝
    12 巻 (2017) 1 号 p. 101-115
    公開日: 2017/07/27
    ジャーナル フリー

    本研究では,アメリカン・コミュニティ・サーベイの2009~2013年の個票データを用いて,アメリカ合衆国で暮らすアジアの7カ国(日本・韓国・台湾・インド・中国・ベトナム・フィリピン)生まれの既婚女性の長期雇用を対象とした多変量解析を行った.その結果,既婚日本人女性の長期雇用割合は,アジアの7カ国出身女性の中で最も低く,そのことは七つの説明要因の効果を調整した上でも,妥当していることが判明した.また,(1)3歳以下の実子がいる,(2)短大卒の学歴がある,(3)夫が高収入である,といった条件をもつ既婚女性の間では,日本人女性でこの割合が著しく低い傾向にある.アメリカ合衆国で暮らす日本生まれの日本人の夫が高い長期雇用割合を示すとともに,日本人の妻の雇用パターンは,(1)人間関係における母性原理という慣習,(2)集団意識としての「場」の共有,を強く選好する日本的価値規範に根差している,と解釈できる.

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地理紀行
2017年春季学術大会シンポジウム
2017年春季学術大会巡検報告
2015年度斎藤功研究助成研究成果報告書
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