E-journal GEO
Online ISSN : 1880-8107
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5 巻 , 2 号
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調査報告
  • 大山 修一
    5 巻 (2010) 2 号 p. 87-124
    公開日: 2011/02/12
    ジャーナル フリー
    2000年に開催された国連ミレニアム・サミットでは,世界中の政治家が「ミレニアム開発目標」を設定した.開発目標のひとつに1人・1日あたりの所得1ドルを貧困の基準に設定し,2015年までに貧困人口を半減させることが挙げられている.「1日1ドル未満の所得」というフレーズは,毎日食うに困って飢餓に恐れおののく人びとの姿を想起させる.サハラ以南アフリカの人口の6割は農村に居住しているが,アフリカの農村に住む人びとは飢餓に恐れおののき,衣食住に困っているのだろうか.ザンビア北西部州のカオンデ社会を事例に,焼畑と狩猟,採集,漁撈を組み合わせた多生業形態,世帯間での食料のやりとり,村長のライフヒストリーを検証し,自分たちの食料や生活資材を自分たちで獲得しようとする自給指向性の強さを明らかにした.アフリカ農村は孤立し,外部社会に対して閉鎖的では決してないが,自給指向性が強く,現金を多く介在させない社会であった.つまり1日1ドルの所得を必要としない,自給に根ざした生活様式がいまだ根強く残っているのである.1日1ドル未満の所得の人びとがすべて,飢餓に苦しみ,援助を必要とする人びとではないことを指摘した.現在,アフリカでは共同保有を基本とした慣習地の土地制度が改正され,土地の囲い込みや私有化が進んでいる.外資の導入や資源開発も進み,今後,アフリカは世界経済とも強くリンクし,農村も急激な変化に取り込まれていくであろう.そのとき,人びとが自給を維持できず,1ドル未満の所得しかない社会の最下層に位置づけられていくことを危惧する.
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  • 新井 智一, 福石 夕, 原山 道子
    5 巻 (2010) 2 号 p. 125-137
    公開日: 2011/02/12
    ジャーナル フリー
    本研究は,ローカルな環境改変の要因を大スケールの政治経済的コンテクストとミクロな政治との関わりという観点から解明するポリティカル・エコロジー研究を援用し,山梨県白州町(現北杜市)において多くの企業が地下水を大量に採取してきた要因を明らかにした.白州町議会では,企業による環境改変への懸念が表明されてきたものの,白州町の行政は企業に対する地下水採取規制に消極的であった.それは,白州町議会で保守系議員が圧倒的多数を占めてきたこと,企業誘致が順調に進まなかったこと,ミネラルウォーターの採取地であることが白州町の観光に寄与してきたこと,によると考えられる.
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  • 淺野 敏久, 李 光美, 平井 幸弘, 金 科哲, 伊藤 達也
    5 巻 (2010) 2 号 p. 138-153
    公開日: 2011/02/12
    ジャーナル フリー
    江蘇省,浙江省,上海市の境にある中国で3番目に大きな淡水湖である太湖は,流域内の開発が著しく,深刻な富栄養化問題に直面している.2007年にはアオコ(藍藻類)が大発生し,無錫市において数日間にわたって給水が停止し,200万人以上に影響が出るという事件が生じた.この事態に中国では国をあげて,長江からの導水や下水処理場・下水道の重点的整備,排水対策のできない中小工場や畜産施設の閉鎖,養殖場の閉鎖などの浄化対策が短期間に多額の投資のもとに講じられた.本稿では,現地調査と文献等により,その状況を報告し,あわせて中国の環境対策と都市整備の関係について述べる.
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  • 村田 陽平, 埴淵 知哉
    5 巻 (2010) 2 号 p. 154-170
    公開日: 2011/02/12
    ジャーナル フリー
    本稿は,保健師による地域診断活動の実態を明らかにしながら,健康の地理学の可能性を検討するものである.具体的には,中部地方A地域管内の保健所(2カ所)・市町保健センター(10カ所)の保健師を対象に,2006年10月から2007年2月にかけて地域診断実施に関する半構造化インタビュー調査を実施した.その結果,現状では,多くの保健師が地域診断活動に対して苦手意識を持っており,体系的・理論的レベルにおいて地域診断を十分に実施していないことが明らかになった.一方,暗黙的・経験的なレベルでは,保健師は,地域における人間関係や情報をつなぐ能力を持っていることも導出された.その上で,今後の保健師の地域診断への提言を示し,人間の主観性を射程に入れる健康の地理学の視点が,地域の多様な関係性を結ぶ役割を果たす保健師という専門職の再構築につながることを指摘する.
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