E-journal GEO
Online ISSN : 1880-8107
検索
OR
閲覧
検索
9 巻 , 1 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
解説記事
  • 渡辺 真人
    原稿種別: 解説記事
    9 巻 (2014) 1 号 p. 4-12
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    日本の各地にジオパークの活動が広まった経緯について解説し,ジオパーク活動のこれまでの成果と問題点について解説した.日本のジオパークでは,地形・地質遺産の保全に関する意識の向上や,地元の子供たちへのジオサイトを利用した野外教育の振興,教育旅行を含むジオツーリズムが徐々に盛んになるなどの成果が出始めている.一方で,ジオパークの主要なコンテンツである地球科学的なストーリーの構築に関する問題など,さまざまな課題も山積している.それらの課題を解決していくためには,日本ジオパークネットワークを通じたジオパーク間の交流,日本ジオパーク委員会の再認定審査などを通じて,各ジオパークが自らの問題に気付き,自己修正していくことが重要である.
    抄録全体を表示
  • 柚洞 一央, 新名 阿津子, 梶原 宏之, 目代 邦康
    原稿種別: 解説記事
    9 巻 (2014) 1 号 p. 13-25
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    ジオパークは,地形・地質遺産が主となって構成されるが,特に,これまで日本のジオパークでは地質公園的な側面が強く現れていた.Global Geoparks Networkのガイドラインでは,地形・地質のほか,生態系,考古,歴史,文化的価値を持つものの重要性も述べられている.それらは地理学的視点によって関連性を科学的に整理し理解することが重要である.地理学の成果にもとづいて,それぞれのジオパークのストーリー,ナラティブが構築されれば,その地域で発生している問題の解決の糸口を与えることになるだろう.そうすることにより,ジオパークの活動が持続可能な発展を目指すものとなる.
    抄録全体を表示
  • 富田 啓介
    原稿種別: 解説記事
    9 巻 (2014) 1 号 p. 26-37
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    西日本の丘陵地を中心に分布する湧水湿地は,希少種のハビタットであるのと同時に,地域社会の中で人の営為と関係を持ちながら存続してきた里山の湿地という特色を持つ.地域社会と湧水湿地の関わりを整理すると,空間的・心理的近さから生じる場所を介した関わりの中に,形成・維持に直接関与する生態的システムを介した関わりが存在する.今日の湧水湿地の保全・活用に関する活動もその関わりの構造を踏襲している.活動を担う主体は湧水湿地の存在する場所の地域社会の中に作られた団体であり,森林管理や草刈などかつての生態的システムを介した関わりが再現されている.地域社会が中心となった保全・活用は,湧水湿地本来の姿を維持するために今後も重要である.一方で,湧水湿地の関心層を増やして保全・活用をさらに推進するためには,個々の湿地の情報を広く発信することや,地場産業と結びつけた複数の湿地をめぐるジオツアーの実施のように,広域的視点での活動も求められる.
    抄録全体を表示
  • 長谷 義隆, 鵜飼 宏明, 廣瀬 浩司
    原稿種別: 解説記事
    9 巻 (2014) 1 号 p. 38-43
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    ジオパークの基本理念の主旨は大地の遺産の保全と活用である.大地の遺産のうち,地層や化石を主要テーマにしているジオパークにおいて,地層から化石を採集する行為は大地の遺産を保全するという観点からみると,受け入れがたいことのようにも考えられるが,しかし,大地の姿を知り,生命の変遷を語るにはなくてはならない教育プログラムであると考えられる.天草御所浦ジオパークの特徴は,中生代から新生代への地球規模の変遷を地層と化石から実感できることである.特に白亜紀層から産出する豊富な化石群(恐竜や軟体動物)を用いた子供たちの化石採集体験は教育プログラムとして重要である.その際採集される化石は,大地の遺産保全というジオパークの理念とどのように関わるのかについて,ジオパーク認定以前の旧御所浦町が取り組んできた保全・保護に対する実践と,それを現在の生態系の保全を含めた取り組みとして継続,発展させている天草御所浦ジオパークの現状を説明する.
    抄録全体を表示
調査報告
  • 岡 秀一, 青山 高義
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 1 号 p. 44-49
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    対馬には板倉と呼ばれる倉庫群が発達している.かつてこの板倉は,土地をもち耕作することができる“本戸”と呼ばれる人々のみが所有することができた.耕作可能な土地は西岸域に集中しているので,必然的に板倉の分布も西岸域に偏在していた.板倉は防災対策上主屋から隔離され,小屋屋敷と呼ばれる立地に群をなして設置された.瓦の使用が禁止されていた江戸期にその屋根素材として注目されたのが,対馬の基盤をなしている対州層群であった.対馬の地形や地質をはじめとする特異な自然環境に規制され,またそれらを利用しながら生活する人々の生産様式・生活様式の中で培われてきた石屋根板倉は対馬の象徴であり,大地の遺産にふさわしい存在である.
    抄録全体を表示
  • 河本 大地
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 1 号 p. 50-60
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    ジオパークに関わる動きが活発化している.その中で日本においては,多くのジオパーク,およびそれを目指す地域で,地方自治体が主導する形がとられている.そこで本稿では,行政主導型のジオパークマネジメントの先例として,ピレネー山脈のスペイン側にあるソブラルベジオパークをとりあげ,意義と課題を整理した.その結果,地質・地形等に関わる施策を展開しやすくなったこと,学校教育との連携などが行政主導型マネジメントの意義として,見いだされた.他方,ジオパークに関する民間の主体的活動はほとんど見られず,またジオパークとしての取り組みが地質・地形関係に特化するなど行政の縦割りの弊害も存在する.しかし,域内企業とのパートナーシップ協定やマウンテンバイク用ルートの整備等,地質・地形への関心喚起や地域資源活用の手法は,日本のジオパークにとって参考になると考えられる.
    抄録全体を表示
  • 梶原 宏之
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 1 号 p. 61-72
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    長引く経済不況や地方低迷のなか,地域全体をミュージアム化し活性化をはかるジオパークへの関心が高まっている.地理学からすれば福音であるが,類似の制度も増えており,ともすればそれらの狭間に消えかねない.本稿では,世界農業遺産(ジアス)・エコミュージアム・ユネスコ無形文化遺産といった類似の制度と照らし合わせながら,ジオパークの持つ可能性や問題点を描き出し,地理学に求められる役割について検討した.ジオパークにおいては,研究者とのよりよい協同作業を通じて,地域の自然と文化の関係性を解説するシステムを構築し,地域の課題を解決するデザインが求められる.
    抄録全体を表示
提言
  • 鈴木 晃志郎
    原稿種別: 提言
    9 巻 (2014) 1 号 p. 73-83
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    急速に多様化が進むジオパークは,国や地域によってさまざまな性格を帯びつつある.ジオパークの活動を地質学者や自治体関係者が牽引してきた日本では,その応用的な側面の検討に際して,教育的効果が強調され,地域振興との関わりでジオツーリズムが論じられることが多かった.しかし,火山地帯であり地震大国である日本においてジオパークのあり方を考える上で避けて通れないのは,地殻変動によってもたらされるネガティブな事象(災害)との関わりではなかろうか.本論文は,近年観光学で注目されているダークツーリズムの概念を紹介しつつ,ジオパークにおけるダークツーリズムの適用可能性について考察することを目的とする.
    抄録全体を表示
  • 小森 次郎
    原稿種別: 提言
    9 巻 (2014) 1 号 p. 84-87
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    ジオパーク利用者にとって現地でのリスク情報とその的確な提供は重要である.日本の山岳遭難事故の統計を参考に,ジオパークの利用者が被りうるリスクを検討した.その結果,転落,滑落,転倒,動物との遭遇,落石が主な危険要素として考えられた.ジオパークに関する出版物を見たところ,これらのリスクを注目・議論したものは見つけられなかった.また,各ジオパークの公式Webサイトを調べたところ,2/3のジオパークにはリスクや安全対策に関する記述は見当たらなかった.残りの1/3のサイトでも,その記述は簡単なものであった.利用者の安全を考えると今後はこれらのリスク情報がジオパークの魅力などと一緒に効果的に公開されていく必要がある.
    抄録全体を表示
調査報告
  • 森野 友介
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 1 号 p. 88-101
    公開日: 2014/07/10
    ジャーナル フリー
    スクリーンスケイプはスクリーンの映像だけではなく,その背後にあるさまざまな事象とその構造を含んだ概念である.この概念を用いることで現実の空間とサイバースペースの垣根を越えた研究が可能であり,双方の空間にわたる情報化社会にアプローチすることができる.映像の背後には技術,マーケティング,社会状況,コミュニケーションの4種類の要素がある.本稿では2Dのビデオゲーム空間の視点に注目した分析と聴き取り調査を行うことで,主に技術やマーケティングに関する調査を行った.その結果,コストと技術の制約の中でクリエイターは性能を最大限に活かす努力を行ってきたこと,技術の発展に伴い,ビジネスモデルが複雑化し,マーケティングの影響が徐々に強くなり,ビデオゲームの内容も変化したことが分析できた.このように,技術とマーケティングの影響を受けつつビデオゲームのスクリーンスケイプが発達したことが明らかになった.
    抄録全体を表示
  • 相馬 拓也
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 1 号 p. 102-119
    公開日: 2014/07/10
    ジャーナル フリー
    モンゴル西部アルタイ地域(バヤン・ウルギー県)では伝統的な季節移動型牧畜活動が,アルタイ系カザフ社会の生産体系の根幹をなす.しかし遠隔地かつ少数民族社会であることから,同地域ではいまだ生活形態などの基礎的知見が確立していない.本研究では,同県サグサイ村ブテウ冬営地(BWP)の牧畜開発・地域支援を視座に,滞在型のフィールドワークを行った.長期滞在による参与観察やウルギー県統計局の内部資料を参照し,①世帯毎の所有家畜総頭数・構成率,②家畜飼養・管理方法,③季節移動の現状,についての基礎的知見を明らかとした.その結果,BWPでは6割以上が貧困層世帯であり,最低限の生活水準にあることが確認された.また計画的増産や日々の放牧への人的介入は行われず,牧畜生産性の停滞など,アルタイ系カザフ牧畜社会が抱える現状と課題が明らかとなった.
    抄録全体を表示
  • 山口 哲由
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 1 号 p. 120-138
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル フリー
    2010年8月4日から6日にかけてインド北部ラダークで発生した集中豪雨は,地域全域で鉄砲水や土石流などを引き起こし,多くの人びとの命を奪い,家屋や農耕地を土砂に飲み込んだ.この未曾有の自然災害は延べ265人の死者を出したが,そのうち現地の人びとは132人を数え,加えて出稼ぎ労働者81人,軍人29人,外国人6人も犠牲になった.鉄砲水や土石流は主にインダス川上流域の北岸に位置する集落に大きな被害を与え,ラダークの中心地であるレー市街地では26人が亡くなり,フィヤンという集落では14人が亡くなった.特にレー市街地の近郊に位置するチョクラムサル地区では48人が亡くなったが,これは現地の人びとの犠牲者数の36%を占めており,他の集落と比較しても格段に大きな被害が生じたことを示していた.本稿では,チョクラムサル地区でなぜこれほど大きな被害が生じたのか,その背景を集落の立地や発展過程から分析し,山地における災害と社会変化がどのように関わりあうのかを例示する.
    抄録全体を表示
2014年春季学術大会シンポジウム
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top