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Online ISSN : 1880-8107
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9 巻 , 2 号
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解説記事
  • 村中 亮夫, 埴淵 知哉, 竹森 雅泰
    原稿種別: 解説記事
    9 巻 (2014) 2 号 p. 1-11
    公開日: 2014/09/17
    ジャーナル フリー
    近年,社会調査における個人情報の保護に対する関心が高まっている.本稿では,日本における近年の社会調査環境の変化によってもたらされた個人情報保護の課題と新たなデータ収集法について解説することを目的とする.具体的には,①社会調査データを収集・管理するにあたって考慮すべき住民基本台帳法や公職選挙法のような法制度の変化や調査倫理,①個人情報そのものを取り扱うことなく調査データを収集できるインターネット調査データや公開データの仕組みのようなデータ収集法の活用可能性に着目した.
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調査報告
  • 青井 新之介, 中澤 高志
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 2 号 p. 12-32
    公開日: 2014/09/17
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,社会・経済的地位が家族的地位への規定性を強めているとの認識の下で,方位角による展開法の適用によって同心円構造とセクター構造を分離し,東京圏の居住地域構造の変容を客観的に把握することである.社会・経済的地位の指標としてはブルーカラー従事者率を,家族的地位の指標としては世帯内単身者率を用いた.対象者は30∼34歳の男性で,単位地区は市区町村である.両指標は,外縁部に向かうほど上昇する同心円構造を強めており,ブルーカラー従事者では1980年からその傾向が現れていた.展開法を適用したところ,ブルーカラー従事者率については,セクター構造はパターンとしては安定しているが説明力を弱めていた.一方,世帯内単身者では,元来不明瞭であったセクター構造が2000年以降に検出されるようになった.都心を頂点とする同心円構造の強まりは,地代を基準とする市場原理の下で,居住地域構造が再編成されつつあることを示唆する.
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調査報告
  • 鎌倉 夏来, 松原 宏
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 2 号 p. 37-64
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,工業統計メッシュデータの地図化を通して,広域関東圏における産業集積地域の特徴と変化を明らかにし,産業集積政策の意義と課題を検討することにある.
    工場密度や従業者密度をもとに,広域関東圏におけるメッシュ分布図を作成したところ,主要な産業集積地域を摘出することができた.それらの多くは,「地域産業集積活性化法」の基盤的技術産業集積地域と重なっており, 各地域のメッシュ分布図および変化の大きな個別メッシュを分析したところ,以下の点が明らかになった.
    ①工場密度の分布から集積地域の中心が同定されるが,出荷額の伸びが大きいメッシュは,工業団地や大規模事業所の立地の影響により分散的で,集積地域の中心とは乖離する傾向を示す.②集積地域間で工場密度や従業者密度の構成比が類似する組み合わせが存在する.③成長メッシュには大規模事業所が関わっており,大手企業の立地調整を踏まえた産業集積のあり方を考えていく必要がある.
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  • 佐藤 正志
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 2 号 p. 65-88
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
    本稿では,「企業立地促進法」の基本計画策定過程の検討を通じて,地方分権下の地域産業政策形成において,政府間関係が果たす役割と課題を考察した.全国的な企業立地促進法の計画策定状況と四日市市,北上市の計画形成過程を検討した結果,都道府県が依然として主導的な役割を果たしていたことが明らかになった.一方で市町村は,過去に地域産業政策の策定に携わった経験を持つ自治体は独自に計画を策定していた反面,水平的関係を通じた政策情報の交換はみられず,他の市町村は補完的な役割にとどまり計画内容には大きな影響を及ぼしていなかった.
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  • 岩本 晃一
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 2 号 p. 89-101
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
    経済産業省は,2009~2011年度の3ヶ年にわたって,総予算額1,461億円(当初予算)の「低炭素型雇用創出産業立地推進事業補補助金」を交付した.本補助金は,経産省で約20年ぶりに復活した民間企業の生産設備に対する大型補助金である.本補助金による産業競争力や地域経済に及ぼす影響は大きいものがあった.本稿は本補助金が及ぼした効果について検討し,今後の課題を考察するものである.
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  • 森嶋 俊行
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 2 号 p. 102-117
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
    本稿では,文化庁による「近代化遺産総合調査」と経済産業省による「近代化産業遺産群」認定事業を取り上げ,独自のデータベースを構築し,産業の地域構造史との関連を踏まえつつ,近代化産業遺産の地域的特性を明らかにした,その上で,両者の政策を比較するとともに,近代化産業遺産をめぐる政策的課題を検討した.
    文化庁の調査の対象は全国を網羅する形で,産業遺産のみならず,交通,建築,土木,軍事施設など,幅広い分野にわたり,文化財として価値のある遺産を数多くリストアップしている.これに対し,経済産業省による「近代化産業遺産群」では,近代工業化に関わるストーリーをもとに,遺産群を線で結ぶように認定しており,産業観光を含め,遺産の経済的価値を重視する傾向が認められる.産業遺産の意味のある保存と活用には,文化的価値と経済的価値の両者を考慮することが重要であり,省庁間の連携を進めるような政策展開が求められる.
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  • 清水 希容子, 松原 宏
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 2 号 p. 118-134
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
    東日本大震災から3年半が経過した.本稿の目的は,大震災後の製造業の回復過程を明らかにするとともに,地域経済の復興に向けて出されてきた産業立地政策を整理することである.
    鉄鋼,石油精製,セメントなどの沿岸部の素材型工業は,津波による大きな被害を受け,復旧にも時間がかかった.これに対し,内陸部の電子や自動車などの機械工業では,一部でサプライチェーンを通じて内外に被害が波及した工場があったものの,被害は相対的に少なく,早い時点での回復がみられた.
    震災後,中小企業向けのグループ補助金,国内産業立地補助金,地域イノベーション戦略推進地域など,さまざまな産業立地政策が,経済産業省や文部科学省によりとられてきた.被害の大きかった地域への新規投資を促すとともに,広域的観点から,東北各地の回復力と地域間の連携を強化することが今後の課題といえる.
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  • 岡部 遊志
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 2 号 p. 135-158
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,フランスのクラスター政策である「競争力の極」政策について,成立の経緯,地域指定の仕方,産業分野・地理的分布等の特徴を明らかにするとともに,「国際的な極」7地域を取り上げ,いかなる企業間関係と政府間関係の下で,国際競争力の強化が目指されているのかを検討することにある.フランスでは,国際競争力の低下を克服することが重要な課題とされ,これまでの地方分散政策や中小企業支援策に代わり,大企業や大学の役割を重視した「競争力の極」政策が打ち出されてきた.この政策では71の極が,3つのカテゴリーに分けられて指定された.産業分野では,輸送機械製造業が多く,地理的分布においてもパリやリヨンなど,既存の産業集積地域が指定されるといった特徴が見られた.「国際的な極」には7地域が指定されたが,パリに多くが集中するとともに,バイオやICTなどの先端産業の強化が意図されていた.地域圏の役割は重要であるが,地域圏間の連携やパリの多国籍企業との連携など域外との関係も重視され,また中央政府からの支援も重点的に行うことによって,国際競争力の強化が目指されている.
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  • 具 良美
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 2 号 p. 159-171
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
    本論文の目的は,韓国のクラスター政策を概観し,ソウルデジタル産業団地と板橋テクノバレーを事例に,首都圏地域におけるクラスターの変化を検討することにある.韓国のクラスター政策は,2000年代初頭の盧武鉉政権の登場とともに,「産業団地イノベーションクラスター事業」を中心に全国レベルで推進された.当事業の目的は,R&Dの成果とネットワーク活動の向上により,単純な工場集積地であった既存の産業団地を,イノベーティブなクラスターに格上げすることにあった.ソウルデジタル産業団地は,かつて韓国経済の離陸に寄与した初期の工業団地であったが,1990年代後半からの産業再構築の結果,サービス業中心のイノベーションクラスターに変貌した.板橋テクノバレーは,2010年からIT主要企業・機関の集積が始動した新興クラスターである.2000年代初頭以降,既存の産業団地をクラスターに格上げする投資は継続されているが,創造性を伴ったイノベーションの時代の幕開けとともに,クラスター政策も新たな方向性が求められている.
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  • 小林 茂, 森野 友介, 角野 宏, 多田隈 健一, 小嶋 梓, 波江 彰彦
    原稿種別: 調査報告
    9 巻 (2014) 2 号 p. 172-193
    公開日: 2015/02/11
    ジャーナル フリー
    台湾北西部に位置する桃園台地に植民地期に企画・整備された桃園大圳とそれに伴うため池群による灌漑水利は,関係地区の水田の水利を著しく改善し,土地利用を大きく変革したことがよく知られてきた.ただしそのプロセスについてはよく知られておらず,都市化の進んでいない観音郷を例に,近年参照が容易になった植民地期の資料のほか各種統計資料,さらに4時点の地形図にGISによる分析を加えて検討した.
    その結果,観音郷では桃園大圳の開発が始まる前にも水田が増加していたこと,灌漑施設の整備は当初計画を現場に合わせて修正しながら実施されたこと,さらに初期のコメの生産量の増大は,水田面積の増大や作付率の向上に伴うもので,土地生産性の向上は遅れて始まることがまず判明した.第二次世界大戦期や終戦直後については不明な点が多いが,肥料の供給などにより1950年代初頭にはすでに戦前期の生産レベルを超え,輪流灌漑の導入もあって以後土地生産性は大きく向上したことが確認された.ただしコメの消費の減少に伴う生産調整が1984年に実施されると,作付率は大きく低下し,生産量も激減して,農業用水の生活用水・工業用水への転用も実施されることとなった.
    地形図から得られた情報は「空間的解像度」は高いが,「時間的解像度」は低く,統計資料と相互補完的に使用すべきものであることが判明した.
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2014年春季学術大会シンポジウム
2014年秋季学術大会公開シンポジウム
2014年度若手研究者国際会議派遣事業 発表報告書
提言
  • 荒木 一視
    原稿種別: 提言
    9 巻 (2014) 2 号 p. 239-267
    公開日: 2015/03/31
    ジャーナル フリー
    明治期以降の日本の食料供給を,穀物の海外依存に着目して検討するとともに,それに対する地理学研究を振り返った.食料の海外依存は最近始まったことではなく,明治中期以来,第二次大戦にかけても相当量を海外に依存していた.それに応じ1940年代まで,食料は地理学研究の1つの主要な対象で,農業生産だけではなく多くの食料需給についての論考が展開されていた.戦時期の議論には,問題のある展開も認められるが,食料供給に関する高い関心が存在していたことは事実である.しかし,その後の地理学においてこれらの成果が顧みられることは無く,今日に至るまで食料への関心は希薄で,研究の重心は国内の農業に収束していった.明治期以降もっとも海外への依存を高めている今日の食料需給を鑑みるに,当時の状況と地理学研究を振り返ることは,有効な含意を持つと考える.
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