学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
1 巻 , 1 号
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目次
巻頭言
原著
  • 大司 俊郎, 入江 工, 高松 督, 黒木 智恵, 原 純也, 安藤 亮一
    2019 年 1 巻 1 号 p. 4-12
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/16
    ジャーナル フリー

    【目的】胃癌術後栄養管理の変化が,術後食の完食者率と術後短期の体重変化に及ぼす影響を検討した.【対象と方法】2011年11月から2017年7月までに腹腔鏡下胃切除術を施行したStage I胃癌の連続症例122例を,術後栄養管理の違い(術後1日目から半固形経口栄養補助食品を摂取するかどうか,および術後食の違い)により前期群(n=33),中期群(n=45),後期群(n=44)に分類し,周術期経過,術後食の完食者率,1ヶ月以内の体重変化を比較検討した.【結果】前期,中期,後期と移行するにつれて,術後食の完食者の割合(33.3%,68.9%,77.3%)は増加し,体重減少率(7.1±3.9%,6.5±3.5%,5.7±2.2%)は低下した.【結論】胃癌術後栄養管理において,半固形経口栄養補助食品から全粥食と続けることで,術後食の完食者の割合が増加し,術後の体重減少を抑制することに役立っていた.

  • 中山 真美, 東口 髙志, 馬庭 章子, 金本 由紀子, 花田 梢, 杉浦 弘明, 高見 由美, 熊谷 岳文, 林 恵美, 福場 衣里子
    2019 年 1 巻 1 号 p. 13-23
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/16
    ジャーナル フリー

    【目的】在宅医療現場での,栄養サポートチーム(Nutrition Support Team : 以下,NSTと略)の介入効果の検証を目的とし,活動状況とともに報告する.【対象及び方法】2016年4月から2017年12月までの在宅NST介入患者101人を対象とした.患者は介入目的により,生活の質(Quality of Life:以下,QOLと略)改善群と栄養状態改善群に大別される.後者での栄養状態改善効果を栄養学的指標により評価した.【結果】栄養状態改善群患者の栄養学的指標(エネルギー充足率・リンパ球数・BMI・アルブミン・トランスサイレチン)はいずれの項目でも改善を認め,リンパ球数以外の項目で統計学的有意な改善を認めた.【考察】栄養状態改善を目的としたNST介入により,在宅療養患者の栄養状態改善が認められた.NSTは在宅医療の質向上に貢献すると予想される.

  • 高田 俊之, 楠 仁美, 三谷 加乃代, 長久 麻依子, 早川 みち子
    2019 年 1 巻 1 号 p. 24-32
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/16
    ジャーナル フリー

    【目的】嚥下障害のリハビリテーションにおいて液体流動食は臥床時間増大や合併症などの問題を引き起こす.これに対する粘度可変型流動食(マーメッド®)の有用性を検討した.

    【対象及び方法】経腸栄養管理の嚥下障害患者17名に対し,液体流動食と粘度可変型流動食を4週間ずつ連続的に投与して誤嚥性肺炎,下痢の発生,臥床時間,血糖変動やリハビリテーションに対する効果について両流動食で比較検討した.

    【結果】粘度可変型流動食変更後,臥床時間の短縮に伴い訓練時間は増加,誤嚥性肺炎,下痢の減少,血糖変動の正常化も得られた.これらの効果により日常生活動作レベルも有意に改善した.

    【結論】粘度可変型流動食(マーメッド®)は嚥下障害を合併した脳卒中患者において,臥床時間の短縮と合併症発症を抑制することでリハビリテーション効果を改善した.この効果は流動食の固化だけでなく含有する食物繊維,アルギン酸も影響していると考えられた.

症例報告
  • 榎田 滋穂, 熊谷 厚志, 望月 宏美, 中濵 孝志, 井田 智, 峯 真司, 比企 直樹
    2019 年 1 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/16
    ジャーナル フリー

    患者は48歳,女性.顎下腺癌ステージIVc(T3N0M1)に対し,局所コントロール目的に左顎下腺全摘術を施行した.術後1年9ヶ月,肺転移巣の増大を認めたためカルボプラチンによる化学療法を3ヶ月間施行したが,無効であったため臨床試験でペンブロリズマブを開始した.腫瘍の増大を認めなかったが,導入3ヶ月後に1型糖尿病を急性発症した.強化インスリン療法によりHbA1cは低下したが,体重減少を認めたため,外来にて管理栄養士が介入し,食事量に合わせてインスリン量を調整するカーボカウント法を導入した.導入後は食後高血糖の頻度が減少し,体重の増加を認めた.がん治療に伴う1型糖尿病患者では,病状の進行や治療に伴って食事摂取量が不安定になりやすいため,カーボカウント法が有用である.がん専門病院においても標準的な血糖管理方法の1つとして,カーボカウント法を導入する意義が示唆された.

  • 今北 智則, 大平 寛典, 山内 栄五郎, 北島 政樹, 鈴木 裕
    2019 年 1 巻 1 号 p. 38-41
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/16
    ジャーナル フリー

    胃十二指腸潰瘍穿孔の治療はガイドライン1)によると「年齢70歳以上であるとき,重篤な併存疾患があるとき,早期の手術を推奨する」と記載されているが,耐術能のない患者の場合,保存療法で治療せざるを得ない.今回,超高齢者の十二指腸潰瘍穿孔に対してPTEGを経腸栄養と胃の減圧目的に2本挿入し,保存療法のみで治療した症例を経験したので報告する.

     症例は92歳,女性.主訴は右上腹部痛.上部消化管内視鏡で十二指腸潰瘍を認め,CTで十二指腸潰瘍穿孔と診断した.Performance Status 4(以下,PSと略),Barthel Index20の超高齢であり,限局性腹膜炎のため,保存療法を選択した.まず栄養路を確保するため頚部から穿刺を行い,空腸にPTEGチューブを留置した.同じ刺入部から内瘻化チューブを減圧のために胃内へ誘導し,保存療法のみで経過観察が可能であった.耐術能が極めて乏しい十二指腸潰瘍穿孔の患者の治療においてPTEGで経腸栄養と胃の減圧を行うことは有効であった.

施設近況報告
  • 飯野 みな美, 桑村 淳子, 森 明彦
    2019 年 1 巻 1 号 p. 42-46
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/16
    ジャーナル フリー

    外来栄養食事指導の依頼に関する現状を知ることを目的とした.A総合病院の外来を担当している医師172名全員を対象にアンケート調査を行った.殆どの医師が栄養食事指導を必要とする患者に関わる機会を持っていたが,54.3%の医師が管理栄養士へ栄養食事指導を依頼していなかった.このうち92.9%の医師が管理栄養士に栄養食事指導を任せたいと考えていたが,「依頼に手間がかかる」,「依頼方法が分からない」という理由で依頼していなかった.栄養食事指導依頼が少ない理由として診療報酬の対象となる疾患の認知度が低い可能性も考え,合わせて調査をした.栄養食事指導件数が多い順に認知度も高い傾向だった.今後,管理栄養士が栄養食事指導という形で患者のQOLやADLの維持,改善に貢献していくには,他職種への情報発信と連携を欠かさず,患者に介入できるシステム作りを行う必要があることが示唆された.

  • 島本 和巳, 布施 順子, 西村 直子, 中村 文泰, 一瀬 真澄, 西山 順博, 佐々木 雅也
    2019 年 1 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/16
    ジャーナル フリー

    当院の経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy;PEG)件数は2011年以降減少傾向であった.2012年と2017年の入院患者の経鼻胃管留置(nasogastric tubing;NGT)とPEG件数の割合を比較したところ,PEGの患者数の減少により割合が逆転していた.NGTが長期間になっている患者の中にはPEGや経皮経食道胃管挿入術(percutaneous trans-esophageal gastro-tubing;PTEG)の適応を再検討すべきケースも存在していた.当院では栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)が主体となって,院内での人工的水分・栄養補給法(artificial hydration and nutrition;AHN)の指針を作成,NST回診で個々のケースについても相談に応じている.また,2016年6月からPTEGを導入して2017年12月までに23件施行したが,これに伴い,PEG件数が2016年(1月~12月)14件から2017年(1月~12月)43件と明らかに増加した.適応がある患者に対してPEGやPTEGを積極的に提案してきたこと,PTEG導入により経鼻胃管の苦痛に対する意識が深まったことが寄与した結果と考えられた.

その他(用語解説)
編集後記
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