学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
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目次
巻頭言
原著
  • 佐藤 直行, 荒川 基記, 日髙 慎二, 舩津 久美
    2021 年 3 巻 2 号 p. 59-67
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/26
    ジャーナル フリー

    【目的】抗てんかん薬および栄養法が,重症心身障害児(者)の血中カルニチン濃度に及ぼす影響について検討した.【対象と方法】外来および施設入所中の重症心身障害児(者)129名の血中カルニチン濃度を測定し,摂取する栄養の内容,バルプロ酸ナトリウム(以下,VPAと略)およびフェノバルビタール(以下,PBと略)投与との関係を投与されていれば(+)されていなければ(-)とし,8群に分け検討した.【結果】経口摂取における遊離カルニチン濃度は,VPA(-)PB(-)群48.0μmol/Lであったのに対し,VPA(+)PB(+)群29.5μmol/Lと有意に低下した.経管栄養では遊離カルニチン濃度は,VPA(-)PB(-)群でも30.5μmol/Lと有意に低下し,VPAやPB投与でさらに顕著となった.【結語】重症心身障害児(者)では,VPA,PBの投与により血中カルニチン濃度は低下し,カルニチン非添加経腸栄養剤の使用により,相乗的に血中濃度は低下し,カルニチン欠乏症のリスクが高い.

  • 臼井 正信, 栗山 直久, 早崎 碧泉, 加藤 宏之, 水野 修吾, 伊佐地 秀司
    2021 年 3 巻 2 号 p. 68-74
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/26
    ジャーナル フリー

    【目的】遠隔転移を有する胆嚢がん症例に対し化学療法を行い,栄養指標としてprognostic nutritional index(以下,PNIと略)を用いて化学療法継続期間に対する評価を行った.【対象と方法】胆嚢がん症例76例中,化学療法を施行した遠隔転移を有する11例を対象とし,PNIと化学療法継続期間および予後との関係について検討した.【結果】PNI 39未満の症例(8例)では,生存期間の中央値が5.3カ月に対し,PNI 39以上の症例(3例)は7.8カ月と有意に生存期間の延長が認められた(p=0.027).また化学療法の継続期間では,PNI 39未満の症例において3.6カ月であったのに対し,PNI 39以上の症例では13.0カ月と化学療法を継続することができた(p=0.036).【結論】遠隔転移を有する進行胆嚢がん患者の初診時におけるPNIが高値であることは,化学療法の長期継続を可能とし,結果として予後の延長につながる可能性が示唆された.

  • 小原 幸也, 中村 崇宣, 中沼 華澄, 宮田 剛
    2021 年 3 巻 2 号 p. 75-84
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/26
    ジャーナル フリー

    【目的】周術期の疼痛管理法の違いが,運動能と栄養の身体的回復指標に及ぼす効果について検討した.【対象および方法】当院において大腸がんに対し腹腔鏡補助下結腸・直腸切除術を施行し,術後に硬膜外自己調節鎮痛法,もしくは経静脈的自己調節鎮痛法と頓用で鎮痛薬を投与した頓用群(n=25)と定時投与した定時群(n=23)の2群に分け,患者の入院時,退院時,初回外来受診時における6分間歩行距離,握力,controlling nutritional statusを比較した.【結果】頓用群と比べて定時群の退院時と初回外来時の6分間歩行距離の実計測値と変化率,初回外来時の握力の変化率は有意に改善し(p<0.05),術後在院日数についても定時群において短縮する傾向がみられた.【結論】単施設における後方視的研究の結果ではあるが,鎮痛薬の定時投与により術後疼痛が軽減され,リハビリの効果が増強することが示唆された.

  • 大谷 将秀, 長谷川 公治, 岩田 浩義, 合地 美香子, 谷 誓良, 庄中 達也, 角 泰雄
    2021 年 3 巻 2 号 p. 85-92
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/26
    ジャーナル フリー

    【目的】旭川医科大学病院(以下,当院と略)では,胃がん術後に細径経鼻栄養チューブを用いて術直後からの経腸栄養付加を採用してきたが,経口摂取のみの管理と比較した報告はなかった.そこで本研究において早期経腸栄養付加の術後栄養における有用性を検討することとした.【対象と方法】2007年1月から2018年7月までに当院で胃がんに対し切除術を施行した503例のうち,術後早期経腸栄養付加336例をEN群,経口摂取のみ167例をON群とし,傾向スコアマッチングで背景因子を調整した.両群において術後2日目から飲水,3日目から食事を開始し,EN群は術直後から4日間成分栄養剤エレンタール®投与を付加した.【結果】EN群で術後7日目の体重減少率は有意に少なく(p<0.001),術後7日目のトランスサイレチン値が有意に高値であった(p<0.001).【結論】胃がん術後の早期経腸栄養付加は,術後早期における体重減少の抑制と,栄養維持に有用であることが示唆された.

  • 石川 侑, 黄金崎 愛美, 島田 真由美, 山久 智加, 山田 裕之, 野田 啓美, 結城 貴子, 木下 美佐子, 星川 竜彦
    2021 年 3 巻 2 号 p. 93-100
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/26
    ジャーナル フリー

    【目的】胃がん症例における胃切除術後1年経過時のcontrolling nutritional status(以下,CONUTと略)値に関連する因子を後方探索的に検討した.【方法】2015年5月から2018年5月の期間で,NSTが介入した症例のうち,胃がん根治目的にて胃切除術を施行し,手術1年後に再発がなく,術前および術後1年経過時におけるCONUT値が入手可能な50症例を対象とし,術後1年経過時のCONUT値に影響を与える因子をそれぞれ後方探索的に検討した.【結果】退院時のエネルギー経口摂取量が,1年後のCONUT値に影響を与える独立の因子であることが示唆された.【考察】胃がん症例の周術期における栄養管理は,中長期的な栄養状態に影響を及ぼす可能性がある.

  • 佐藤 拓, 桑原 博, 坂口 恵里子, 上野 美樹, 五関 謹秀
    2021 年 3 巻 2 号 p. 101-109
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/26
    ジャーナル フリー

    【目的】慢性腎臓病維持透析症例に対する大腸がん手術の周術期管理において,早期経口栄養摂取の報告は少ない.当院では,2006年より透析症例の予定大腸がん手術においても通常症例と同様の早期経口栄養摂取を行うこととしており,その妥当性と安全性を検証することを目的とした.【対象および方法】2007年1月から2019年12月にかけて,当院で吻合を伴う予定大腸がん手術を受けた慢性腎臓病維持透析症例23例について,術後の短期手術成績を同時期の非透析症例676例と比較検討した.【結果】透析症例の経口栄養摂取開始の中央値は術後1日目,退院可能日の中央値は術後8日目であった.透析症例においてClavien-Dindo分類grade III以上の合併症は,シャント閉塞の2例(9%)であり,縫合不全は認めなかった.【結論】慢性腎臓病維持透析症例の予定大腸がん手術において,早期経口栄養摂取は安全に運用可能と考えられた.

施設近況報告
  • 岩本 昌子, 東別府 直紀, 西岡 弘晶
    2021 年 3 巻 2 号 p. 110-113
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/26
    ジャーナル フリー

    【目的】令和2年度に新設された早期栄養介入管理加算について,当院の特定集中治療室(intensive care unit;以下,ICUと略)における算定状況を明らかにするため,後方視的に調査を行った.【方法】令和2年4月1日から7月7日の間に当院ICUに入室した患者71名を,加算を算定できた47名を算定群,できなかった24名を非算定群の2群に分け,入室理由,入室曜日等を比較した.また入室時の主観的包括的評価(subjective global assessment;以下,SGAと略)による栄養評価群毎の算定率も調査した.【結果】緊急入室の割合は算定群31.9%,非算定群70.8%だった(p<0.05).非算定群の入室曜日は金曜日が9名で最も多かった.またSGAでA(良好)の患者の算定率は76%,B(中等度の栄養不良)50%,C(高度の栄養不良)0%だった.【結論】当院ICUでは,緊急入室する患者や金曜日に入室する患者は早期栄養介入管理加算が非算定となることが多かった.また栄養状態の悪い患者は算定率が低い傾向にあった.

用語解説
編集後記
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