電気泳動
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59 巻 , 1 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
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原著
  • 井野 洋子, 木之下 節夫, 平野 久, 戸田 年総
    59 巻 (2015) 1 号 p. 1-7
    公開日: 2015/05/22
    ジャーナル 認証あり
    本研究では,1枚のゲル上でリン酸化タンパク質と全タンパク質を検出し分けるためにあらかじめ蛍光標識したサンプルを泳動し,Pro-Q Diamond染色後にそれぞれの波長で検出する手法の開発を目指した.また,共通の内部標準を用いることで,異なるゲル間でのリン酸化タンパク質比較定量解析の高精度化を目指した.内部標準は,スポット位置・蛍光強度補正用のものとリン酸化タンパク質スポット蛍光強度補正用のものの2種類を用いた.本手法を用いてアンドロゲン依存性前立腺癌細胞と非依存性前立腺癌細胞のリン酸化タンパク質の定量比較解析と主成分分析を行った.その結果,アンドロゲンへの依存性が異なる細胞グループを区別する第一主成分を得ることができた.この結果がショットガン解析で有意差のあるペプチドのみを対象とした主成分分析の結果と一致したことから,リン酸化タンパク質比較定量解析において本手法が有効であることが示された.
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短報
  • 谷 勇樹, ジュネイド パラヤン, 高井 庸子, 川井 章, 鵜沼 豊, 木下 英樹, 近藤 格
    59 巻 (2015) 1 号 p. 9-12
    公開日: 2015/06/12
    ジャーナル 認証あり
    二次元電気泳動法は医学生物学研究の分野で世界的に最も頻繁に用いられている手法の一つである.近年,全自動二次元電気泳動装置であるAuto2Dが開発された.Auto2Dでは二次元電気泳動法のすべての工程(サンプル添加,イモビラインpH勾配ゲルによる等電点電気泳動,平衡化,SDS-PAGEによる分子量分離)が自動的に行われる.Auto2Dがどのような実験に使えるかを検討するために,異なる等電点幅(3–10,4–7,4–5.5,5–6.5,6–10)のイモビラインpH勾配ゲルを用いた実験を行った.その結果,ゲル間で重複するスポットを含む,合計4437スポットを観察した.スポット濃度について実験間の再現性をスキャッター・プロットで調べたところ,相関係数は0.642から0.978の間で分布しており,良好な再現性であった.これらの観察結果から,異なる等電点幅をもつイモビラインpH勾配ゲルを組み合わせて用いるAuto2Dは,タンパク質の網羅的発現解析に適していると考えられる.
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奨励賞(服部賞)
  • 藤井 一恭
    59 巻 (2015) 1 号 p. 13-16
    公開日: 2015/12/09
    ジャーナル フリー
    HDAC阻害剤は血液系悪性腫瘍の新たな治療薬として開発されたが,その効果は患者間で異なり,感受性の違いに関するメカニズムに関しては不明な点が多く残されている.我々はHDAC阻害剤の抗腫瘍効果に関わる分子メカニズムの探索を行うために33株のリンパ球系悪性腫瘍の細胞株のプロテオームのデータベースを蛍光標識二次元電気泳動法を用いて作成し,HDAC阻害剤の1種であるバルプロ酸の感受性のデータと比較を行った.その結果389タンパク質スポットのうち10タンパク質スポットで感受性株群と耐性株群との間で発現の差を認めた.その中から耐性株群で発現が亢進している分子としてHSP70ファミリー分子であるHeat shock protein 1A(HSPA1A)を同定し,HSP70阻害剤であるKNK437にHDAC阻害剤によるアポトーシス誘導効果の増強作用があることを確認した.
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優秀ポスター賞
  • 御園生 圭太, 中山 亜紀, 飯島 史朗
    59 巻 (2015) 1 号 p. 17-19
    公開日: 2015/12/09
    ジャーナル フリー
    Tamm-Horsfall protein(THP)は遠位尿細管上皮細胞より産生され,健常人尿中に最も多く排泄しているタンパク質である.健常人尿を非還元状態で電気泳動し,抗THP抗体を用いたウエスタンブロットを行ったところ,THPモノマーの質量である100 kDにバンドが検出されるだけでなく,147,165,225,270 kDにもバンドが検出された.また,高質量域より100 kDにかけてブロードにTHPが検出された.これらの特徴的なバンドはTHPがSS結合を介して他のタンパクと重合しているのではないかと考え,対角線電気泳動法と質量分析法を組み合わせて解析を行った.その結果,非還元状態の電気泳動で165 kDに検出されたバンドからは,THPモノマーと免疫グロブリンのγ鎖,κ鎖が検出され,270 kDに検出されたバンドからは,THPモノマーと免疫グロブリンのγ鎖,κ鎖,およびα鎖が検出された.高質量域より100 kDにかけてブロードに検出されたバンドはTHPが重合して構成されていた.以上の結果から,THPは尿中に排泄される際,SS結合を介してIgGやIgAのタンパク質と結合していることを明らかにした.
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  • 野呂 未来, 大石 正道
    59 巻 (2015) 1 号 p. 21-24
    公開日: 2015/12/09
    ジャーナル フリー
    ラクトフェリン(LF)は細菌,菌類,原生動物およびウイルスに対する防御活性をもつ多機能タンパク質である.しかしながら,LFは熱に不安定であるため,加熱殺菌の過程で牛乳から失われやすい.そこで,LFが加熱によってどのような複合体を形成するかを解析するため,我々は,高分子量タンパク質複合体解析用にSDS-アガロース-ポリアクリルアミド(SDS-AG-PAGE)ハイブリッドゲルを開発した.我々は高分子量タンパク質解析のために,ゲル中のアガロース濃度(0–2%)とアクリルアミド濃度(0–5%)をさまざまに変化させて電気泳動を行い,最適条件を調べた.その結果,1%アガロース,4%ポリアクリルアミド,それに5 M尿素を添加した条件が,最適であることがわかった.また,このハイブリッドゲルは低濃度のアクリルアミドゲルよりも丈夫なので,取り扱いが楽になった.我々はこのゲルを用いて,加熱によって生じたLFの凝集体およびLF-カゼイン複合体を,SDS-AG-PAGEとウェスタンブロットを用いて解析することに成功した.以上のことから,SDS-AG-PAGE法は,さまざまな種類の高分子量タンパク質やそれらの複合体の解析に有効な手段であると考えられた.
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シンポジウムⅡ:電気泳動による臨床検査~電気泳動で明らかにされる新症例
  • 松下 誠, 下垣 里河, 村本 良三, 菰田 二一
    59 巻 (2015) 1 号 p. 25-28
    公開日: 2015/12/09
    ジャーナル 認証あり
    私たちは,近年,トリトンX-100を含むポリアクリルアミドゲル電気泳動法を考案し,血清小腸型ALPには高分子小腸型ALP(HIAP)とノーマル分子サイズ小腸型ALP(NIAP)の2種のアイソフォームが存在することを報告した.HIAP,及びNIAPは両者ともにBまたはO型で分泌型の血液型に依存して出現することから,これらの血液型の人のALP活性は,それ以外の血液型の人のそれに比べ,約20%高値となることも報告した.さらに,健常者で血清小腸型ALP活性が50 U/l以上となるケースを健常者高小腸型ALP血症,また,これに伴ってALP活性が350 U/l以上となるケースを血液型依存性高ALP血症と定義づけし,その出現頻度と血液型との関連性を調べた.その結果,両者はBまたはO型で分泌型の人のみに認められ,これらの血液型の人の中で,健常者高小腸型ALP血症は26.6%,血液型依存性高ALP血症は5.7%の出現頻度であった.このような血液型依存性高ALP血症は,現在利用されているアガロースゲル電気泳動法で容易に確認することが可能である.
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  • 井本 真由美, 山田 俊幸
    59 巻 (2015) 1 号 p. 29-34
    公開日: 2015/12/09
    ジャーナル 認証あり
    今回LBA-EATA法を原理とするミュータスワコーi30(和光純薬)によるAFP測定時に偽低値を示すHCC患者症例に遭遇した.約1年間における15%以上の偽低値の出現頻度は11,000検体中44検体で全検体数の0.4%,2,000 ng/mL以下では,770検体中5.7%であった.10%以上の偽低値を示した患者18症例は全例HCCと診断され,18例中15症例が末期であった.薬物療法を受けていたのは12症例であり,ネクサバールが9例,無治療は6例であった.偽低値検体の解析では,希釈することで偽低値が改善し,また,PEG処理やプロテインA処理で免疫グロブリンを除去することでも偽低値が改善した.さらに化学処理では10%TritonX-100処理,4 M尿素処理および1 M酢酸処理で偽低値が改善した.種々の検討結果から免疫グロブリン(特にIgG)が関係していることが示唆され,HCC末期状態により,患者IgGの構造に何らかの変化をきたし,IgG-アルブミン-血漿タンパクがアグリゲーションし複合体を形成,複合体がDNA標識抗体-抗原(AFP)-蛍光標識抗体の結合を阻止あるいは非特異的に免疫複合体に吸着し,等速電気泳動での濃縮を阻害することにより偽低値が発現されることが示唆された.今回にように全身状態憎悪の患者検体では種々の測定系に非特異反応を起こす可能性が示唆され,そのことを念頭におき臨床検査業務に携わる必要がある.
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  • 菅野 光俊, 上原 剛, 石嶺 南生, 宇佐美 陽子, 川崎 健治, 濱野 英明, 本田 孝行
    59 巻 (2015) 1 号 p. 35-38
    公開日: 2015/12/09
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    血清蛋白電気泳動検査は,血清蛋白の質的異常を示すM蛋白の検出や,各分画の量的変化を捉えることにより病態変化を知る事が出来るため臨床上有用な検査である.我々はこの検査により,通常のβ-γ bridgingとは異なり,ファーストγ位の上昇パターンを示す特異なβ-γ bridging様を示す複数の患者が存在することを見出し,IgG4増加パターンとして報告を行っていた.この報告をきっかけに,自己免疫性膵炎,IgG4関連疾患などの発見につながった.その後2006年には,高IgG4血症(≧135 mg/dL)が自己免疫性膵炎の臨床診断基準として採用され,血清IgG4測定が保険収載された.さらにIgG4関連疾患の典型的なケースを紹介し,診断基準について述べた.
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  • 新関 紀康, 黒瀬 瞳, 伊藤 敦巳, 高橋 順也, 斉藤 史頼, 小野寺 直美, 橘 峰司, 友田 豊, 藤井 聡, 森山 隆則
    59 巻 (2015) 1 号 p. 39-44
    公開日: 2015/12/09
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    M蛋白成分は生化学的検査や免疫学的検査に影響を与えることがある.本症例は,原発性マクログロブリン血症患者のIgMがLAP活性測定試薬へ影響していたこと,また影響していた物質がについて,電気泳動法を利用して確認した.この異常反応は患者血清を2-ME処理することで影響を回避でき,LAP活性を測定することが可能となった.
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  • 佐藤 裕久, 工藤 真理子
    59 巻 (2015) 1 号 p. 45-49
    公開日: 2015/12/09
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    M蛋白検出のスクリーニングは,血清蛋白分画電気泳動(以下,蛋白分画)が有用であり,蛋白分画でしか検出できない事例も多い.日常検査においては,グロブリン量(TP-Alb)と免疫グロブリン定量値(IgA+IgG+IgM)との乖離がきっかけで,異常蛋白が検出されることがある.その乖離の原因の多くはM蛋白と試薬の反応異常によるものと考えられる.今回グロブリン量の乖離を発端にスクリーニングとして蛋白分画を実施し,見出されたM蛋白症例を報告する.事例1:TP-Alb<免疫グロブリン総和から見つかったγH鎖病 事例2:TP-Alb>免疫グロブリン総和から見つかったBJP 事例3:総ビリルビン値と血清色調の乖離から見つかったIgG-κ型M蛋白
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  • 中山 亜紀, 坂爪 実, 芝 紀代子, 飯島 史朗
    59 巻 (2015) 1 号 p. 51-53
    公開日: 2015/12/09
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    腎疾患の確定診断として腎生検が用いられているが,非侵襲的に腎組織障害を予測できる検査法が期待されている.我々はこれまでに,セルロースアセテート(セア)膜電気泳動法を用い各種腎疾患患者の尿タンパクを分析すると,糸球体型,尿細管型,混合型の3パターンに分類され,また,このパターン分類が腎生検結果とよく相関することを報告した.腎疾患患者の尿タンパク分画では,3つの分類以外にも,特徴的な分画を認めることがしばしばある.本研究では,IgA腎症患者で認められた未知の尿タンパク分画からタンパク質を抽出し,質量分析法によって同定した.セア膜電気泳動法を用いた尿タンパク分画法により説明できる組織変化を増やすことで,病態判別の補助データとしての有用性が高まる.
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