マイクロチップ電気泳動は,糖鎖分析の高速化を達成できる最有力候補であり,高スループット分析と全自動分析を同時に達成可能な分析法である.さらに,全ての分析プロセスを全自動化することで分離の正確性と再現性を向上させ,膨大なデータを取得,蓄積することで解析結果のデータベース化も容易になる.本報告では,核酸分析用の全自動型マイクロチップ電気泳動装置MultiNAを糖鎖分析へと応用するため,8-aminopyrene-1,3,6-trisulfonate(APTS)で蛍光標識した糖鎖を用いて各種分析性能を評価するとともに,その実行可能性を検証した.また,レクチンとの親和性プロファイルから糖鎖構造を推定する方法についても紹介する.
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