第74回日本電気泳動学会学術大会の特別企画『私と電気泳動』で発表した『電気泳動法学会と私』の内容を少し改変して紹介したい.そもそも日本電気泳動学会と縁ができたのは,1997年に北海道大学癌研から異動した先の山口大学生化学の歴代の主任教授陣;中村正二郎先生,竹尾和典先生,そして中村和行先生が日本電気泳動学会において非常に重要な役割を担っておられたからである.それ故,山口大学在任中の20年間は日本電気泳動学会と非常に濃い20年間であった.電気泳動技術はほとんど全ての生物系の研究者にとって必要不可欠な技術であることは明々白々である.ここでは二次元電気泳動による研究のうち,下記の5分野を紹介したい.
(1)C型肝炎関連肝癌のプロテオーム解析と患者血清中に増加する自己抗体
(2)Gemcitabine耐性膵癌細胞の抵抗性とHSP27
(3)癌の悪性化進展とfascin 1,GLO1,HSP90,cofilin-2
(4)cofilin-1,cofilin-phosphatase slingshot-1L,glyoxalase 1と膵癌
(5)悪性胸膜中皮腫とphosphoprotein enriched in astrocytes,15 kDa
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