電気泳動
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最新号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
第62回日本電気泳動学会学会賞(児玉賞)受賞者論文
論文種目:総合論文
  • 島崎 洋次
    2024 年 68 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    非変性条件の電気泳動法では,酵素活性や抗原抗体反応などのタンパク質機能を保った状態で分離できる.また,等電点と分子サイズの組み合わせた非変性2次元電気泳動法(2DE)は,生体タンパク質を高分離能で分離できるため,多くの種類のタンパク質やその複合体の機能解析に適している.本稿では,非変性2DEによって得られたタンパク質機能の分析に関する知見について,以下の例を示して説明する.①酵素活性情報を付加した非変性2DEマップの構築とその応用,②非変性2DEにより分離・固定化された抗体による標的タンパク質の単離と機能解析,③非変性電気泳動法によるタンパク質複合体の分離・溶出とその複合体の機能解析 ④姿を変えるタンパク質を分離分析するための非変性電気泳動技術.また,タンパク質間相互作用などの機能解析における非変性電気泳動技術の必要性や可能性についても説明する.

第24回日本電気泳動学会奨励賞(服部賞)受賞者論文
論文種目:総合論文
  • 竹田 真由
    2024 年 68 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    遺伝子関連検査は,病原体核酸検査,ヒト体細胞遺伝子検査,生殖細胞系列遺伝子検査(遺伝学的検査)に3分類される.近年では,新型コロナウイルス感染症におけるPCR検査をはじめとした核酸増幅検査の正確性が重要であると再認識された.一方で,がんの分野においては包括的遺伝子解析が先行して保険収載されており,今後は遺伝学的検査の分野においても保険診療が予定されている.本稿では,藤田医科大学にて実施している院内がんゲノム検査について,DNAの品質を中心とした結果について報告する.また,本院において検査を実施するにあたり,分析前プロセス,分析プロセス,分析後プロセス)で生じた課題について考察していく.最終的には,診療で実施可能なプロトコル構築を目指す.

第74回日本電気泳動学会総会特別企画「私と電気泳動」
論文種目:総説
  • 梶原 英之
    2024 年 68 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    これまで電気泳動の手法を使って農業に関係するさまざまな試料を分析してきた.ずっと研究を続けられたのは,日本電気泳動学会を築いてこられた先生方の貴重な助言があったからだと思われる.私の最初の本学会における発表は,カルシウム結合タンパク質をキャピラリー電気泳動で分析する手法を開発したというものであった.それ以降,二次電気泳動を用いてイネ,カイコ,あるいはその他のタンパク質を分離し,初期はプロテインシーケンサ,後は質量分析機を用いて解析してきた.最近は,MALDI-biotyping法を使って農業に関連した試料,例えば,植物病原菌,絹,微小害虫,動物性繊維,そしてウイルスなどを分析するに至った.

論文種目:総合論文
  • 藏滿 保宏
    2024 年 68 巻 1 号 p. 17-20
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    第74回日本電気泳動学会学術大会の特別企画『私と電気泳動』で発表した『電気泳動法学会と私』の内容を少し改変して紹介したい.そもそも日本電気泳動学会と縁ができたのは,1997年に北海道大学癌研から異動した先の山口大学生化学の歴代の主任教授陣;中村正二郎先生,竹尾和典先生,そして中村和行先生が日本電気泳動学会において非常に重要な役割を担っておられたからである.それ故,山口大学在任中の20年間は日本電気泳動学会と非常に濃い20年間であった.電気泳動技術はほとんど全ての生物系の研究者にとって必要不可欠な技術であることは明々白々である.ここでは二次元電気泳動による研究のうち,下記の5分野を紹介したい.

    (1)C型肝炎関連肝癌のプロテオーム解析と患者血清中に増加する自己抗体

    (2)Gemcitabine耐性膵癌細胞の抵抗性とHSP27

    (3)癌の悪性化進展とfascin 1,GLO1,HSP90,cofilin-2

    (4)cofilin-1,cofilin-phosphatase slingshot-1L,glyoxalase 1と膵癌

    (5)悪性胸膜中皮腫とphosphoprotein enriched in astrocytes,15 kDa

  • 武川 睦寛
    2024 年 68 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    電気泳動技術は蛋白質,核酸,代謝物,翻訳後修飾など,様々な生体機能分子の解析に必須であり,生命・医科学研究の現場で広く活用されている.我々はこれまで,細胞の運命決定に重要なMAPKカスケードを中心としたシグナル伝達ネットワークの研究を推進し,細胞増殖,免疫応答,炎症などの基本的な生命機能の制御機構を明らかにするとともに,その破綻が癌や慢性炎症性疾患を始めとする難治性疾患の病因・病態に深く関与することを示してきた.この様なシグナル伝達システムの時空間的な制御に,リン酸化を始めとする蛋白質分子の翻訳後修飾が重要であることは言を俟たないが,その詳細かつ定量的な解析には電気泳動関連技術が極めて有用であり,現在においてもなお,電気泳動を応用した新たな技術基盤が創出され続けている.本稿では,電気泳動技術を活用した生体内情報伝達および疾患研究の例として,我々の研究室で得られた最近のデータを紹介する.

  • 井本 真由美, 上硲 俊法
    2024 年 68 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    血清蛋白分画電気泳動や免疫電気泳動法は,半世紀もの間,臨床検査において血漿タンパク異常症の診断補助と治療効果判定,M蛋白の型同定に欠かせない検査法として活躍してきた.われわれは,ある症例解析をきっかけに,近畿大学医学部生化学教室において,蛋白精製方法,SDS-PAGEとイムノブロット技術を学び,これらの技術を異常免疫グロブリンの解析に応用してきた.本論文は,患者尿の免疫電気泳動法において抗μ鎖抗体と反応する沈降線を検出したことが発見の糸口となり,その当時まだ報告されていなかった半分子型7S IgMであることを証明した詳細についてまとめてみた.本症例は,分子欠損があるだけでなく,N末端アミノ酸シークエンスの解析から,低分子異常μ鎖のN末端から20個のアミノ酸配列が,患者IgM-κ型M蛋白のκ鎖や半分子型7S IgMを形成していたκ鎖のN末端のアミノ酸配列と同一であることが確認された極めて稀な症例であった.このことにより,低分子異常μ鎖をさらに酵素切断し,その断片からμ鎖である証明をしなくてはならなくなった.蛋白量が少なかったために電気泳動を繰り返し実施し,何度もあきらめかけたが最終的にμ鎖であることを証明した.

  • 飯島 史朗
    2024 年 68 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    電気泳動法は,優れた分離能力により生体高分子の分析や疾病の病態に関連する生体試料の分析に広く応用されている.日本電気泳動学会での35年にわたる筆者の活動のスタートは,病院の臨床検査室での血清タンパク質の分画であり,その後,検査室で一般的に用いられるセルロースアセテート膜を用いた等電点電気泳動法を開発した.研究の場を大学に移してからは,電気泳動技術による新たな疾患マーカーの同定に取り組んだ.特に細胞接着に関与する糖鎖が,がんの浸潤や転移の重要な因子であることから,多発性骨髄腫細胞に由来する糖タンパク質の糖鎖の変化がバイオマーカーになり得ることを明らかにした.このほか炎症マーカーの候補として急性期反応タンパク質糖鎖を解析した.本稿では,電気泳動法の臨床応用を目指した研究の一部を紹介するとともに,本学会の電気泳動法講習会など,臨床現場への電気泳動技術を普及させることへの筆者の貢献についても述べる.

  • 亀山 昭彦
    2024 年 68 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    グライコプロテオミクスの方法論開発に躓いたことを契機として,ムチンを分離分析するための方法である分子マトリックス電気泳動法(SMME)を開発した.本稿ではSMMEを応用した最近の研究成果として新しいO-型糖鎖遊離法である脱離オキシム化法およびSMMEで分離したムチンのレクチン染色による糖鎖解析について解説する.脱離オキシム化はヒドロキシルアミン存在下で塩基触媒によりムチンから糖鎖を遊離する方法で,遊離した糖鎖は直ちにオキシムへと変換される.オキシムは通常の糖鎖と同様に蛍光標識可能であり,蛍光検出器を用いた微量分析が可能となる.また,SMMEにより分離したムチンはレクチンで染色することができる.この方法により,粘表皮癌が分泌するMUC1にNeuAc α2–3Gal構造を含むコア2型糖鎖が多く存在することを明らかにした.SMMEを用いたムチン解析法は成熟してきており今後は医学系研究への応用が期待される.

第74回日本電気泳動学会総会シンポジウム:タンパク質の機能を見る新技術
論文種目:総合論文
  • 佐藤 伸一
    2024 年 68 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    本総合論文では,筆者らが取り組んできた高反応化学種を用いた抗体修飾法について取り上げる.従来汎用されている求電子性のタンパク質修飾剤を用いた,リジン残基,システイン残基修飾とは異なるメカニズムを有するタンパク質修飾反応を開発した.高反応性の活性酸素種である一重項酸素(1O2)を利用し,ヒスチジン残基(His)を修飾する反応を開発した.1O2の発生源となる光触媒と抗体のFc領域を近接させる反応場を磁気ビーズ上に構築することで,Fc領域のHisを選択的に機能化した.また,高反応性のラジカル種を活用して,チロシン残基(Tyr)を修飾する反応を開発した.タンパク質表面に露出したTyrはラジカル種の発生源となる酵素の活性中心に近接できるため,選択的に修飾される.IgG抗体構造上のTyrの特性を利用し,CDRを選択的に機能化する手法を開発した.papain消化と電気泳動による解析によって,両手法による標識部位の選択性を評価した.また,CDR機能化抗体を蛍光免疫センサー分子の作成技術に応用した.

第74回日本電気泳動学会総会シンポジウム:糖鎖の「基礎・創薬・規制科学」
論文種目:総合論文
  • 辻 祥太郎
    2024 年 68 巻 1 号 p. 49-52
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    悪性中皮腫(中皮腫)は,アスベストの吸入により発症してくる難治がんで,病理診断も困難であり,アスベスト健康被害の代表的な疾患として大きな社会問題となっている.我々は中皮腫の病理診断精度を向上させる感度と特異度が極めて高い中皮腫マーカー抗体SKM9-2の開発に成功した.SKM9-2の抗原は未知のムチン様膜蛋白質HEG1で,HEG1上の中皮腫に特徴的な2本のシアル化糖鎖とHEG1のペプチド配列を同時に認識する極めてユニークな糖ペプチド認識抗体であった.SKM9-2を用いたT細胞誘引性の二重特異性抗体を作製し細胞傷害活性を解析したところ強力な抗中皮腫作用が観察され,SKM9-2が中皮腫の抗体治療薬シーズとして極めて有望であると考えられた.現在,まずはRI標識抗体薬としての開発を進め,早期の臨床試験の実施を目指している.今後,実用化に向けて開発を加速していきたいと考えている.

第74回日本電気泳動学会総会シンポジウム:がんとプロテオゲノミクス
論文種目:総説
  • 長谷川 嵩矩
    2024 年 68 巻 1 号 p. 53-57
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    腫瘍細胞では,腫瘍特異的抗原または腫瘍関連抗原(TSA)を発現することがある.これらのペプチドの一部は主要組織適合性分子(MHC)と複合体を形成し,T細胞に認識され,患者の抗腫瘍免疫反応を引き起こし得るため,ネオ抗原と呼ばれる.ネオ抗原は,個別化免疫療法の新たな標的となり,患者の生存や予後,免疫チェックポイント阻害薬反応性を予測するための指標として用いることが出来ると期待されている.ネオ抗原の予測においては,MHC型の決定,変異ペプチドの抽出,抗原処理,mRNA/タンパク質発現計測,ペプチド-MHCの親和性予測,TCR-ペプチド/MHC結合性予測など多くのタスクが必要となり,難解な問題である.特にTCRやMHCは多様性を持ち,学習データに含まれないMHC型やTCRに対する予測の精度はいまだ十分ではない.近年発達する深層学習などの手法により,高い汎用性を持つ手法の開発が期待されている.

第74回日本電気泳動学会総会シンポジウム:質量分析計による細菌同定の現状
論文種目:総説
  • 藤永 あずみ, 道家 康平, 馬渕 亮史
    2024 年 68 巻 1 号 p. 59-62
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    新しい微生物同定法としてマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI-TOF MS)を用いた手法が有用であることがわかり,MALDIバイオタイパーシステム(Bruker Japan K.K.)は2009年に欧州でIVD-CEマークを取得したことを皮切りに,世界で6000台以上のシステムが稼働している.従来法と比較すると,MALDI-TOF MSでの同定は,前処理を含めてランニングコストが安価かつ同定結果が迅速に得られる.本手法は微生物検査において革新的な技術であり,新たなスタンダードになったと言える.その一方で薬剤耐性検出への応用に対する期待も大きい.薬剤耐性菌に特徴的なピークの自動検出や,薬剤の加水分解により生じる質量変化でβ-ラクタマーゼ活性を検出するアッセイ,脂質マーカーを用いたコリスチン耐性の検出など,その成果は論文でも続々と報告されている.本稿では,MALDI-TOF MSでの微生物同定の現状から応用例および最新技術を紹介する.

第74回日本電気泳動学会総会シンポジウム:臨床検査の医療への貢献
論文種目:技術
  • 石嶺 南生, 山本 朱莉, 菅野 光俊
    2024 年 68 巻 1 号 p. 63-67
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    臨床検査において,分析能力の向上により多項目の検査結果を迅速に提供することが可能になるとともに,検査過誤を防止するための仕組みが確立されてきた.一方で,臨床検査部門のスタッフが大量のデータを的確に読み解くには様々なハードルがあり,追加検査提案をはじめとする診療サポートの取り組みは注目されているが普及が進んでいない現状である.当院では分析装置での反応過程チェックと診断支援システムを組み合わせた運用を構築した.今回はそれらのシステムの概要,設定条件を提示し,実際に検出した具体的な症例と電気泳動法を利用した精査結果を紹介する.

第74回日本電気泳動学会総会:一般演題優秀賞
論文種目:総合論文
  • 小野 拓也, 野口 玲, 大﨑 珠理亜, 秋山 太郎, 安達 雄輝, 岩田 秀平, 吉松 有紀, 近藤 格
    2024 年 68 巻 1 号 p. 69-72
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    隆起性皮膚線維肉腫(dermatofibrosarcoma protuberans, DFSP)は,線維芽細胞由来の中間悪性腫瘍であり,COL1A1-PDGFB転座が特徴である.DFSPの治療は切除が一般的であり,切除不能や再発転移性の患者にはPDGFR阻害剤のイマチニブが投与される.イマチニブを投与した患者のうちの10%は抵抗性を示す.したがって,そのような治療抵抗性のDFSP患者に奏効する薬剤が必要である.患者由来細胞株は治療法開発の重要なツールであるが,公的細胞株バンクから入手可能なDFSP細胞株は2株のみであり不足している.そこで我々は21例のDFSP患者から細胞株樹立を試み,5株の樹立に成功した(成功率24%).樹立した5細胞株すべてで,short tandem repeat検査およびマイコプラズマ検査を行い,細胞株やマイコプラズマとのコンタミネーションがないことを確認した.これら5細胞株を用いた薬剤スクリーニング試験により,DFSP症例においてイマチニブ抵抗性であったとしても,ボルテゾミブが有望な治療薬となる可能性が示唆された.

  • 梶原 英之, 村上 理都子, 久保田 健嗣, 渡邉 聡子
    2024 年 68 巻 1 号 p. 73-77
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置を用い,ギ酸加熱処理によって断片化させたウイルスのコートタンパク質を調べることで迅速に種を同定する方法を開発した.本稿ではそれに至った経緯をまとめた.MALDI biotyping法はヒト感染症菌の診断に利用されているが,迅速・低コストであるので農学分野に応用した.感染部位から得た抽出液を使って植物病原菌を直接検出することができ,ハダニ等の微小害虫の同定にも応用することができた.カイコ微胞子虫についての検討中に,不溶性の絹タンパク質がギ酸によって断片化することを見出した.これは絹だけでなく,不溶性の羽毛,獣毛,角,皮革でも起き,これを用いて種の判別が可能だった.そのままではイオン化困難なウイルスコートタンパク質に適用したところ,断片化し,ペプチドは容易にイオン化した.各ウイルスは種に特有な質量スペクトルを示し判別できた.

論文種目:一般論文
  • 大石 正道, 桐山 諒太, 根岸 茉由, 津田 輝幸, 吉永 隼也
    2024 年 68 巻 1 号 p. 79-83
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/11/28
    ジャーナル フリー

    低濃度SDS抽出と低速遠心を用いて,大豆の加熱変性および金属イオン添加に伴うアグリゲート形成を調べた.0.1% SDS抽出液が,加熱大豆におけるアグリゲーション形成を解析する最適濃度であることがわかった.次に0.1% SDS抽出液に二価金属イオンを添加し,アグリゲート形成について調べた.大豆に多く含まれるCa2+とMg2+をグループA,微量しか含まれないMn2+,Fe2+,Cu2+をグループBとした.グループAに属するMgSO4では0.5–1.0 mM添加しても徐々に減少するだけだったが,グループBに属するMnCl2では0.5 mMを越えるとバンドが急激に薄くなった.さらに,MnCl2を0.5 mM以上添加しても,分子量21 kDaの未同定タンパク質はタンパク量が減少しなかった.本研究により,金属イオンによるアグリゲーション形成はタンパク質の種類によって異なることが明らかになった.

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