日本内分泌学会雑誌
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44 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 岡田 弘二, 石原 貞尚, 阿原 道正, 西村 徹, 宮越 洋二
    1968 年 44 巻 1 号 p. 11-14,1
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    ウサギ腸管内に3H-progesteroneを注入し, 腸間膜静脈血中に出現する放射性steroidの分析を行なつた.数μgの注入ではprogesteroneはほとんど他のものにまで代謝されるが, 数mgの注入ではそのまま回収される量が増加する.しかしウサギによつてはこの場合でも回収されたsteroidのほとんどが代謝を受けている場合もあるので, steroidを経口投与した場合の腸管内での代謝はその生物学的活性と関連して重要な問題である.
    前回1)われわれはウサギ腸管に投与されたprogesteroneが腸粘膜で代謝され, 20-hydroxy-4-pregnene-3-oneとなり腸間膜静脈血中に証明されることを報告したが, その投与量が数μgの少量であつたため, 経口投与の場合progesteroneが不活性となることの原因として腸管内でのprogesteroneの代謝がどれほどの意義を持つているかについては検討することができなかつた.
    今回は, 皮下投与によつては明らかに生物学的活性を示すにかかわらず経口投与では活性を示さない量の3H-progesteroneを腸管内に注入し, 腸間膜静脈血を採取してその中のradioactive srteoidの分析を行ない, 興味ある知見をえたのでその成績を報告する.
  • 岡田 弘二, 林 均, 山本 浩, 角 玄信, 石原 政芳
    1968 年 44 巻 1 号 p. 15-18,2
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    tritiumをlabelした6-dehydro-retroprogesteroneをウサギに投与し, 尿中, 胆汁中の代謝物を検索した.その結果, その両方からΔ4, 6-9β, 10α-pregnadiene-20α-ol-3-oneを分離, 同定することができた.さらに極性の強い物質にもごく一部が変化したが, この物質もΔ4, 6-3-one構造をもつているものであると考えられる.
    前回われわれはウサギ肝との培養実験で6-dehydroretroprogesterone (Δ6RP) がその20-ketone基の還元を受けること1), またヒトに投与した場合尿中代謝物の大部分が20-hydroxyl体であることを報告した.今回はウサギに本剤を投与し, その尿中および胆汁中のsteroid分析を行ない, 両者から20-hydroxyl体を分離することができたのでその成績を報告する.
  • 黒田 弘
    1968 年 44 巻 1 号 p. 19-31,4
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    糖・脂質代謝に及ぼすHormoneの影響をEnergy代謝を介して探求しようとし, この目的でPancreatectomy, Hypophysectomy, Adrenalectomy及び各々Insulin, ACTH, GlucocorticoidをreplaceしたRatliverについて, Glucose-6-phosphate dehydrogenase, NADP-isocitrate dehydrogenase, NADH-Cytochrome C reductase, NADPH-Cytochrome C reductase, Pyridine nucleotide transhydrogenase, Glutathione reductase and Acetyl CoA carboxylase activities, 及びMitochondriaのADP/0を測定した.その結果以下の結論を得た.
    1) InsulinはTCA cycleの代謝活性を高めATP産生を促進すると考える.
    2) 生理的濃度のGlucocorticoidはその作用の一つとして少なくともInsulinの存在下で, 酸化的リン酸化能を正常に保ちPhosphate potentialを介して解糖系代謝をコントロールするものと思われる.
    3) Glucocorticoidの生理作用の一つにInsulinの存在下で肝の脂酸de novo synthesisを促進する作用があると考える.
    4) Insulin, Glucocorticiodの糖・脂質代謝に及ぼす影響は, これらHormoneのMitochondriaenergy代謝に対する作用により修飾せられている可能性について考案した.
  • 青沼 繁, 江川 宏, 荒木 健伍, 八木 才子
    1968 年 44 巻 1 号 p. 32-38,6
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    網膜色素変性症患者尿中MSHと正常者尿中MSHの2, 3の無機物質への影響を比較した.まず正常者尿中MSHはラット肝のミトコンドリアのswelling作用をひきおこすが患者尿中MSHはこの作用がなく, ミトコンドリアのCa++ uptakeを正常者のものは強く抑制したが, 患者尿中MSHはこの作用が弱かつた.また正常者尿中MSHは家兎血清Ca値を低下させ, 血清Fe値を極めて強く減少せしめるのに患者のものにはほとんどこの効力がなかつた.これらの結果をもとに変性症の成因に関して生理化学的解明を行なつた.
  • 青沼 繁, 江川 宏, 渡部 昭一, 安原 幸子
    1968 年 44 巻 1 号 p. 39-43,7
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    tyrosineの主要な代謝経路におけるウシMSH, 正常者尿中MSH及び網膜色素変性症患者尿中MSHの影響を比較検討した.tyrosine overall oxidation及びDOPA decarboxylationの系についてはWarburg検圧法で調べたところウシMSH, 正常者尿中MSH共代謝を抑制したが患者尿中にはこの作用がなかつた.tyrosine→diiodotyrosineの系は131Iのtracer実験で検討したがウシMSHと正常者尿中MSHはdiiodotyrosineの生成を促進したが患者のものにはこの効力がなく明らかに差が認められた.
  • 津田 宗孝
    1968 年 44 巻 1 号 p. 44-66,8
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    Brown-神戸川法を組織に応用し, 絨毛組織内free estrogen値の逐月変動並びにそのincubationによるestrogenの相互転換及びその産生について実験した.組織内estrogen値は妊娠経過の推移に従つて増加し, 特にestriolの著増が認められた.incubation実験ではestrone, estradiol-17βの相互転換が認められた.Δ4androstene-3, 17-dione, dehydroepiandrosterone, testosteroneよりestrone, estradiol-178への転換が認められ, 又これにHCGを添加する事によりその転換率が高値となる傾向が認められた.
  • 第一報糖代謝異常の本態について
    勝又 一夫, 山田 弘三
    1968 年 44 巻 1 号 p. 67-76,10
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    目的 : 食事の歪み, 特に脂肪の過剰が生体に与える影響を特に糖代謝の面から白鼠を用いて実験的に検討した.
    方法 : 雄性白鼠, 90匹を高脂食, 正常食, 高蛋白食の3群に分け, 100~400日間飼育し, 体重, 耐糖能, 末梢, 肝に於ける糖代謝の動態を検討した.
    成績 : 高脂肪食の飼育により高度の糖代謝異常の発生を認めたが, それには糖新生の亢進, 解糖の阻害, 末梢糖利用の低下が関与することを明らかにした.
    結論 : 上述の糖代謝異常は亢進せる脂肪分解に対する一種の適応現象として理解出来るが, 更に膵に多少の病変或いは素因を有する場合には高脂肪食の継続は糖尿病発症の要因となり得るものと信ずる.
  • 1968 年 44 巻 1 号 p. 77-109
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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