電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
Online ISSN : 1882-0875
ISSN-L : 1882-0875
3 巻, 4 号
選択された号の論文の22件中1~22を表示しています
表紙
ごあいさつ
特別寄稿
技術の原点
  • ―シャノンに先駆けた中嶋章の研究を中心に―
    山田 昭彦
    2010 年 3 巻 4 号 p. 4_9-4_17
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2010/11/01
    ジャーナル フリー
    中嶋章は1930年代に独自にブール代数に相当する理論を構築し,スイッチング理論の研究を行ってリレー回路設計に適用した.1935年にド・モルガンの法則を含むリレー回路構成理論を発表し,1936年には榛澤正男と共著で“+”と“×”の記号を用いてスイッチング回路を論理式で表し,この変換及び簡単化を含むスイッチング理論を発表した.Claude E. Shannon が同様の論文を発表したのは1938年である.中嶋の生誕100年にあたる2008年にフィンランドのTampere University of Technology より中嶋の全英文論文を収録した覆刻本が出版された.
解説論文
幹事団提案
  • 酒井 英昭
    2010 年 3 巻 4 号 p. 4_18-4_24
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2010/11/01
    ジャーナル フリー
    本稿ではフィードバック系の適応フィルタの解析に関する筆者のこれまでの研究をまとめて述べる.最初に,フィードバック形能動騒音制御系におけるFiltered-X LMS アルゴリズムを周波数領域での手法を用いて解析した結果を述べる.次に,補聴器を取り上げ,入力が自己回帰(AR) 過程や複数の正弦波と白色雑音の和の場合について,回込み経路を同定するための二つの適応フィルタを用いたアルゴリズムを説明し,所望の停留点での線形化により,この適応フィルタシステムが安定であることを述べる.また,関連する話題として,無線中継における同一周波数での送受信について触れる.
R研究会提案
  • Michael G. PECHT
    2010 年 3 巻 4 号 p. 4_25-4_32
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2010/11/01
    ジャーナル フリー
    本稿はPHM(プログノスティクス及びシステムの健康管理)のねらいとその方法論,及び展望について解説したものである.著者はprognostics(故障予測技術)には大別して2種類の(model-based及びdata-driven)アプローチがあることとそれぞれが弱点を持つことを説明した上で,両者を融合させた,fusion prognosis approachを展開する.またその事例として,電子回路のプリント基板に対して熱負荷を周期的にかけることで徐々にそれが劣化することを踏まえ,基盤本体の故障より前に,抵抗値をモニターすることによりそれが検知可能であること,更に本体の故障までの寿命予測の数値例を示す.最後に本稿のまとめとして今後の研究の展開について述べる.
EA研究会提案
  • 安藤 彰男
    2010 年 3 巻 4 号 p. 4_33-4_46
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2010/11/01
    ジャーナル フリー
     臨場感の高い音響を実現するため,様々な音場再生技術が研究開発されている.これらは,心理音響モデルに基づく方式と,物理音響モデルに基づく方式に大別できる.前者としては,5.1サラウンドから22.2マルチチャネル音響に至る様々な方式が提案されている.いずれも,2チャネルステレオの音像制御方式を基本としており,チャネル数を増やすことで,音場再生能力を向上させている.一方,後者は,音の物理量再現を目的とした方式であり,Wave Field Synthesisや境界音場制御法など,音の場の再現を目指す方式と,アンビソニックスに代表される,受音点での音の物理量を再現する方式に分けることができる.本稿では,これらの方式の基本技術を概観するとともに,その背景となる理論を紹介する.
US研究会提案
  • −海綿骨中の縦波超音波伝搬挙動の解明−
    松川 真美, 水野 勝紀, 長谷 芳樹, 細川 篤
    2010 年 3 巻 4 号 p. 4_47-4_52
    発行日: 2010/04/01
    公開日: 2010/11/01
    ジャーナル フリー
    日本は世界で最も超音波による骨粗鬆症診断が盛んな国である.骨粗鬆症診断に関して,米国国立衛生研究所(National Institute of Health:NIH)は2000年のコンセンサス会議で「骨質(Bone Quality)」を定義した.この骨質とは骨のマクロ・ミクロな構造や,材料物性,マイクロクラックなどの骨の強度に関与する様々な要因の総称である.超音波法による骨診断は骨中を伝搬する音波の伝搬速度や伝搬減衰の情報を引き出してくれる.これらの情報は骨質,特に骨の弾性的性質にも依存している.このような視点のもとで,本稿では骨粗鬆症の初期症状が現れやすい海綿骨部位を取り上げる.特に,縦波超音波の興味深い伝搬現象とその骨構造(異方性)との関係について述べ,この現象を利用した新しい超音波骨評価法について紹介する.
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