電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
Online ISSN : 1882-0875
ISSN-L : 1882-0875
4 巻, 3 号
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表紙
表紙
目次
ごあいさつ
技術の原点
  • 平澤 茂一, 笠原 正雄
    2011 年 4 巻 3 号 p. 183-191
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/01/01
    ジャーナル フリー
    誤り訂正符号の代数的復号法の一つであるユークリッド復号法について解説する.ユークリッド復号法はBCH符号やRS 符号の強力な復号法として知られ,数多くの適用例がある.まず,1950 年代に始まった誤り訂正符号の構成法の研究と,1960 年代から1970 年代にかけての復号法の研究の歴史をたどり,ユークリッド復号法の位置付けを行う.次に,ユークリッド復号法の概要を紹介する.最後に,この復号法発見に至る筆者らの当時の環境や様子を,研究者の立場から経験談に私見を交えながら述べる.
解説論文
US研究会提案
  • 橋本 研也
    2011 年 4 巻 3 号 p. 192-197
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/01/01
    ジャーナル フリー
    携帯電話に代表される移動体通信機器には,表面弾性波やバルク波等の弾性波共振子を利用した高周波フィルタ,デュプレクサが多用されている.ほとんどの機能が半導体集積回路で,しかもディジタル技術で実現されている現在,残されたアナログ素子にもより一層の性能向上とともに新機能の付加が要請されている.本稿では,通信機器でこれらの素子がなぜ利用されるのか,特徴は何か,そして,更にはそれらの素子の限界がどこにあり,それに対してどのような解決法が提案されているのかを明らかにする.
NLP研究会提案
  • -ΣΔ 変調型スパイキングニューロンによる脳型計算機の構築に向けて-
    田中 衞, 青森 久
    2011 年 4 巻 3 号 p. 198-214
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/01/01
    ジャーナル フリー
    記憶部からバスを介して命令を逐次に読み出し高機能な中央処理部でそれを実行するノイマン形プロセッサは, 2 進コードによる情報処理をいわば万能的に可能にしてきたが, 二次元積層技術では限界が見え始めてきた. そこで, 近年, 集積回路の実装技術において垂直方向に情報を伝送させることにより, 記憶と処理間の転送を並列かつ直接的に行う三次元積層技術が注目されてきた. また, アナログ空間の情報をディジタル空間の情報に変換し処理する過程において, センサ処理, 量子化処理, 符号化処理などの並列化A-D 変換技術, 更に, 近傍情報のみを知るセルの集合で準最適な情報を発見するアドホック的ネットワーク内での効率的情報探索などを行う最適化伝送技術も重要視されてきた. 三次元構造である実際の脳内では, 興奮性と抑制性の単一細胞(セル) は2 値パルス列を生成し, 複数のセルが近傍結合された, いわば, セルラニューラルネットワーク(CNN) を伝搬するパルス情報を使って並列かつ高度なダイナミクスによる情報処理を既に行っている. CNNの定義は, セルの局所結合性とセルの状態変数の実数性のみであって, いわば, 複数のA-D 変換セルが局所的に結合された非線形RC 回路である. 本稿では, セルの状態をパルス列にΣΔ 変調するローカルなダイナミクスとそのダイナミクスから生成された非線形出力の近傍結合によるグローバルなダイナミクス情報処理, 特に, 静的構造によるセンサ画像処理, 動的構造によるCNN 学習処理について分かりやすく解説する.
IMQ研究会提案
  • 吉田 育弘, 山田 祐一郎
    2011 年 4 巻 3 号 p. 215-223
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/01/01
    ジャーナル フリー
    イメージメディアを支える重要不可欠な基盤技術である液晶ディスプレイ技術に関し,最近のブレークスルーと考えられる三つの技術と,それを応用した3D表示について概説する.まず,最近のブレークスルーとして,光配向技術を取り上げる.光配向技術は,従来の液晶ディスプレイで必須とされていたリブ・スリットという構造物を除去することを可能にした,新しいパネル製造技術である.この技術により,高コントラスト,高透過率,高速応答が実現できる.またLEDバックライト技術は低消費電力や広色域化に有効である.更に,多原色表示技術は,適切な設計を行うことで物体色のほとんどが再現可能で,視野角,消費電力,解像度なども同時に改善可能である.また,3D表示技術は,光配向技術によって実現される高速応答やLEDバックライト,多原色表示技術などに支えられ,高画質2D表示と相まって,液晶ディスプレイの価値を一層高めつつある.本稿では以上について概説し,近年の液晶ディスプレイ技術の発展について鳥瞰する.
VLD研究会提案
  • 湊 真一
    2011 年 4 巻 3 号 p. 224-230
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/01/01
    ジャーナル フリー
    二分決定グラフ(BDD: Binary Decision Diagram)は,論理関数を効率良く表現するデータ構造の一種である.BDD に関する処理技法は主にVLSI 設計技術の分野で1990 年代に発展したものであるが,近年ではデータマイニングや知識発見の分野でも効果的に活用されるようになってきている.中でも,ゼロサプレス型BDD(ZDD: Zero-suppressed BDD)と呼ばれるBDD の変化形は,データベース解析の多くの問題で見られるような「疎な組合せの集合」を扱う場合に特に効果的である.本稿では,離散構造を処理するための基本的な技術として,BDD,ZDD をはじめとする種々の決定グラフの演算処理系を解説し,それらの効果的な応用について述べる.最後に,我々が現在進めている「離散構造処理系プロジェクト」の概要を紹介する.
SITE研究会提案
  • -技術と社会と安全と-
    佐々木 良一
    2011 年 4 巻 3 号 p. 231-241
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/01/01
    ジャーナル フリー
    社会のITシステムへの依存度の増大に伴い,ITシステム関連の安全の問題を故意の不正だけを対象とするのではなくシステムの故障やヒューマンエラーも同時に扱い,従来の「情報セキュリティ」の概念だけで扱うのではなくプライバシーやリライアビリティ更にはユーザビリティなどの問題も併せて扱うべき時代になっていると考えられる.このため,筆者らはこのような問題を「ITリスク」の問題として広くとらえ,安全の問題に不可欠な不確実性を考慮し確率論的な扱いを行うこととするとともに,一つのリスク対策が別のリスクを引き起こすという「リスク対リスク」あるいは「多重リスク」の問題を正面から扱うこととし,そのための学問を「ITリスク学」と名付け研究を行ってきた.この間,この「ITリスク学」の発展のために,基本的な考え方を佐々木良一「ITリスクの考え方」(岩波新書,2008)としてまとめるとともに,日本セキュリティ・マネジメント学会の中に「ITリスク学研究会」を2008年5月に設立し,活動を続けてきた.本稿では,なぜ,「ITリスク」という概念や,「ITリスク学」という学問が必要であると考えたかについて述べた後,技術と社会と安全の関係を考慮しつつITリスク学の現状を報告するとともに,今後の展開について記述する.
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