信号処理工学は「生のデータから価値のある情報を引き出すための知や芸や技を創造・体系化するための総合科学」として成長し続け, 音声・音響・画像処理工学や情報通信工学などの基盤として重要な役割を担っている. 筆者は信号処理工学の進化が最適化や逆問題の深化と不可分であることを確信し, これらの隣接領域のアイデアを融合し, 応用価値の高い相乗効果を生むことを目標にしてきた. 本稿では, 信号処理工学とその周辺分野の魅力を広く読者に伝えることを目的とし, 筆者自身が関わった幾つかの研究事例を問題の背景や着想に至った経緯とともに易しく紹介している.
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