Experimental Animals
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28 巻, 1 号
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  • 福田 俊, 松岡 理
    1979 年 28 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Wistarラットの0~134週令の雌雄について四肢骨の成長とくに骨端核の全成熟過程を観察し, 11段階の評価基準に従って評価を行なった。観察方法はX線撮影によった。本実験の結果とおよびヒト, マウスの四肢骨の成長過程との比較検討から, 次のような結果を得た。
    1.骨の長さおよび骨端核は動物の成長の指標として, 従来用いられている体重よりも信頼度が高い。2.骨端核の発育において個体差および雌雄差はほとんど認められなかった。3.それぞれの骨端核は, その成熟過程および融合のし方から, 次の3つのタイプのいずれかに分類された。まず完全融合するものと不完全融合するものに大別され, 前者はさらに相対的な比較から急速に骨化するタイプと骨化の時期が遅いタイプに分けられた。後者は成熟過程の途中で発育が終了すると思われるタイプである。このタイプはマウスにおいても観察されたことから, けっ歯類のいくつかの骨端に特異的にみられるものと思われた。4.マウス, ラットおよびヒトの間で, 骨端核の成熟過程からそれぞれの動物の骨年令が適用できる年令範囲を検討比較した。本実験からラットの適用範囲の終点は, 生後17~21週令であると思われた。このことから, ラットの生後1週令から17~21週令, マウスの生後3日令から17週令およびヒトの出生後から18~24才令のそれぞれが対応できる範囲であると思われた。
  • 北 徳, 小林 英文, 猪 貴義, 仲田 包著
    1979 年 28 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    チャイニーズハムスターの発情周期にともなう腟垢像変化を詳しく検討する目的で, 4日周期を示すチャイニーズハムスターの腟垢を5日間にわたり, 3時間間隔で採取観察し次の結果を得た。なお, 日長条件は, 人工照明により, 14時間点燈, 10時間消燈 (6: 00~20: 00点燈) に調節した。
    腟垢が発情前期像を示す日を, 発情周期の第1日とすると, 第1日の0時前後に発情休止期像から発情前期像への移行が開始され, 第1日の午後には, 有核上皮細胞が増加し, 18時から21時にかけてほぼ有核上皮細胞によってのみ占められる細胞像が見られるようになる。次いで, 第2日の0時には, 角化細胞のみの像へと変化し, 角化期は9~12時間持続した。第2日の9時から12時にかけて発情後期特有の小型で原形質がヘマトキシリンに比較的よく染まる楕円形の有核細胞が出現し, 一時的に有核細胞のみ見られる像を経た後に, 白血球が混在するようになる。第2日の18時から第3日の0時にかけて白血球が増加し, 有核細胞は原形質の明るい大型の変性有核細胞へと変化し始める。第3日においては, 変性有核細胞と白血球を主体とする中に粘液が認められるようになる。そして, 第4日に向って, 変性有核細胞が減少し, 第4日においては, 白血球と粘液を主体とする中に変性有核細胞の点在する細胞像が観察された。次いで, 第4日の21時にはすでに発情前期像への移行のきざしが認められた。
    これらの細胞像変化は, おおむね, 発情前期 (I) , 発情期 (II) , 発情後期I (III) , 発情後期II (IV) , 発情休止期I (V-1) , 発情休止期II (V-2) の6期に区分することができた。また, 第1日の夕刻から翌朝まで, 複数の雄と同居させた場合, 83.8%の高い交尾率が得られたことから, 交尾は, 発情期 (II) の腟垢像のとき (第1日の18: 00~24: 00) に行われるものと考えられる。
    終りに臨み, チャイニーズハムスターを恵与戴いた, 国立遺伝学研究所, 吉田俊秀博士, 本研究の機会を与えられた川崎医科大学中央研究部, 柴田進部長に深謝する。
  • 伊藤 正博, 曲渕 輝夫, 西原 正, 輿水 馨
    1979 年 28 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Mice either excreting or not excreting Pseudomonas aeruginosa in feces were maintained in stainless steel mesh cages on an automated rearing apparatus with automatic water-supply nozzles and intermittently flushing metal racks. No evidence of transmission of the organisms from positive mice to negative ones was obtained during at least eight weeks.
  • 沢崎 徹, 森 裕司, 加納 康彦
    1979 年 28 巻 1 号 p. 23-38
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    1.シバヤギに関する形態学的資料を整備する目的で, できる限り自然に近い状態に保定した雄を用い, 断面解剖学的に検討を加えた。
    2.胸部, 腹部, 骨盤腔部の各臓器, および筋の解剖学的位置関係を明らかにした。
    3.これらの成績の詳細は, Fig.2~Fig.14に示した。
  • 宿田 幸男
    1979 年 28 巻 1 号 p. 39-47
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    日本白色種ウサギから子宮切断術でえられたウサギを, 4種類の人工乳を用いて無菌状態で人工哺乳した。人工乳の組成はTable1のようである。2種類の人工乳に加えたウサギ乳は, 出産7日~25日後の母ウサギから仔ウサギを夜間離しておき, 翌朝人の手で搾乳した後に仔ウサギを同居させることを繰り返えして集められた。人工乳の投与量は, Y (1日の総哺乳量ml) =2.3X+a (1≦X≦14) , Y=32.2+a (15≦X≦25) , Y= (32.2+a) -3.75 (X-25) (26≦X≦34) , (Xは仔ウサギの日令, aは0日令の授乳量) により, 1日2回にわけ34日令まで強制投与された。また, 滅菌市販固型飼料を14日令から自由に摂食させた。
    これら無菌ウサギ155匹中130匹が36~40日令まで育成されたので, あらかじめ微生物を定着させることなく, アイソレータからSPF施設に移し育成した。これらウサギの離乳率は給与された人工乳組成によって異なることはなかったが, 体重曲線は無菌・SPF時期を通して, ウサギ母乳を40%混合した人工乳給与群がもっともすぐれていた。ただし, 繁殖性, 体重曲線とも第2世代以後のウサギは人工乳の組成による親ウサギのちがいの影響はあらわれていない。
    このような手段によって1973年に確立されたSPFウサギ繁殖集団は現在に至るもPast.p neumotropica, Bord. bronchiseptica, Coccidium (E. perforans, E. magma, E. stidae) , Encephalitozoon cuniculi, Choriptes cuniculi, Psorptes communisなどの汚染を受けることなく維持されている。
    なお, 本報告の要旨は日本実験動物研究会第8回研究発表会 (1973年10月, 静岡市) において報告した。
  • 宿田 幸男
    1979 年 28 巻 1 号 p. 49-55
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    妊娠ハートレー系モルモットから子宮切断術によって得た仔獣は, 飼育温度を31℃に調整したアイソレータ内では, 牛乳, 卵黄, 固型飼料 (船橋農場製) , ビタミン液を自力で摂取し成長した。育成実験は4回行ない, 30/33匹が40日令まで無菌状態で成育できた。40日令に温度24℃, 湿度50%に調整したバリア施設へ移し市販固型飼料とビタミン液 (牛乳は60日令まで投与) を用いて育成しつづけた。その結果, 28匹 (♂10, ♀18) のモルモットが成熟令に達し, すべてのメスが妊娠した。この子孫が, 現在SPFモルモット繁殖集団: 光コロニーを形成している。これらのモルモットは溶血レンサ球菌, 気管支敗血症菌, サルモネラ, Tyzzer菌, マイコプラズマ, センダイウイルス, Reo 3ウイルス, コクシジウム, ダニ類が陰性である。
    本報告の一部は日本実験動物研究会第9回研究発表会 (1974年11月京都市) において報告した。
  • 下方 薫, 西山 幸廣, 伊藤 康彦, 木村 吉延, 高野 道子, 永田 育也, 國井 鏡
    1979 年 28 巻 1 号 p. 57-60
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    無菌マウスにおけるウイス汚染の状態を主として1血清学的に検討した。1976年9月~10月及び1977年8月~9月に入手し得た1繁殖施設からの4週令及び10週令の無菌マウス血清について, 赤血球凝集抑制抗体価は16倍以上, 補体結合抗体価は4倍以上を陽性とすると, センダイウイルス, 脳脊髄炎ウイルス (Theiler's GD VII) , エクトロメリアウイルス, レオウイルス, マウス肝炎ウイルスに対する抗体陽性例は認められなかった。
  • 三枝 順三, 上田 雄幹, 藤原 公策
    1979 年 28 巻 1 号 p. 61-64
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    シクロホスファミドを前処置しPropionibacterium acnesのホルマリン死菌を接種したマウスにおいて緑膿菌の致死的感染がみられた。多くの症例はシクロホスファミド投与後5日以内に死亡した。緑膿菌は検索したほとんどの臓器から純培養の状態で分離されたが, 特に肝・脾で多く, 組織学的にもこれらの臓器で本菌の集塊が認められた。
  • 石原 智明
    1979 年 28 巻 1 号 p. 65-67
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    構造が単純で洗滌容易なモルモット用プラスチックケージとその棚を試作した。この方式では, 給水給餌をケージの外でおこなう。著者の施設では使用されはじめて1年余になるが, 長期飼育や繁殖に良い成績がえられ, また作業能率の向上に役立っている。
  • 福田 俊, 松岡 理
    1979 年 28 巻 1 号 p. 69-73
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ビーグル犬の生下時の体重, 胎盤重量, 臍帯長, 羊水の性状および成分の測定を繁殖学的な基礎資料を得る目的で16産から得た85例について行なった。
    1.生下時の体重は平均258.0±44.6g (85例) , 胎盤重量は平均48.5±8.5g (85例) , 臍帯長は平均11.0±2.7cm (52例) であった。これらの各測定項目および羊水の性状, 成分における雌雄の差は認められなかった。
    2.胎盤重量ならびに臍帯長と生下時の体重, また胎盤重量と臍帯長との間にそれぞれ有意な相関性が認められた (P<0.01) 。
    3.各測定項目について新生仔の早期死亡との関係を検討したが, 具体的に原因を示すものは認められなかった。結論として子宮内の発育期間中に, 胎仔と胎盤ならびに臍帯がバランスよく発達した時生存しやすいことが考えられた。
  • 阿久沢 正夫, 松沼 尚史, 鈴木 善雄
    1979 年 28 巻 1 号 p. 75-77
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Hysterectomy derived neonatal cats were given three times a day commercial milk diet, Teo milk (SANKYO Co. Ltd.), and showed a good growth comparable to conventional breast-fed cats with high weaning rate (85%) at 5 weeks of age.
  • 小原 徹, 松山 賢忠, 藤田 省吾, 山内 忠平
    1979 年 28 巻 1 号 p. 79-83
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    全熱交換器を設置した空調系統のダクト内および施設内各部における空中細菌検査を12ケ月間に亘って測定するとともに, この施設で飼育したマウス・ラットの繁殖成績を観察し, また, 実験終了時にダクト内および飼育室のアンモニアガス濃度を測定した。その結果, エコノベント前後における外気と給気ダクト内の菌数は排気ダクト内よりやや少ない傾向を示し, HEPAフィルター通過後の給気ダクトからは, ほとんど菌が検出されなかった。BS施設内での落下法による菌数は, 月によって変動したが, 大多数は20個以下であった。アンモニアガスは, 外気ダクトではまったく検出されなかったが, ラットおよびマウス飼育室では高く, ついで排気, 給気, EV通過後の排気ダクトの順に低くなり, 排気のアンモニアの86%は給気へ移行した。実験期間中, マウス・ラットには, 感染病の発生も認められず, 安定した繁殖成績が得られた。
    この研究の一部は文部省科学研究費, 昭和51年度, 第11150号で実施し, 日本実験動物研究会, 第12回研究発表会において発表した。
  • ―調査成績から―
    沢崎 坦, 本好 茂一, 上田 雄幹
    1979 年 28 巻 1 号 p. 85-93
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 教育委員会ICLAドキュメント訳出小委員会
    1979 年 28 巻 1 号 p. 95-119
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    実験動物テクニシャン教育, 研修のためのガイドラインの勧告は, ICLA理事会によって指名されたワーキンググループにより作成された。この勧告の中にジュニアおよびシニアテクニシャンの任務が記載されている。これを基に教育, 研修の一般目的および指定目標が定められてある。指定目標はジュニアおよびシニアテクニシャンが実験動物施設内でそれぞれの任務を十分果すことができるように, 段階に応じて修得すべき種々な知識と技術の項目を包含している。プログラム作成時の実際的な問題や, 勧告された研修の実行時の実際的な問題点について考察した。このガイドラインは実験動物テクニシャンの教育, 研修が国内で, また国際間でも根本的には同様な基準を持つようにするために, 研修課程のカリキュラムの発展に対する基礎となるべきである。ICLAはこのガイドラインを常に新しく保つため, また国際間での相互承認に関する問題を解決することに貢献するにはもっとも都合のよい立場にある。
  • 1979 年 28 巻 1 号 p. 121-142
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 28 巻 1 号 p. 143-253
    発行日: 1979/01/31
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
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