キュウシュウノウサギ (以下
Lepus) , アマミノクロウサギ (以下
Pentalagus) および家兎JW-NIBSの前肢骨・後肢骨を骨計測学的に検索した。
1) 肩甲骨, 寛骨以外の四肢の各骨の長さは, 第一中手骨, 膝蓋骨, 前・後肢の末節骨を除いて,
Lepusが最も大きく, ついでJW-NIBSで,
Pentalagusが極端に小さい。
2) 肩甲骨, 寛骨以外の四肢の各骨の幅は, 全般的に
Pentalagusがやや人きい傾向を示し,
LepusとJW-NIBSの間には顕著な差異は認められない。.
3) 四肢の各骨の関節面の面積は, 骨の長さとの比率でみると,
Pentalagusが広い。
4)
Pentalagusの末節骨の長さおよび中節骨との関節面の幅は, 最も大きく, 強大で, また, 内側の指または趾列が外側よりも大きい。 JW-NIBSの末節骨は幅狭く, 弱小である。
5)
LepusおよびJW-NIBSの寛骨の幅は, 雌が雄よりも明らかに大きいが,
Pentalagusではこの差異は明確ではない。
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