Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
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30 巻, 4 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 鈴木 繁生, 松岡 章夫, 二木 力夫, 高垣 善男
    1981 年 30 巻 4 号 p. 407-420
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ddY系マウス雌雄各120匹を2年以上群飼育し, その間に自然発生した腫瘍を病理組織学的に検索した結果, 雄で47.5%, 雌で66.7%の頻度で何らかの腫瘍が見出された。なお, 実験途中での死亡例を考えた有効総数法で換算すると, 雄で64.4%, 雌で80.0%の頻度であった。肺腫瘍, リンパ腫および乳腺腫 (雌のみ) が他の臓器に比較して多発したが, 各臓器に各種の腫瘍が観察され, AKRでの白血病 (雌雄で66-70%) あるいはC3Hの乳癌 (雌で95%) で代表されるような腫瘍発生の片寄りはみられなかった。病理組織学的には, 肺腫瘍では乳頭状腺腫, 乳腺腫瘍では単純性腺腫, リンパ腫ではリンパ肉腫未分化型が大半を占めていた。
  • 内田 和美, 松沢 仁子, 草野 信男, 務台 方彦
    1981 年 30 巻 4 号 p. 421-433
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Slc: SD雌ラット153例について下垂体の自然発生病変を, 13から24ヵ月令まで観察した。肉眼的所見: 腫脹, ウッ血, 嚢腫および灰白色結節が認められた。腫脹は加令にともなって発生率が減少し, ウッ血と合併してみられることが多かった。軽度から中等度のウッ血は, 加令による変化が認められなかったが, 重度のウッ血 (血腫) は, 加令とともに増加する傾向が認められた。嚢腫と灰白色結節は極めて低率であった。顕微鏡的所見: 前葉において, 色素嫌性細胞のび慢性増殖, 結節性過形成と腫瘍および嚢腫の形成が認められた。び慢性増殖の発生率は, 加令にともなって減少したが, 結節性過形成は21カ月令以上のラットに高率であった。これら2つの病変は腫瘍への一連の変化であると考えられた。腫瘍の発生率は加令にともなって増加した。中間葉の過形成は2例 (1.3%) のラットに認められたにすぎなかった。肉眼的に正常な下垂体のうち6%に顕微鏡下で腫瘍がみられ, 血腫には全て腫瘍が認められた。下垂体腫瘍を認めた全てのラットは, 肉眼的観察で乳腺の増生がみられ, その多くは乳汁分泌をともなっていた。これらの結果は, 自然発生下垂体腫瘍が乳腺に内分泌的影響を及ぼしたということを示唆した。
  • 座間味 高子, 平間 とも子, 海上 智, 服部 康弘, 平田 真理子, 野村 岳之, 谷本 義文, 谷岡 功邦
    1981 年 30 巻 4 号 p. 435-443
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    健常とおもわれる3~20カ月齢のゲッチンゲンミニブタ (ミニブタG) について血液生化学的な検討をおこない, 各成分についてサル, イヌおよびラットの正常値と比較した結果, 以下のような特徴が認められた。1.血清 (漿) 酵素は全般的に他の動物種よりも高値を示し, かつ正常範囲が大きかった。2.血清脂質のうち総コレステロールおよびリン脂質はサルやイヌよりも著しく低値を示し, ラットに近似した値であった。3.血清尿素窒素は他の動物種よりも低値を示した。4.血清クレアチニンおよびKは比較的高値であり, その正常範囲は広かった。5.加齢に伴ってA1-Pは低下傾向を, また血清総タンパク質とクレアチニンは増加傾向を示した。6.LAPはメスよりもオスの方が高値を示し, また総コレステロールおよびリン脂質はオスよりもメスの方が高値を示した。7.血清タンパク質およびリポタンパク質の電気泳動分画は動物種間に著明な差異が認められた。
  • 鎌田 信一, 佐久間 伸一, 柿市 徳英, 内田 和夫, 今道 友則
    1981 年 30 巻 4 号 p. 445-450
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    豚糞等の家畜排泄物をメタン発酵によって処理する基礎的研究は以前からなされているが, 実験動物排泄物のメタン発酵に関する報告は未だみられていない。そこで, ラット糞を用いてメタン発酵によるメタンガス回収に関する基礎的検討を行ない, 次の成績を得た。1.ラットの糞を用いたメタン発酵で糞中の有機物1kg当り, 220~4231/kgの発生ガス量を得た。2.有機物中の除去されたBOD分解率は適正負荷条件下で50~60%であった。3.有機物中の除去されたBODg当りのガス発生量は500~600ml/9であった。4.発生ガスのメタンガス含有濃度は55~60%を示した。5.COD除去率は80%以上, BOD除去率も有機物負荷4.89/1/dまで90%以上であった。以上の成績, 特にガス発生量, メタンガス含有濃度の点からメタン発酵によるラット排泄物のエネルギー化は十分可能であり, 今後さらに検討する必要があると思われる。
  • 松井 寛二
    1981 年 30 巻 4 号 p. 451-455
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本実験はハムスター心臓の生後発達について計量的に追跡したものである。被検動物としてゴールデンハムスターを使用し, 成長の各過程の体重, 心臓重量, 心臓縦径, 心臓横径, 心房重量, 右心室重量, 左心室重量 (心室中隔を含む) , 左, 右心室遊離壁の厚さを計測し, 各実測値間の相対関係について考察した。縦径と横径および体重と心房重量の関係は躍察の全期間を通じて直線的に増加した。左心室遊離壁と右心室遊離壁, 体重と心臓重量, 体重と心室重量および左心室重量と右心室重量の相対関係には生後40~50日目, すなわち, 性成熟期に1つの変曲点が存在した。生後40~50日齢まで, 体重および心臓構成要素相互間の関係は直線的に増加するが, その後はからだの成長に対応して左心室系のみが優勢に増加するという経過をたどる。
  • 高橋 正一, 長瀬 すみ, 石橋 正彦
    1981 年 30 巻 4 号 p. 457-463
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    石橋ラットは, 1980年石橋によって発見された先天的に脊椎異常を有するラットで, 人の先天性脊椎異常のモデル動物として注目されている。この石橋ラットについて, 対照としてWistar Imamichiラットをもちい, 臨床生化学的検索を行なった。得られた結果は, 1) 石橋ラット血清においては, アルカリ性フォスファターゼ活性値が, 対照に比し有意に低く, また小腸タイプのアイソザイムは殆んど見出されなかった。2) アルカリ性フォスファターゼ以外の臨床生化学値には, 石橋ラットとWistar Imamichiラットの間で有意の差はなかった。3) 石橋ラットは, 人におけるhypophosphatasiaの疾患モデル動物になりうる可能性があると思われた。
  • 戸塚 武, 渡辺 貴美
    1981 年 30 巻 4 号 p. 465-470
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    筋ジストロフィー症マウスにおいて, 重症の後肢と比べると一見正常にみえる前肢でも, 耐久力は3週齢の時点ですでに正常マウスより有意に低く, しかも加齢に伴ってさらに低下することが分かった。そこで, 前肢筋と後肢筋を形態学的, 生化学的に比較研究した。
    若い筋ジストロフィー症マウスの前肢筋でも, 後肢筋でみられるのとほとんど同様の形態学的異常が観察された。しかも, 後肢に初めて症状が認められるようになる2週齢頃すでに, 後肢筋と同様前肢筋も異常に高濃度にハイドロキシプロリンを含んでいることが分かった。本研究により, 筋ジストロフィー症マウスでは, 前肢と後肢の筋はほぼ同時に病に冒されることが, 初めて明らかにされた。このことから, 筋ジストロフィー症マウスの前肢が何故一応の機能を果し得るのかが, 問題となる。この問題を解くことが, 本疾患の進行性の機構を究明する糸口を与えるだろうということを討論した。
  • 信永 利馬, 斎藤 松太郎, 井上 栄
    1981 年 30 巻 4 号 p. 471-480
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    前橋市群馬大学内分泌研究所において, ブタ肝で飼育されていたXenopus laevisに発生した原因不明の異常甲状腺の発生状態, 組織検索所見を東京や仙台における飼育群と比較検討し, その発生防止について見解を得た。1.異常甲状腺の発生は群馬大学内分泌研究所に限定されていて, 東京や仙台では群馬大学と同様ブタ肝で飼育をしているにもかかわらず認められなかった。2.このような異常は雌に若干多発する傾向が認められた。3.組織学的には小型小胞の多形成, 小胞上皮の重層化, 小胞膠様質の染色低下, 131Iの取り込み低下がみられ, ヒトのThyroid adenocarcinomaに酷似していた。4.Xenopusがマス用固型飼料で飼育可能になったことから, このマス固型飼料で飼育した群と従来のブタ肝飼育群との比較を行なった結果, マス固型飼料飼育群には異常甲状腺は認められなかった。これらのことから異常甲状腺の発生要因は飼料と水質の双方にある可能性が示唆された。
  • 篠田 元扶, 黒澤 努, 前島 一淑, 渡来 智
    1981 年 30 巻 4 号 p. 481-485
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    無菌 (Gf) マウスの心臓重量はふつう (Cv) マウスに比べて小さいことが知られているが, これに伴なうGfマウスの心臓機能については検討されていない。そこで, 心臓機能の指標として, Gfマウスの心電図 (ECG) を測定し, 心臓重量との関連について追究した。その結果, 雄GfマウスのQT間隔およびPP間隔が対照マウスより短くなっていたことを除き, 他の波形および雌Gfマウスのすべての波形成分には対照群との間に差が認められなかった。心拍数は, 雄Gfマウスにおいて対照マウスよりも多く, 有意差が認められたが, 雌Gfマウスでは対照群との間に差はなかった。なお, 心臓重量については, 雄, 雌ともGfマウスの方が対照マウスよりも低値を示し, 有意差が認められた。
    以上のように, GfマウスおよびCvマウス間には心臓重量に有意な差異が認められるにもかかわらず, ECG波形に現われるほどの本質的な心臓機能の差はないことが示された。
    稿を終えるにあたり, 本実験の場を与えていただいた帝京大学医学部田村弘助教授に深く感謝する。また, 種々の御助言をいただいた日本獣医畜産大学内科学教室の三谷節生氏に深謝する。
  • 沢田 勉, 小坂 忠司
    1981 年 30 巻 4 号 p. 487-490
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    4日周期を示す雌ラットを連続照明下で飼育すると, 7―9日目に不規則な性周期が出現し, 25―75日目に持続発情が誘起された。卵巣組織構造は, 不規則な性周期で嚢胞性卵巣の徴候をすでに示し, 持続発情期になると無排卵性の多嚢胞性卵巣が認められた。
    持続発情ラットを明暗照明 (14明: 10暗, 午前5時点灯) にもどすと, 4日周期が速やかに回帰し, 5周期目の卵巣では正常な構造が認められた。持続発情ラットに, 連続照明下でLH10μgを4日間隔で投与しても, 性周期は出現し, 5回のLH投与後の卵巣組織構造は正常に回復した。
    以上の結果は, 連続照明により誘起された持続発情ラットの多嚢胞性卵巣の回復は可能であり, これには周期的なLHによる反復刺激が関与することを示唆する。
    本実験に協力頂いた中村裕子獣医師 (現在: 小野薬品工業 (株) 中央研究所) に感謝する。
  • 伊藤 豊志雄, 岩井 浤
    1981 年 30 巻 4 号 p. 491-495
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    センダイウイルスに感染したICRマウスの体重および体温は減少し, その減少の程度は投与ウイルス量に比例した。重症例においては, ヘモグロビン, ヘマトクリット, 赤血球数, 白血球数とロイシンアミノペプチダーゼの上昇と, 網赤血球と乳酸脱水素酵素の減少をみた。
  • 福田 俊, 松岡 理
    1981 年 30 巻 4 号 p. 497-501
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    1日令から78週令の日本白色種ウサギの雌雄52頭を用いて, 四肢長骨の成長とくに骨端核の発育過程をX線撮影により観察した。骨長および骨端核は8週令に至るまでは急速に, 以後32週令に至るまでは緩徐に発育した。骨端核は, 1日令の上腕骨近位端および遠位端, 大腿骨頭, 大腿骨遠位端および脛骨近位端に, 1週令の肩甲骨関節上結節, 橈骨近位端および遠位端, 尺骨近位端および遠位端, 大腿骨大転子, 脛骨遠位端および腓骨遠位端に, 2週令の腓骨近位端に出現した。骨端核と骨幹の完全融合を示す骨端線の閉鎖は, 肩甲骨関節上結節が8週令で最も早く, 上腕骨近位端および遠位端が32週令で, 大腿骨頭および大腿骨遠位端が78週令でみとめられた。しかし, 橈骨, 尺骨, 脛骨および腓骨のそれぞれの近位端および遠位端では, 78週令に至っても完全な骨端線の閉鎖はみとめられず不完全融合を示していた。
  • 下田 耕治, 前島 一淑, 浦野 徹
    1981 年 30 巻 4 号 p. 503-505
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    1979年11月より1980年7月にかけて, わが国の代表的5生産コロニーより入手した各150匹のマウス, ラットならびに著者らの施設で飼育中のマウス471匹, ラット100匹, ウサギ60匹を対象としてEnterobacter cloacae, Serratia marcescensおよびYersinia enterocoliticaの分離を試みた。E.cloacaeはマウス15匹とラット7匹の糞便, 皮膚, 鼻汁, 肺, 膀胱より分離されたが, S.marcescensY.enterocoliticaは検索したすべての動物について陰性であった。
  • ―動物からヒトへの展望―
    加藤 隆一
    1981 年 30 巻 4 号 p. 507-517
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 30 巻 4 号 p. 519-525
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 梁川 良, 藤本 胖, 前島 一淑, 田嶋 嘉雄
    1981 年 30 巻 4 号 p. 527-533
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 30 巻 4 号 p. 535-545
    発行日: 1981/10/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
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