摂食障害, 消化管分泌障害, 消化吸収障害をもち, 疲労モデルとしても利用される振盪ストレス負荷動物の性格を明らかにするため, ラットに振盪ストレス (振幅13.5cm, 130往復/分, 3時間/日) を2週間反復負荷し, 最終ストレス負荷の18時間後に臓器重量, 血液像, 血清生化学値, 肝グリコーゲン量, 副腎アスコルビン酸量および輸精管の薬物反応性にみられる変化を検討した。
振盪ストレスの反復負荷により形態面では, 胸腺重量の減少および副腎重量の増大が認められた。血液検査所見としては白血球数の減少, 血糖値の低下, NEFA濃度の上昇, Na
+濃度の上昇およびK
+濃度の低下が, また輸精管のnoradrenalineに対する反応は増大することが認められた。これらの績成は, 交感神経―副腎髄質系および下垂体一副腎皮質系の活動亢進を示すものであるが, 他の血液検査所見, 肝グリコーゲン量および副腎アスコルビン酸量では正常ラットと同様であり, 一部には, ストレスに対する抵抗性が獲得されているものと推察された。
抄録全体を表示